美容レビュー動画アプリ、スーパーグレート（Supergreat）は、ジェネラティブAIを活用した最新のソーシャルアプリだ。
質問の回答や推奨を処理するAIアシスタント機能
美容製品のレビューやおすすめの内容を特集した短編動画やライブストリーム、ほかのライブストリームで知られるスーパーグレートは、ChatGPTを組み込んでデスクトップにGRWM.aiチャットボットを作成した。同社が「AI搭載の美容アシスタント」と呼ぶこの機能により、ユーザーが美容製品に関する個人向けのおすすめについて尋ねると、おすすめ製品やスーパーグレートの関連動画を受け取ることができる。
「大規模な言語モデルの長所には、複雑な質問や微妙な質問をうまく処理できることがある」と述べるのは、スーパーグレートの共同創業兼CEO、タイラー・フォークス氏だ。「新しいテクノロジーはどんなものでも常に注意点とリスクが伴う。当社にとって重要なのは、できるかぎり注意深く実行することだ」。
この記事は、DIGIDAY［日本版］のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。
美容レビュー動画アプリ、スーパーグレート（Supergreat）は、ジェネラティブAIを活用した最新のソーシャルアプリだ。
質問の回答や推奨を処理するAIアシスタント機能
美容製品のレビューやおすすめ製品を紹介する短編動画やライブストリームで知られるスーパーグレートは、ChatGPTを組み込んでデスクトップ上のGRWM.aiチャットボットを作成した。「AI搭載の美容アシスタント」と呼ばれているこの機能により、ユーザーが美容製品に関する個人向けのおすすめについて尋ねると、おすすめ製品やスーパーグレートの関連動画を受け取ることができる。
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「大規模な言語モデルの強みのひとつは、複雑な質問やニュアンスの異なる質問をうまくナビゲートできることだ」と述べるのは、スーパーグレートの共同創業兼CEO、タイラー・フォークス氏だ。「新しいテクノロジーはどんなものでも常に注意点とリスクが伴う。当社にとって重要なのは、できるかぎり注意深く実行することだ」。
「Get Ready With Me（私と一緒に準備しよう）」の略であるGRWM.aiプラットフォームは、オープンAI（OpenAI）のGPT4テクノロジーとスーパーグレートの美容インフルエンサーコンテンツのデータセットの組み合わせを利用して、ユーザーの質問に対してパーソナライズされた詳しい回答を提供するものだ。無香料でベタつかない日焼け止めのおすすめを尋ねたところ、それに該当するニュートロジーナ（Neutrogena）、エルタMD（EltaMD）、アビーノ（Aveeno）の製品が選ばれた。ミニマリストのフルメイクアップについてのアドバイスを求めると、ボビイ ブラウン（Bobbi Brown）のファンデーション、ナーズ（NARS）のコンシーラー、タルト（Tarte）のアイシャドウ、グロシエ（Glossier）のブロウジェルなどのおすすめが表示される。
不正確な情報を防ぐためにアルゴリズムを調整
フォークス氏によると、スーパーグレートは、ChatGPTがしばしば吐き出す不正確な情報を防ぐためにアルゴリズムを調整したという。
「アルゴリズムが質問に答えられるように、（不正確な情報に対する）予防策を多大に設けようと務めた。アルゴリズムによる情報の捏造はまったく望んではいないし、完全に確信がない場合にはアルゴリズムに推測してもらいたくもない」とフォークス氏は語っている。
AIチャットボットを活用する他社の例
スーパーグレートはAIチャットボットを組み込んだ最初のソーシャルアプリではない。Snapchatは2023年4月に仮想アバターチャットボットをローンチし、TikTokはTakoと呼ばれるAIチャットボットをテストしていると報じられている。Metaは、ブレンダーボット3（BlenderBot3）というAIチャットボットの研究プロジェクトをリリースすると昨年の8月に発表した。美容関連のテック系スタートアップもAIを取り入れている。クライアントにセフォラ（Sephora）を抱える体験型マーケティング会社、THエクスペリエンシャル（TH Experiential）がローンチしたアプリであるRTRO（レトロ）は、アプリにChatGPTチャットボットを加えている。
動画コンテンツクリエイターへのメリット
スーパーグレートによると、同社のコンテンツのデータセットには35万以上の製品レビュー動画から抽出された4000万語を超える単語が含まれているという。コンテンツを作成したインフルエンサーはおすすめ製品のアフィリエイト手数料を受け取っているが、彼らに対して引き続きクレジットを提供することが重要だとフォークス氏は述べた。
「すべての答えの情報源は我々のコミュニティからのコンテンツであり、Get Ready With Meのクリエイターに直接帰属するものだ。この点は実にパワフルだ。コミュニティの検索体験、つまり実際の情報源が広く明白に行き渡ることになる。それによって信頼が築かれるし、また、クレジットを正しく提示するのにも役立つからだ」とフォークス氏は述べている。
アプリ内のおすすめ製品リンクによって、アフィリエイト手数料がスーパーグレートに直接与えられる。一方、（おすすめ製品の）下にインフルエンサー動画がリンクされているが、それらのリンクを通して購入があった場合には、そのクリエイターは依然として手数料を受け取ることができる。
スーパーグレートは、2018年にフォークス氏とダン・ブラックマン氏が設立し、ニューヨーク市に本社を置く。ガブリエル・ユニオン氏、アリアナ・グランデ氏、ヘイリー・ビーバー氏、ケイト・ハドソン氏といったセレブが自分のブランドを宣伝する動画を取り上げている。投資者にはベンチマーク、（Benchmark）、スライブキャピタル（Thrive Capital）、グリーンオークス（Greenoaks）、ショッピファイ（Shopify）らがいる。
スーパーグレートは「今後、AIを活用した機能をさらにアプリに追加していく予定だ」とフォークス氏は語った。
［原文：Supergreat taps into ChatGPT for AI beauty recommendations］
LIZ FLORA（翻訳：ぬえよしこ、編集：山岸祐加子）
