メタバースとNFTにおけるマーケティングが減少しているにもかかわらず、スナック食品ブランドのスリムジム(Slim Jim)はいまだ強気の姿勢をみせている。
スリムジムは、Web3とメタバースに投資するなかで、ファンをNFTに引きつけるため、自社のソーシャルメディアアカウントと「Discord」チャンネルを活用しようとしている。同社では、ロブロックス(Roblox)やフォートナイト(Fortnite)のようなメタバース(さまざまなゲームやアクティビティを体験し、ほかのプレイヤーとやりとりするメタバース)にアプローチ。このニッチな市場内で新しい技術に関わりながら消費者の行動に適応するのが目標だ。
NFTでできることの水準が引き上げられている
最新の取り組みではたとえば、ユーザーの行動に基づいて経時変化する1万のNFTを提供しようとしている。メタバースやNFTに親しんでいる消費者へのリーチを拡大するとともに、新規顧客を獲得する目的でメタバース内のバーチャル環境を積極的に探究しているようだ。
米食品大手でスリムジムを保有するコナグラ・ブランズ(Conagra Brands)において、スナック担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるスペンサー・ファイブルソン氏は、NFTについてこう語る。
メタバースとNFTにおけるマーケティングが減少しているにもかかわらず、スナック食品ブランドのスリムジム(Slim Jim)はいまだ強気の姿勢をみせている。
スリムジムは、Web3とメタバースに投資するなかで、ファンをNFTに引きつけるため、自社のソーシャルメディアアカウントと「Discord」チャンネルを活用しようとしている。同社では、ロブロックス(Roblox)やフォートナイト(Fortnite)のようなメタバース(さまざまなゲームやアクティビティを体験し、ほかのプレイヤーとやりとりするメタバース)にアプローチ。このニッチな市場内で新しい技術に関わりながら消費者の行動に適応するのが目標だ。
NFTでできることの水準が引き上げられている
最新の取り組みでは、たとえば、ユーザーの行動に基づいて経時変化する1万のNFTを提供しようとしている。メタバースやNFTに親しんでいる消費者へのリーチを拡大するとともに、新規顧客を獲得する目的でメタバース内のバーチャル環境を積極的に探究しているようだ。
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米食品大手でスリムジムを保有するコナグラ・ブランズ(Conagra Brands)において、スナック担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるスペンサー・ファイブルソン氏によると、デジタルウォレットに保管する以外でできることがあまりないと人々が気づいて以来、NFT保有に目新しさがなくなってきたという。それを念頭に置いて同社では、「メタバースでの取り組みをゲーム化することで、何もすることがない状態でメタバースをただ見て回るのではなく、消費者がゲーム内の活動や目的を通じてほかのユーザーと交流し、NFTの価値を高められるようにしたいと考えていた」と、ファイブルソン氏は語る。
「当時は、単にNFTを保有して手放すか、オークションに掛けるだけで刺激的だった。NFTでできることについて、水準が引き上げられていると思う」と、ファイブルソン氏は言う。「我々が求めているのは、より動的で長続きするプラットフォームを生み出すことだ。その場限りの与えられる部屋ではなく、時間が経っても関心を集め続けるような、オンライン上の機能性と多くの楽しみを兼ね備えたものを求めている」。
一種の賭け
メタバースに関する取り組みについてのメッセージを広めるため、スリムジムはDiscordやTikTok(400万人のフォロワーがいる)、インスタグラム(140万人のフォロワーがいる)を利用して、ソーシャルメディア上でのオーガニックなアプローチを採用した。ファイブルソン氏によると、これはスリムジムが商品の宣伝のためではなく、消費者の暇つぶしのため、ソーシャルメディアに意外なかたちで登場する手段としてブランドボイスを利用する戦略だという。
「当社の場合、楽しむことがすべてだ。活気に満ちたインクルーシブなコミュニティを構築することの意味について、時間を掛けてひとつ、ふたつのことを学んだ。それこそが、この新しいメタバースプラットフォームを構築した目的だ」とファイブルソン氏は述べ、NFTやメタバースを伴うゲーム体験関連のこれまでの論争が理由で、スリムジムはこの取り組みをマネタイズしていないことを付け加えた。さらに、スリムジムはメタバースについてDiscordのオーディエンスに対して透明性を保ちながら啓発しており、この分野から手を引くブランドが増えているなか、「これが一種の賭けであることを認識している」と同氏は指摘した。
ファイブルソン氏が正確な数字を明らかにするのを避けたため、スリムジムがメタバースに費やした金額は不明だ。一方で製品の高い価格がブランドのROIに影響する可能性があることを考慮し、投資する価値があるかどうか確認するために、2023年中にAppleの「Vision Pro」ヘッドセットをテストする予定だと語った。
NFTとメタバースは民主化しつつある
メタバースを価値あるマーケティング投資と見なすブランドは、スリムジムだけではない。ナイキやFIFA、エピックゲームズ(Epic Games)も、メタバースとNFTを利用してファン層に独自の体験を提供してきた。
「NFTへのアクセスが明らかに民主化しているおかげで、NFTやメタバースと以前はおそらく関わりがなかった人々にも関心を抱かせるだろう」と、ブランド戦略エージェンシーであるVSAパートナーズ(VSA Partners)で最高成長責任者を務めるアリアドナ・ナヴァロ氏は語る。
また、調査会社ガートナー (Gartner)は、2027年までに世界各国の大手企業の40%超が、売上拡大の手段としてWeb3や空間コンピューティング、メタバースベースのほかのプロジェクトに関わると予測している。
「インスタグラムやTikTokで広まる面白いメッセージであれ、メタバースによる完全に没入型のアクティベーションであれ、さまざまなイベント技術を利用してオーディエンスに主導権を握らせる体験であれ、賢明なブランドならオーディエンス中心の体験とやりとりを構築している」と、ブランドエージェンシーであるスピロ(Spiro)でソートリーダーシップおよびイノベーション担当ディレクターを務めるベキ・ウィンチェル氏は語る。「真に賢明なブランドは、こうした体験をデザインして、通年の活気あるブランドコミュニティを育むのだ」。
[原文:Slim Jim is using its Discord channel to build interest in NFTs, metaverse efforts]
Julian Cannon(翻訳:矢倉美登里/ガリレオ、編集:島田涼平)