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コロナ禍での米・感謝祭、ECでのアルコール宅配注文が急増

今年のアメリカにおける感謝祭は例年とは異なっていた。と同時に、消費者のアルコール購買パターンも通常とは違う動きを見せた。

たとえば、オンラインアルコール配達サービスのドリズリー(Drizly)では、消費者からの記録的な需要と、さまざまな種類の注文サービスへの関心の高まりが見られた。感謝祭前の水曜日の夜は、地域のバーでは多くの客を迎えて盛り上がりを見せるのが通例だが、今年、ドリズリーは平均より173.6%高い売り上げを記録した。11月24日火曜日の売り上げは、大統領選挙の投票日である11月3日を除いた、前4週の火曜日の平均より69.8%高く、月曜日の売り上げは前4週の月曜日の平均より43.6%高かった。本年度、ドリズリーはすでに記録的な売上高を記録し、前年比350%の伸びを記録しているが、そのなかで感謝祭にさらなる成長を見せた形だ。

売上増だけでなく、お酒の購入に新しい方法を試す消費者傾向も確認された。ボトルのまとめ買いができるドリズリーの 「ホワイトグローブ(White Glove)」 サービスは2016年に開始され、これまでは主にオフィスやビジネスイベントをターゲットにしていたが、この11月には大きな売り上げ増を見せた。感謝祭の週(11月23日から25日までの期間)におけるホワイトグローブの注文数は、2019年の同時期に比べて1063%増加した。

ドリズリーの企業ビジネス開発部門シニアマネージャーであるキンバリー・ヘドマーク氏は、米DIGIDAYの姉妹サイトであるモダンリテール(Modern Retail)に対し、ホワイトグローブはこれまで大規模な注文やイベントといった企業向けサービスとして提供されてきたと語った。しかし、ほかのサービスと同様に、同社は今年、複数の友人や家族のグループもホワイトグローブのマーケティングターゲットに含めるよう調整することが適切だと考えた。

高級ブランドへの関心が高まる

一方で、人々の注文の内容も変わりつつある。バカルディ(Bacardi)の戦略・洞察・分析部門グローバル・バイスプレジデントであるブレンダ・フィアーラ氏は、自社データを引用しつつ、消費者の高級ブランドへの関心の高まりをバカルディのようなアルコールメーカーたちは確認していると述べた。ニールセン(Nielsen)の最新の市場データによると、ウルトラ・プレミアム・アルコール部門は現在、蒸留酒価格帯の成長をリードしており、全体の市場シェアの31%を占めているという。フィアーラ氏は、2000人以上の消費者を対象としたバカルディによる最近のホリデー調査を引用し、回答者の50%近くが、今シーズンはより高級な蒸留酒の購入を優先していると答えたと語った。

より上質な蒸留酒をオンラインで購入する消費者の数が増えている、と彼女は述べる。「カクテル・クーリエ(Cocktail Courier)、リザーブ・バー(Reserve Bar)、ドリズリーなどのeコマース・プラットフォームでも同様の傾向が見られる」。

パンデミック初期にも、自宅待機令が出された時にはアルコール自宅配達サービスが大きく後押しを受けた。ニールセンによると、ドリズリーの競合であるミニバー(Minibar)、ソーシー(Saucey)、リザーブ・バーを含む、プラットフォーム・アプリ経由のアルコール宅配の利用は、3月に250%近く増加した。これらのプラットフォームはいずれも、2020年当初と比較して3桁の成長を示した。そこから9カ月が経った今も、アルコール宅配サービスの勢いはいまだに衰えていないようだ。

「バーでお金を払う代わりに」

eコマース売上はドリズリーの独立小売パートナーにも大きな影響を与えている。春にコロナウイルスが流行して以来、78%の店でオンライン販売が急増した。これらの小売業者の多くは、オンライン販売が総販売の少なくとも30%を占めていると報告している。

フィアーラ氏は、人々がバーでお酒を飲むという体験をしていないことを指摘する。「バーで高級カクテルにお金を払う代わりに、オンラインでのボトル注文をしている」と彼女は説明した。

[原文:Thanksgiving gave online alcohol delivery a big boost

Gabriela Barkho(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)