ディズニーのコンシューマープロダクト・アンド・インタラクティブメディア部門(略称:DCPI)は、その200のデジタルプロパティ向けに、ディズニー映画をモバイルファーストコンテンツに変えることだ。DCPIのバイスプレジデント、ダン・レイノルズ氏の典型的な1日について、以下に紹介する。
2016年10月、ピクサー映画『カールじいさんの空飛ぶ家』のしゃべる犬、ダグが実写化された。このバイラル動画「ダグ・イン・リアルライフ(Dug in Real Life)」でディズニーは、会話機能のある首輪を装着したレトリバー犬を公園に連れて行き、そうとは知らないカップルや家族と交流させている。
この動画の制作は、ディズニーのコンシューマープロダクト・アンド・インタラクティブメディア部門(略称:DCPI)。DCPIの使命は、Disney.comやFacebook、インスタグラム、Snapchatに至る、すべてのソーシャルチャンネルにおよぶ、その200のデジタルプロパティ向けに、ディズニー映画をモバイルファーストコンテンツに変えることだ。
DCPIのコンテンツおよびオーディエンス開発部門のバイスプレジデント、ダン・レイノルズ氏は、オーディエンス開発、コンテンツ開発、そして広告主と一緒にネイティブアドを制作する共同スタジオの3チームを率いている。「ダグ・イン・リアルライフ」のほかに、同ユニットは「絵文字で語られるディズニー(Disney as Told by Emojis)」のようなクリップを制作。これは『美女と野獣』や『シンデレラ』といったディズニーの古典を、絵文字を使ってうまく再現したショート動画シリーズだ。
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レイノルズ氏:ディズニーをデジタルに向かわせる
「私の仕事は、SnapchatやFacebookを更新するだけの、簡単な仕事だと誰もが思っている」と36歳のレイノルズ氏は、自身の職務における非常に大きな誤解について語る。「オーディエンスにストーリーを伝えるには、たくさんの作業と新しい考え方が必要だ」。もちろん、ディズニーでインスピレーションが不足することはないと、付け加える。
「我々の仕事は、世界最高のキャラクターたちとストーリーに起因する。それは、 創造的に仕事をはじめることができる、ほかに類を見ない楽しい遊び場のようなものだ」。
自身の典型的な1日について、レイノルズ氏が語ってくれた内容を分かりやすくするために少し編集して、以下に紹介する。
06:30 am 目覚まし時計をセットしているが、たいてい飼い犬のスーザンが先に起こしてくれる。彼女はお腹をすかせ、規則正しく目を覚ます。
06:45 am 朝のニュースの見出し、Twitterに素早く目を通し、インスタグラムとSnapchatをチラ見する。
07:00 am コーヒー。 習慣になっていてやめることができない。努力はしたけど。そして朝食シェイク。
07:15 am 昨晩から着信したメールをフォロー。弊社のニューヨークのセールスと編集チームは早い時間から就業しているため、彼らからのメールはいつも私の受信トレイの最初に並んでいる。
08:27 am DCPIのグレンデールオフィスに到着し、5階に向かう。オフィスの間取りはオープンで、ニュース編集室スタイルに設定されている。チームはすでに騒がしく、今日のコンテンツのプログラミング、制作、スケジューリングについて一緒に話し合っている。
オフィスは制作スペースを兼ね備えているので、いつも誰かが動画を撮影していたり、ディズニーファミリー用に自分たちで工作していたり、その日のSnapchatストーリーについて企画したりしている。
09:00 am 今日の最初の会議は、セールス、財務、製品担当者との連絡を取り合うために毎週行っているもの。今回は、クロスプラットフォーム動画戦略についての話し合いにほとんどの時間を費やした。
09:30 am 1日のなかでお気に入りの時間、毎日行われるスタンドアップミーティングはコンテンツ、デザイン、オーディエンス開発そしてほかのメンバーが一堂に会してその1日、1週先、1カ月先について計画する。
オーディエンス開発メンバーが、Facebookのバーティカル動画視聴数の初期の成果についての話を進めていき、そのネットワーク全体で我々がそれをテストするか、確認を取ろうとしている。スタンドアップミーティングはハロウィーンのコンテンツアイデアや、今日投稿する動画の評価について、矢継ぎ早にブレインストーミングをすることで締めくくった。
10:00 am これから公開される映画の先行試写会のため、バーバンクのウォルト・ディズニー・スタジオの一区画へと向かう車のなか。自分の仕事で気に入っていることのひとつは、我々のネットワークのデジタルオーディエンスにディズニーのコンテンツを編集者として提供する方法について検討することだ。
11:30 am オフィスに向かう。運転中、南米のデジタル担当者と話をする。彼らはジェネレーションZとミレニアル世代向けにブラジルとアルゼンチンで「オー・マイ・ディズニー(Oh My Disney)」を最近ローンチした。その編集計画と商業戦略について議論する。
12:00 pm 社内の売店で昼食を買って、それをもって自分のオフィスに戻る。
12:15 pm 最近発売されたマシュー・ラインハートの書籍『アナと雪の女王:ポップアップアドベンチャー』用に我々が制作したばかりの動画作品について、ディズニー・ブック・グループのトップから質問を電話で受ける。
01:00 pm Facebookアンソロジーチーム、広告販売および共同チームとの会議で、今後のクライアントへの展開について、いくつかを見直す。共同スタジオは、ディズニーブランドと自分たちのブランドを提携させたい広告主用に設けられたブランドコンテンツスタジオだ。
我々は、小売業クライアント向けに開発を進めているプログラムのひとつに採用する、将来性のあるタレントについて議論する。この会合は、ニュースフィード用にデザインされたさまざまな動画フォーマットを詳しく調べるために、Facebookのクリエイティブショップスタジオを利用したビジネスチャンスに関する議論で終わった。
02:30 pm 我々の測定ツールキットについて話すために、オーディエンスインサイトチームと打ち合わせ。コンテンツ、オーディエンス開発、製品、販売の各チームは、このネットワークによって生成されるデータに大きく依存している。
03:00 pm Apple iMessage向けの次回のディズニーステッカーについてクリエイティブディレクターと確認。iOS 10のリリースと同時に10パックを発売、さらに多くのスティッカーが毎月予定されている。
04:00 pm コンシューマープロダクトチームと打ち合わせ。「ディズニースタイル(Disney Style)」がデスティネーション(Destination)の次回エピソードで焦点を当てるべき、ファッションコラボレーションの可能性について議論。
05:00 pm 自分のオフィスに戻って、メールの確認、不在電話の折り返し、明日の早朝会議の準備にかかる。
05:45 pm バッブル(Babble)シリーズの最新エピソード「キッズプレイニング(Kidsplaining)」の暫定版を視聴、文字どおり大声で笑う。
06:30 pm その日公開のコンテンツにすばやく目を通し、何が成功し、何が成功しなかったのか確認、次回に備えて何を学ぶことができるか、いくつか考えをまとめる。
06:45 pm オフィスは静かになりはじめ、会社を出る時間に。ジムに行く。まるでリセットボタンを押したように、ワークアウト中は画面を見ない。
08:30 pm 帰宅し、夕食を摂る。自分がお腹をすかせていることをスーザンは私に念押しする(彼女がほんとうに空腹を感じているわけでは決してないのだが)。
09:30 pm 『ザ・ナイト・オブ』の最終回を見終える。
10:30 pm メールにざっと目を通し、インスタグラムとSnapchatをチェック。妹にテキストを送信。自分のカレンダーを見直し、ToDoリストを整理。そして消灯。
Jemma Brackebush(原文 / 訳:Conyac)