アナ・ハーマン氏とリサ・ババース氏は2019年後半に耳のピアス穴開けサービスとピアスイヤリングの会社スタッズ(Studs)をローンチ。IRLサービスの提供がビジネスモデルの中核だったが、パンデミック発生後、eコマースも全面的に重要になっている。同社はクロスチャネルの成長を目指している。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
2019年後半、アナ・ハーマン氏とリサ・ババース氏が耳のピアス穴開けサービスとピアスイヤリングの会社スタッズ(Studs)をローンチしたとき、IRLサービスの提供がビジネスモデルの中核だった。しかし、パンデミックが発生し、今日ではeコマースも全面的に重要になっている。
「2022年には両方のチャネルにフォーカスしている」と、最新のGlossyポッドキャストでハーマン氏は述べている。「我々は、eコマースビジネスの成長だけではなく、小売業のフットプリントにも投資して成長し続けたいと考えている。双方がしっかり補完し合うことを望んでいる。双方が主要なチャネルになれば、ビジネスはもっと成功を収められるだろう」。
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同社はそのクロスチャネルの成長を促進するために3000万ドル(約35億円)以上を調達している。
スタッズは、店舗の拠点を拡大することに関して幸先良いスタートを切っている。ハーマン氏とババース氏は2021年に6店舗を新規オープン、2022年末までに20を超える店舗を持つ予定である。
「米国中に小さな大学街がたくさんあり、それらの街には我々の主要顧客層の一部を成す熱烈なオーディエンスがいる」とハーマン氏。「だから、時の経過とともに店舗の拠点を拡大できる。スタッズの機会は無限だ」。
販売チャネル以外では、二人は社内チームの拡大と全体的なブランド認知度の向上に注力している。そして、あらゆるステップにおいて自分たち独自の戦略を立てるつもりだという。
「イノベーションと独創的な思考と創造が我々の原動力だ」とハーマン氏は述べている。
以下、ポッドキャストの会話のハイライトを紹介する。なお、読みやすさのために若干編集を加えてある。
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すべてのタッチポイントでUGCを促進
ババーズ氏:「我々の店舗はUGCのためにデザインされ、とてもインスタ映えする。耳に穴を開ける行為はインスタグラムにぴったりだ。自分がやったことを世界に、そして友人たちに伝えたいだろうから、店内でのUGCがたくさんある。また、自宅での「イヤスケープ(耳のスタイリングを意味するearとscapeの造語)」にも使えるようにパッケージもインスタ映えするものだし、とても可愛い蛍光色のポーチもある。オンライン注文にはスクラッチオフを1枚入れている。それをはがしたら当たりがでるかもしれない。賞品には、500ドル(約5800円)分の買い物やトートバッグ、割引コードがある。また、(SNS投稿にふさわしい)瞬間やステッカーも用意している。自宅でのスタイルの一部としてイヤスケープを披露するのもとても人気だ。このようにUGCは耳の穴開けからファッションググッズまであらゆる範囲を網羅している」。
顧客の獲得
ババーズ氏:「顧客獲得にうまく機能している取り組みには我々自身のコンテンツがある。この2年半でインスタグラムでは19.6万人のフォロワーを得られたし、コンテンツにはしっかり投資している。自社の撮影スタジオで耳を撮影して、イヤジュケーション(earducation:「ear」と「education」を合わせた耳の教育を意味する造語)のコンテンツを制作している。イヤリングのスタイリング方法や、スタッドイヤリングひとつを3通りで着ける方法などのコンテンツがたくさんある。
また、ピアスについての指導やピアスのコンテンツも多数ある。イヤジュケーションのハブをローンチして、ピアス、アフターケア、スタイリング、トレンドに関するすべての情報のリソースとガイドを提供するつもりだ。だから、顧客獲得の観点では、コンテンツへの投資は本当に成果を上げているし、顧客にも大好評だ。
またeコマースの成長を推進してきた方法としては、eコマースのドロップもある。店舗でもドロップは行うが、eコマースのドロップは実際にeコマースの成長を牽引している。昨年、スタッズ・ラブズ・ニューヨーク(Studs Loves NewYork)という大規模なキャンペーンを実施した。これは、地元のデザイナー、ガーベッジNY(Garbage NY)と協働して、ニューヨークにインスピレーションを得たジュエリーを展開して、スタッズ・オン・ウィールス(Studs On Wheels)トラックを利用した。斬新な品揃えのこのようなドロップキャンペーンは我々にとって大きな推進力だった。
我々は(人気投票についても)同じようなことを実施した。今年は差別化したジュエリーを提供する一連の大規模なキャンペーンを開始する予定がある。スタッズは楽しくて大胆なブランドなので、それを体現するような小さなカウボーイブーツや「ファックオフ」スタッドなどを提供できるだろうし、これはブランドにふさわしい。スタッズのそんな点が顧客から愛されている。だから、今年は斬新で楽しいイヤリングのドロップがたくさんあるだろう」。
実店舗の役割
ハーマン氏:「スタッズにとって店舗は主要なビジネス推進要因で、経済的に実行可能だ。単なるマーケティングのアクティベーションではない。店舗があってこそのビジネスだ。米国中に何百もの店舗を築くことが可能だと確信している。これに関して限りない意欲を持っている。また、店舗がマーケティングツールとしてどう機能するかということに関しては、店舗を設置した場所ではeコマースの収益の急増を目にしているのが最大のことだ。これはスタッズに限ったことではなく、物理的なビジネスには頻繁にあること。我々は実際に経験しているが、これは、店舗ビジネスの成長にともなってeコマースビジネスも成長するということを証明している」。
[原文:Studs founders Anna Harman and Lisa Bubbers on their plan to open ‘many hundreds’ of stores]
JILL MANOFF(翻訳:ぬえよしこ、編集:小玉明依)