スヌープ・ドッグはラッパーとしてのキャリアがあるが、この数年間は連続起業家として成功してきた。同氏のブランドには、蒸留酒ジンのブランドであるインドッゴ(Indoggo)、大麻ブランドのリーフス・バイ・スヌープ(Leafs By Snoop)、ポスト(Post)社とコラボレーションしているスヌープシリアル(Snoop Cereal)、ワイン製造業者ナインティーンクライムズ(19 Crimes)との提携で2020年にローンチしたワインの商品ラインなどがある。そして次に、新しいベンチャーであるスヌープドッギードッグス(Snoop Doggie Doggs)で、成長し続けているペット分野も制覇しようとしている。
スヌープドッギードッグスは、2022年後半に自社ウェブサイトおよびAmazonでローンチし、7月からペトコ(Petco)や、ペットスマート(PetSmart)、コールズ(Kohl’s)などの小売業者で取り扱われる。同社の商品ラインには現在、ドッグウェアや、玩具、ハーネス、帽子などのほか、フードボウルなどのアクセサリーがある。これらのペット用商品は、すでにヘルシースポット(Healthy Spot)やペットサプライズプラス(Pet Supplies Plus)などのローカルなペット用品チェーン店で販売されており、卸売マーケットプレイスのフェール(Faire)やホールセール・ペット(Wholesale Pet)を通して独立系ショップでも販売されている。ペット分野が成長し続けるなか、新しいペット用品ブランドは、必需品への支出減少などの逆風に直面している。しかし同社によれば、創業者がスヌープ・ドッグというセレブリティである点と、派手なデザインが、この競争相手の多い分野での差別化に役立っているという。
こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です
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スヌープ・ドッグはラッパーとしてのキャリアがあるが、この数年間は連続起業家として成功してきた。同氏のブランドには、蒸留酒ジンのブランドであるインドッゴ(Indoggo)、大麻ブランドのリーフス・バイ・スヌープ(Leafs By Snoop)、ポスト(Post)社とコラボレーションしているスヌープシリアル(Snoop Cereal)、ワイン製造業者ナインティーンクライムズ(19 Crimes)との提携で2020年にローンチしたワインの商品ラインなどがある。そして次に、新しいベンチャーであるスヌープドッギードッグス(Snoop Doggie Doggs)で、成長し続けているペット分野も制覇しようとしている。
スヌープドッギードッグスは、2022年後半に自社ウェブサイトおよびAmazonでローンチし、7月からペトコ(Petco)や、ペットスマート(PetSmart)、コールズ(Kohl’s)などの小売業者で取り扱われる。同社の商品ラインには現在、ドッグウェアや、玩具、ハーネス、帽子などのほか、フードボウルなどのアクセサリーがある。これらのペット用商品は、すでにヘルシースポット(Healthy Spot)やペットサプライズプラス(Pet Supplies Plus)などのローカルなペット用品チェーン店で販売されており、卸売マーケットプレイスのフェール(Faire)やホールセール・ペット(Wholesale Pet)を通して独立系ショップでも販売されている。ペット分野が成長し続けるなか、新しいペット用品ブランドは、必需品への支出減少などの逆風に直面している。しかし同社によれば、創業者がスヌープ・ドッグというセレブリティである点と、派手なデザインが、この競争相手の多い分野での差別化に役立っているという。
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世代を超えたオーディエンス
スヌープドッギードッグスは間違いなく、スヌープ・ドッグ自身の魅力で成り立っているものだと話すのは、スヌープドッギードッグスの商品ラインを開発・製造するリトルアースプロダクションズ(Little Earth Productions)とパートナーシップを組んでブランドの立ち上げを支援したSMACエンターテイメントのCOO、エープリル・グイドン氏だ。スヌープ・ドッグは長年にわたってペットを飼っており、現在は11匹の犬と2匹の猫の世話をしている。
「これらの商品ラインは、彼とそのスタイルのファンのためにあるものだ。彼は世代を超えるオーディエンスを抱えている」と、グイドン氏は述べる。同ブランドの商品には、派手な装飾の「オフ・ザ・チェーン(Off The Chain)」、ピンクの「ボスレディ(Boss Lady)」、「スロー・ア・ドッグ・ア・ボーン(Throw a Dogg a Bone)」などさまざまなコレクションがある。
「すべて普通よりちょっと派手なので、ほかの市販商品とは異なると思う」と、リトルアースプロダクションの共同創業者兼CEOのアバ・デマルコ氏は語る。たとえば、ペット用フードボウルは金色で重く、チェーンが付いている。また、スポーツジャージはクリスタルの装飾付きだ。「これらの装飾品は非常によくできていて、ペットに着けて写真を投稿したりして楽しむことができる」と、同氏は述べている。
多角的アプローチが奏功
Amazonでの発売は、「独占販売による最初の話題作り」が目的だったと、デマルコ氏は付け加えている。同氏はこの6カ月間、商品に対する反応は非常に良好だったと述べている。同社は売上の正確な数値を公表していないが、直近1カ月のオンライン売上は、昨年の11月と12月のローンチ時期と比べて450%も伸長した。
同ブランドが複数の小売店でのローンチを同時に行えたのは、リトルアースプロダクションズと小売企業との既存の関係があったからだと、デマルコ氏は述べる。また同社は、NFL(ナショナルフットボールリーグ)や、NHL(ナショナルホッケーリーグ)、MLB(メジャーリーグベースボール)といったリーグと提携し、大手チェーンとともにスポーツのライセンスを受けたスポーツ商品を供給しているが、「彼らは、これらのほかのブランドにおける当社の実績を知っている」と、デマルコ氏は述べる。
スヌープ・ドッグ自身も、特にインスタグラムやTikTokなどのソーシャルメディアプラットフォームでのマーケティングに力を入れており、合わせて1億人を超えるフォロワーを抱えている。いくつかの小売企業では、商品のローンチに合わせて店舗内プロモーションやディスプレイを行う予定だ。話題作りのための対面イベントも、マーケティングの大きな要素だ。ごく最近、スヌープ・ドッグの妻で起業家であるシャンテ・ブローダス氏は、夫妻の犬を連れてペットヘルス(Pet Health)のイベントに出演した。「スヌープにはペットを飼っているセレブリティの友人も多いため、インフルエンサーへのギフティングもたくさん行っている」と、グイドン氏は述べている。
デマルコ氏によると、同ブランドは、店舗とオンライン双方の買い物客に向けて、2層のマーチャンダイジング戦略をとっているという。たとえば、実店舗のSKU(在庫管理単位)は衝動買いを重視しているという。スヌープドッギードッグスのドッグウェアは、「大型犬」サイズのものまで用意されており、価格は14.99ドル(約2130円)〜99.99ドル(約1万4200円)だ。「オンラインの方がハイエンドの商品が多く、たとえば小売価格75ドル(約1万700円)の金色のフードボウルがある」と、同氏は説明する。リトルアースプロダクションズでは、コールズで限定販売している犬用バンダナなど、一部の小売店での限定商品もいくつか製造している。
非消耗品の買い控え
現時点では、ペットフードを販売しないペットブランドが成長するには、多くの労力を費やす必要がある。調査企業ガートナー(Gartner)のマーケティング実践を手掛けているディレクターアナリストのブラッド・ジャシンスキー氏は、多少の軟化はあるものの、ペット用品市場は、特にペットフードや健康サービスなどの必需品で成長を続けていると語る。
ペトコとチューイー(Chewy)はどちらも、今年の第1四半期に純売上が前年同期比で増加したと、ジャシンスキー氏は述べている。ただし、ペットの飼い主は、ペットが食べ慣れているペットフードのブランドは引き続き購入しているものの、衣服やアクセサリーのような非消耗品への出費は控えている。
このカテゴリーはインフレに関係する課題に直面しているものの、ペット用のハロウィン衣装がトレンドになるなど、明るい要素も見られると、同氏は付け加えている。「そのため小売業者は、衝動買いを促すために、自由裁量でない商品の陳列棚を常に更新し続けるよう求めているのだ」と、ジャシンスキー氏は述べる。「そのような部分で、ペットスマートが『ストレンジャーシングス(Stranger Things)』とコラボレーションした商品ラインや、スヌープ・ドッグのようなセレブリティ主導のブランドは有利になる」。
スヌープドッギードッグスは贈り物として使える新規ブランドという位置づけで、特に年末のホリデーシーズンでの差別化に役立つと、デマルコ氏は述べている。「当社は今後数カ月に、ペットの飼い主が喜ぶような多くの新商品を用意している」。
[原文:Snoop Dogg’s pet care line is entering Petco, PetSmart and Kohl’s]
Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Snoop Doggie Doggs