「世界一面白い店」を自称するショーフィールズ(Showfields)が、米NYにあった最初の旗艦店を閉店した。
2018年にオープンしたマンハッタンの店舗は、同社のウェブサイトにはもはや掲載されておらず、現在はブルックリン、ワシントンD.C.、ロサンゼルスが営業していると表示されている。さらに、GoogleやYelpのユーザーは、NY市のノーホー地区にある店舗が永久閉店したと報告している。2020年8月にオープンしたマイアミ店も7月に閉店している。
今回の再編は、同社にとって数年にわたる変化の後に行われたものでもある。ショーフィールズは設立当初、小売業に参入する新興ブランド向けの実店舗型ソリューションとして、自社店舗をオープンするよりも便利で安価な実店舗を持つ方法を売り物にしていた。2020年初頭にパンデミックが始まると、ショーフィールズはよりデジタルなアプローチに軸足を移した。過去1年間、同社はブランドとの限定イベントや体験型パートナーシップに注力してきた。
この記事は、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。
「世界一面白い店」を自称するショーフィールズ(Showfields)が、米NYにあった最初の旗艦店を閉店した。
2018年にオープンしたマンハッタンの店舗は、同社のウェブサイトにはもはや掲載されておらず、現在はブルックリン、ワシントンD.C.、ロサンゼルスが営業していると表示されている。さらに、GoogleやYelpのユーザーは、NY市のノーホー地区にある店舗が永久閉店したと報告している。2020年8月にオープンしたマイアミ店も7月に閉店している。
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今回の再編は、同社にとって数年にわたる変化の後に行われたものでもある。ショーフィールズは設立当初、小売業に参入する新興ブランド向けの実店舗型ソリューションとして、自社店舗をオープンするよりも便利で安価な実店舗を持つ方法を売り物にしていた。2020年初頭にパンデミックが始まると、ショーフィールズはよりデジタルなアプローチに軸足を移した。過去1年間、同社はブランドとの限定イベントや体験型パートナーシップに注力してきた。
「戦略的ステップの一環」
同社は、NYノーホー店の閉店を認め、最終営業日が9月14日だったことを米モダンリテールに明かした。
ショーフィールズのCEOタル・ズヴィ・ナサネル氏は、ノーホー店とマイアミ店の閉店について、同社が進めている一連の戦略的ステップの一環であると説明した。「この2店舗に共通しているのは、どちらもCovid以前に契約したリースだということだ。NYで最も美しい建物のひとつであり、そこを離れるのは辛いことだ」。ナサネル氏は、残りの店舗が営業を継続する予定であるといい、「我々は、これらの店舗の進歩にとても満足しており、営業を存続するつもりだ」と話した。
4階建てのノーホー店に陳列していたブランドについては、ここ数カ月間、契約ブランドとともにほかの店舗への配置を進めている。今年ショーフィールズに登場したブランドの中には、シューズブランドのヴィアーニ(Viani)やドッグフードの新興企業オリー(Ollie)などがある。
D2Cブームに乗って台頭したマルチブランド小売
ショーフィールズは、ネイバーフッドグッドや、ネイキッドリテール(Naked Retail)、B8ta(ベータ)とともに、D2Cブームの絶頂期に登場したマルチブランド小売企業の波の一角を担っていた。ショーフィールズの初期のブランドのクライアントには、口腔ケアブランドのクイップ(Quip)やスキンケアブランドのフランク・ボディ(Frank Body)などがあった。同社は数年にわたり、ベンチャーキャピタルから約900万ドルを調達し、事業拡大の原動力とした。ロックダウン後の再オープン以来、同社は実店舗を持つことを希望するデジタル・ネイティブ・ブランドを勧誘している。米モダンリテールが入手した2022年のピッチ資料によると、ショーフィールズはNYとマイアミの店舗で、月平均1万8000人以上の来客があると各ブランドに示した。
マンハッタン店の閉店は、ショーフィールズが2つの新店舗をオープンしてからまだ1年も経っていない。同社は2022年11月、ブルックリンのウィリアムズバーグ地区に新店舗をオープンし、その1カ月後に、トレンドの先端であるジョージタウン地区に位置するワシントンD.C.店舗について、10年間のリース契約を結んだと発表した。
パンデミック時代に困難に直面した百貨店の新興企業は、ショーフィールズだけではない。2021年後半、ネイキッドリテールはNYの店舗を2020年10月により広い場所に移転し、デザインを刷新した末に閉鎖した。これに続き、B8taは地主との契約が決裂したため、2022年に米国での事業を閉鎖した。
ナサネル氏は、ショーフィールズもほかの小売企業と同様、困難な状況にあるとしながらも、近い将来に、完全な計画を発表する予定であると語った。同氏は、「もし小売業が難しくなければ、誰もがやっていただろう」と話した。
[原文:Showfields has shuttered its original flagship store as part of restructuring plan]
Gabriela Barkho(翻訳・編集:戸田美子)
Image via Showfields