アディダス、 Facebook 動画広告を停止して 効果を検証:エージェンシー幹部の情報筋が証言

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Facebookにおけるメジャーメントの問題を受け、アディダス(Adidas)がFacebookへの支出を疑問視している。

アディダスのメディアチームは、Facebookの動画広告の購入を停止。広告が定期的に見られてはいないのではないかという懸念から、支出の削減を検討している。別々のエージェンシー幹部3人が今回、匿名を条件に話をしてくれた。この幹部らによると、Facebook広告が値上がりするなか、マーケターにFacebookが提供する広告効果を検証するためのデータ量が限定的であることに、アディダスはいら立っているという。

アディダスはFacebookへの支出額の最大30%が無駄になっている可能性があると、アディダスのメディアチームと仕事をするエージェンシー幹部のひとりは語る。アディダスは先日、Facebookへの支出に関する内部監査を完了した。

「アディダスは投じた資金の状況に満足していない」と、このメディア幹部は語った。アディダスとFacebookは、この記事へのコメントを拒否した。

アディダスの判断

調査で判明した無駄を受けて、アディダスは支出の停止を判断した。Facebookの広告は、ビューアビリティ(可視性)とリテンション率が十分ではなかったと、アディダスと仕事をしているもうひとりのエージェンシー幹部は語る。キャンペーンの成功を測定するベストな手段がビューアビリティとは限らない。しかし、動画コンテンツをたくさん作っているアディダスのような広告主としては、ニュースフィードのスクロール中に目に入るだけでなく、しっかりと視聴してほしい。

たとえば2017年には、広告主による動画のうち視聴再生されているのはわずか22%という事例があった。アディダスの場合、動画がどれくらい視聴再生されているのか、測定ベンダーのモート(Moat)を使って追跡している。だが、Facebookへの十分なアクセスがアディダスに与えられておらず、Facebookが報告する数字の正しさも保証できないようだと、しっかりと把握するのは難しいかもしれない。

アディダスは2017年夏の時点で、業界のビューアビリティ基準への不満を語ったり、Facebookで購入する広告の効果について透明性の向上を求めたりと、方針変更を示唆していた。Facebookは規模が大きいかもしれない。しかし、広告が売上増加などの業績向上につながらないとすれば、結果を出せるチャネルにアディダスは乗り換えるだろう。

「面白いことをやろう」

Facebookにいら立っているのはスポーツウェアの広告を出すアディダスだけではない。CMOカウンシル(CMO Council)がシニアマーケター233人に行った調査では、指標のレポートが不正確なことを受けて、Facebookへの支出を抑えたことがあると62%が語っている。

とはいえ、Facebookを完全にやめたという声はほとんどなかった。アディダスの調査を知るエージェンシー幹部らによると、アディダスの議論ではすでに、Facebookとの関係が焦点になっているという。

「アディダスは現在、Facebookへの支出を大きく減らしており、支出を続ける場合も、Facebookに対して影響力があるパブリッシャーたちと一緒にやれる限りで統合を拡大していくことを考えている」と、アディダスと仕事をしているもうひとりのエージェンシー幹部は語る。この幹部によると、「『人々がスキップしたいような単なる広告を超えた、面白いことをやろう』と、アディダスは考えている」という。

権利市場における変化

興味深いことに、Facebookを危惧しているアディダスが、インスタグラム(Instagram)との仕事は継続していると、エージェンシー幹部のひとりは語った。アディダスがFacebookのプライバシーとデータ品質を懸念するのなら、同じエコシステムの一部で同じデータを使っているインスタグラムについても同じことが言えるはずだと、動画企業バイラルゲインズ(ViralGains)のCEO、トッド・ルーフバロウ氏はいう。

「Facebookとインスタグラムで扱いを変えているところには、私なら絶対に、考え直すように警告する」と、同氏は語った。

アディダスのメディア購入の見方には、スポーツの権利市場の変化が影響している。同社は「タンゴスクワッド(Tango Squad)」シリーズのようなデジタルコンテンツの制作を増やしており、ファンにそれらを定期的に見てもらうためのプラットフォームを必要としている。

eスポーツに進出しているのも、インフルエンサーやスポーツパブリッシャーとの仕事を増やそうとしているのもそれが理由だ。アディダスはほかに、Snapchat(スナップチャット)の活用を進めている。Snapchatの拡張現実レンズを通じた製品の直接販売にいち早く乗りだしているほか、eコマースキャンペーンにSnapchatをさらに拡大することを検討している。

Seb Joseph (原文 / 訳:ガリレオ)