デジタル経験者こそ、 テレビCM で成功できる時代が来た : スタディサプリ × アイレップ の「科学するTVCM」

テレビCMはデジタル広告と比べて、本当に高いのか? テレビCMは『認知目的』と割り切ってしまって、本当にいいのか? いま改めて検証しなおすべきときが来たようだ。

2019年11月27日から28日にかけて、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催された「アドテック東京 2019(ad:tech Tokyo 2019)」。その公式セッションの大トリを飾った「科学するTVCM」は、これまでのテレビCMの常識を覆す、実にエキサイティングな内容だった。

「テレビCMが効かなくなったと言われはじめて久しい。だが、実は『効く使い方』をしていないだけなんじゃないか? という提案をしたい」と、本セッションのモデレーターを担当した株式会社アイレップのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター、平知己氏はセッション冒頭で口火を切る。「使い方によっては、リスティング広告やバナー広告よりも、テレビCMの方がコストパフォーマンスがいいという事例もある」。

最初の事例のひとつとして紹介されたのが、株式会社リクルートマーケティングパートナーズが運営する、オンライン学習サービス「スタディサプリ」だ。このサービスでは、小学4年生から社会人まで、さまざまなターゲットに向けた学習コンテンツを月額980円という安価で提供している。

「ここ2〜3年、テレビCMを我々なりに科学して来た結果、会員数を約2倍に拡大できた」と、同セッションにパネラーとして登壇した、同社オンラインラーニング事業推進室の部長を務める松尾慎治氏は説明する。「その一方、CPAは2分の1くらいにできた」。

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「テレビCMを科学した結果、会員を2倍にできた」と語る松尾氏

D2C企業もテレビCMで成長

一般論として、テレビCMの効力の低下は、さまざまなところから聞こえている。人々いわく、「リアルタイム視聴が減っているのでCMはスキップされてしまう」「視聴者は高齢者ばかりで若年層にリーチできない」「そもそも指標があいまいで効果のほどを実感しにくい」などなど、テレビCMへのネガティブな意見は尽きない。実際、そういう流れがデジタル広告を主軸にビジネスを展開する、昨今のD2C(Direct to Consumer)ムーブメントを生んだといっても過言ではない。

「しかし、いま日本のユニコーン企業と呼ばれているスタートアップ企業30社のうち10社はテレビCMを使っている」と、逆説的に平氏は説明する。「ユニコーン企業でテレビCMを使っていないのは、機械学習・深層学習の研究と開発を行うプリファードネットワーク(Preferred Networks)のような特殊な企業だけ。それ以外のB2C・D2Cのユニコーン企業は、テレビCMを有効に利用して成長している」。

「スタディサプリ」は、日本の代表的なD2Cサービスのひとつだ。運営企業のリクルートマーケティングパートナーズはスタートアップではないものの、デジタルの力を利用して、時間と空間の制限を乗り越え、直接ユーザーに授業を提供している。それによって、ユーザーはいつでもどこでも、手軽に良質な学習が可能になった。そんな「スタディサプリ」もテレビCMをうまく使いこなしている。

Webマーケティングの限界

人気受験マンガ『ドラゴン桜』の主人公、桜木建二に「スタディサプリにアクセスしろ。これからの学習はITだ! ITの活用が新しい時代の勉強だ!」と言わしめたこのD2Cビジネスも、ローンチ当初の2012年頃には一般的なD2C企業と同様に、デジタル広告でのグロースを計画していた。だが、それはすぐに頓挫し、早々にテレビCMに取り組みはじめたという。その理由は、「Webマーケティングの限界を感じたからだ」と、松尾氏は振り返る。

当時、「スタディサプリ」のデジタル広告は、リスティングやSEOを柱に考えていた。たとえば英語科目なら、それに関するキーワードは、何千万回と検索されているからだ。だが、その91%は「翻訳」についてだったと、松尾氏はすぐに気づいたという。つまり、「どういたしまして 英語」など、その言い回しを調べることが、主な検索の目的だったのだ。そのためほとんどが辞書系サービスに紐付けられてしまい、「スタディサプリ」のような学習教材につながるキーワードは、実は少なかったという。そこでテレビCMに目を向けはじめた。

「ただし、全国でテレビCMをそれなりの量で投下すると、3億円くらいかかる。仮に、それで獲得できたのは、たった1000人だけとした場合、CPAに換算すると、ひとりあたり30万円もかかることになる。月額980円のサービスでは、投資対効果に合わない。そうなるとテレビCMは、まさに博打と一緒になってしまう」と、松尾氏は語る。「しかし、我々はテレビCMを科学したことで、CPAの実績はビジネス的に許容できる水準に収めている。しかも、新しいCMクリエイティブが出来る段階で、そのCPAを大体読むことできる。つまり、コントロールできるような状態になっている」。

「デジタル広告」の発想で

テレビCM利用においてCPAの劇的改善に結びついたのが、デジタル広告の発想だ。「スタディサプリ」の事業に携わる前、松尾氏はインターネットマーケティング局にてサイト/アプリ開発・Webマーケ・市場調査/ログデータ分析などに従事していたという。

「いわゆるテレビCMの目的といえば、想起とか認知の獲得だ。そうではなく、『利用意向』の獲得に切り替えた。ただ、『覚えてもらう』ではなく、いかに『すぐ使ってみたくなる』かという視点でクリエイティブを作り変えることにしたのだ。そして、効果指標もWebでよく使う、CPAやCPIなど、そういうものに置き直した」と、松尾氏は説明する。「これがうまく行きはじめた最初のポイントだと思っている」。

卸売や小売などのパートナーを通して、間接的にユーザーとつながっている一般メーカーなら、広告を後方支援的な位置づけとしている企業も多いだろう。しかし、D2C、つまり直販となる「スタディサプリ」は、自分たちのホームページ以外に販路はない。そのため、覚えてもらうだけではなく、いますぐ利用してもらうことがなにより重要となる。だからこその英断だったのだろう。


「スタディサプリ」テレビCM

「しっかりとテストすべき」

そんな「スタディサプリ」におけるテレビCM革命において、力強い伴走者となったのが、平氏が所属するアイレップである。「デジタル時代のマーケティングを再定義する」というスローガンを掲げ、PDCAに根ざしたサービスを提供する同社は、デジタルを基盤とした統合マーケティングエージェンシーだ。Web黎明期の頃からデジタル領域において、クライアントのマーケティング課題の解決を行ってきたが、いまやその活動が拡大してテレビCMまで手掛けているという。

「すごくシンプルな話だが、1回出稿すると流れ続けてしまうものだから、出稿する前にしっかりとテストしておくべきだと思う」と、平氏は説明する。「我々は、テレビに出稿する前に、安価に作成した検証動画をYouTubeやFacebookなどで流し、必ず『これなら行ける』というポイントを見つける。そのあとに、タレントさんをアサインしたり、音楽をしっかり作り込んだりして、テレビCMに仕上げる」。

訴求内容によって大きく異なるが、テレビCMの制作費は、おおよそ1本3000万円。それを、昔ながらのやり方で検証しようとすると、とんでもない費用がかかる。しかし、デジタルで検証しておけば、その費用が極力抑えられるうえに、効果を限りなく約束されたものを決め打ちで、テレビに転用できる。このようにアイレップでは、現在インターネット広告で培った、成果にコミットするデジタルの制作手法を、マス広告に応用する「科学するテレビCM」を掲げている。

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「テレビCMも、出稿する前にしっかりとテストしておくべきだと思う」と平氏

変わるメディアバイイング

「テレビCMの重要指標はGRP(述べ視聴率)」と、いまだに言われるが、デジタルな視点からすると露出の「質」の方が大事だと、平氏は主張する。露出「量」はGRPで表現できるが、「質」に関するコンバージョンは、CPAやCPIなどパーセンテージで表現できるものの方が都合がいい。そこで、着目すべきは、Webページのアクセス解析サービスだ。

「いわゆる認知を目的にCMを作ると、アナリティクスツールにおいて、指名検索リフトのスパイクを作ることは可能だ。しかし、その後の残存効果というものがまったくなく、放映期間が終了すると、すぐに無風になる」と、松尾氏は述懐する。「利用意向を重視してCMを作ると、この残存効果を含めて、十何カ月で投資回収ができる」。

長年、サーチを主戦場としてきたアイレップが、なぜテレビCMを手掛けているのかという理由がここにある。いま、提供番組やCM接触後にどんなWeb行動をしたのか、商材の購買に至ったのかなどを分析することが可能になっており、メディアバイイングの手法が大きく変わりつつあるのだ。つまり、検索データに基づくマスメディアブランディングのようなものも可能になっている。

テレビCMで成功する3つのポイント

松尾氏は、あくまでCPA重視の事業者向けに、テレビCMで成功するポイントは3つあるという。1つは、従来の「テレビCMは認知」という考えをやめて、自らの目的をしっかり定義すること。2つ目は、その目的に合わせて、検証をベースとした、クリエイティブの作り方を考えること。そして、3つ目は、広告の制作を依頼する、エージェンシーやクリエイターとの付き合い方を変えることだ。

「自戒を踏まえ、いままでの広告主は、パートナー企業に丸投げの姿勢だった。そうではなくて、何十、何百というパターンを一緒に作って、検証していく『伴走者』として捉える必要がある」と、松尾氏は締めくくる。「デジタルマーケティング経験者はぜひテレビCMにチャレンジしてもらえるとうれしい。いまがすごく楽しいから」。

※アイレップのソリューション「科学するテレビCM」の詳細はこちら

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Written by DIGIDAY Brand STUDIO
Photo by 合田和弘