ネット注文の店舗渡し、ターゲットの投資は元が取れそう

メイシーズ(Macy’s)JCペニー(JCPenney)が、ホリデーシーズンの売り上げについて予想を下回る報告をする一方で、ターゲット(Target)は、従来型の小売業者のあいだで好調な業績を上げている。11~12月の既存店売上高の増加率は5.7%で、2017年同期の3.4%から上昇した。この成長に貢献したひとつの要因は、オンライン注文された商品の店内引き渡しで、ターゲットはこれをAmazonとの競争激化への対抗手段にしてきた

ターゲットは、オンライン注文の引き渡し「ドライブアップ(Drive Up:指定されたターゲットの商品引き渡し地点まで、顧客がクルマで行くオプション)」を通じて店舗から出荷する商品が前年比で60%増加したと、最高業務責任者のジョン・マリガン氏は1月10日に自社のブログで述べた。ターゲットによると、11~12月のデジタル売上成長率が29%だったのは、もっぱら、店頭で達成されたデジタル売り上げによるもので、2018年の業績にもとづくと、5年連続でデジタル売り上げが増加する見込みだという。

eコマース調査会社、マーケットプレイス・パルス(Marketplace Pulse)のCEOを務めるユオザス・カジュケナス氏は、オンラインで注文された商品を店頭で引き渡すターゲットのオプションは、顧客がクルマで店舗に行って商品を受け取るのに慣れている、米国の大都市中心部以外の顧客から見て、道理にかなっていると語る。ターゲットのオンライン商品引き渡しサービスは、ホリデーシーズン直前の購入で時間を節約したい大急ぎの買い物客の役に立ったと、同氏は付け加えた。

「ターゲットは昨年、比較的大きな勝利を収めた企業のひとつだった。2年前の状態と比べると大逆転だ。こうした客のほとんどは、いずれにしてもクルマで店舗に行く。店舗での受け取りと、オンライン購入の利点がかみ合っているので、店舗で商品を受け取るのは非常に便利だ」と、カジュケナス氏は指摘する。

メリットとデメリット

店頭引き渡しによって、ターゲットのような従来型小売業者は、実店舗をフルフィルメントと配送のハブとして利用している。グローバルデータ・リテール(GlobalData Retail )のマネージングディレクターを務めるネイル・サンダース氏は、費用が掛かる直販配達事業の負担が、店頭引き渡しによって減ると述べている。これは、ホームデポ(Home Depot)やウォルマート(Walmart)、CVSのような小売大手も投資してきたサービスだ。ゼブラ・テクノロジーズ(Zebra Technologies)が小売業者を対象に最近実施した調査によると、調査対象者の86%は、「オンラインで購入し、店頭で受け取る」のが、すぐに顧客にとって標準的な配達方法になると感じている。

「オンラインで購入された商品を店頭で引き渡すほうが、自宅に配送するよりはるかに費用効率がよい。ターゲットが売り上げを伸ばすのに役立ってきたが、収益を確保するのにも有益だった」と、サンダース氏はいう。

こうした魅力にもかかわらず、「オンラインで購入し、店頭で受け取る」のにはリスクもある。店舗がオンライン注文のフルフィルメントセンターになるので、商品棚から入手できると顧客が期待する在庫が圧迫されかねない。

「まさしく、読み違えるリスクがある。量がこういった水準になると、在庫戦略が統制されていて、適切な監視が確実に行われる体制を整えているか、確認しなければならない」と、サンダース氏は語る。

物流強化の背後にあるもの

2018年に、ターゲットはたくさんのリソースを投入して、配達および店内引き渡し業務を近代化した。サブスクリプションベースのカスタムショッパーサービス「シップト( Shipt)」の範囲を46州に拡大し、「カーブサイド・ピックアップ(curbside pickup)」も1000店舗近くにまで増やした。こうしたロジスティックスの強化の背後にあるコスト圧力は、ほかの小売大手と比べて大きな影響をターゲットに及ぼしているようだと、DIGIDAYは最近報じている

Suman Bhattacharyya(原文 / 訳:ガリレオ)