セレブのエステティシャンとして有名になったシャニ・ダーデン氏。次はビューティブランドの創業者に。2021年12月のGlossyで、皮膚の剥離や炎症などの典型的なひどい副作用が起こらないレチノール製品という空白市場があることに気づき、2020年に自分のブランド「シャニ・ダーデン」をローンチした、と語っている。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
多くの子どもたちは8歳くらいから趣味を追うようになるが、スキンケアのルーティンについてあれこれ調べて考えるというのは子どもの趣味としてはあまり一般的ではない。そういう意味では、シャニ・ダーデン氏(写真左)は珍しい子どもだった。
ダーデン氏は自分の名を冠したビューティラインの創業者で、ジェシカ・アルバ氏、ケリー・ローランド氏、クリッシー・テイゲン氏といったハリウッドのセレブリティのエステティシャンとして働いていたときに名前が知られるようになった。
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それをきっかけにビューティブランドの創業者という次に進むべき道が切り拓かれた。ダーデン氏は2021年12月のGlossyビューティポッドキャストで、皮膚の剥離や炎症、肌が赤くなるなどの典型的なひどい副作用が起こらないレチノール製品という空白市場があることに気づき、2020年に自分のブランド「シャニ・ダーデン(Shani Darden)」をローンチした、と語っている。
2017年に「USウィークリー(US Weekly)」に同ブランドの記事が出たのち、ダーデン氏の元には注文が殺到した。ミュラド(Murad)の元CEOで、現在はシャニ・ダーデン・スキンケア(Shani Darden Skincare)のCEOであるミシェル・シゲマサ氏は、ダーデン氏とともにポッドキャストに登場し、ダーデン氏のブランドの「効果の高い」製品と「スキンケアに対する信頼性とアプローチ」に惹かれて、2021年7月にブランドに参加したと話している。
ビバリーヒルズを拠点とするこのブランドが8年目を迎えようとしているいま、シゲマサ氏はその進化を内部から促進しようと力を入れている。さらに社内チームを構築し、インフルエンサーのアウトリーチやブランド全体の認知度向上などに加えて、「セフォラ(Sephora)で意味のある勝ち方をしたい」とも語る。
シャニ・ダーデンは、2020年3月にSephora.comとSephora.caでの販売をスタートし、同年10月にはセフォラの店頭でも販売が始まってた。「(だが)我々はセフォラではまだ巨大なブランドではなく、そうなるのが野望だ」とシゲマサ氏は言う。
以下、ポッドキャストのハイライトをわかりやすく編集して簡潔に紹介する。
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レチノールは(日焼け止めを除くと)最高のアンチエイジング成分
ダーデン氏 :「レチノールが登場したとき、私たちは重度のニキビに悩む人たちに使用していた。その後やがて、レチノールはアンチエイジングにも効果があることがわかった。小じわを減らしたり、健康的なコラーゲンの生成を助けたりするなど、さまざまな効果がある最高のマルチタスク成分なのだ。私が一緒に働いていたエステティシャンのひとりは、たぶん当時60代だったはずなのに、顔にはシワひとつなく、見た目には何歳だったかわからないほどだった。その彼女は20代前半からレチノールを使用していた。そしてこの話でとても興味深いのは、彼女が首や胸にはレチノールを使っていなかったということ。そこだけ彼女の年齢が現れていた。レチノールに勝るアンチエイジング成分はない。もちろんそれとは別に、日差しを避けて日焼け止めを塗るのが大事なのは言うまでもない」。
新製品開発(NPD)の秘密兵器はクライアント
ダーデン氏:「私はつねに仕事をしていて、クライアントにフェイシャルを行っている。必要なことを思いつくのはそのときだ。クライアントを相手にしているときには、クライアントが何を使っていて、何が世の中に存在していないのかを観察している。存在しているものがあれば、なぜそれがよくないのか、あるいはどうすればもっとよくなるのかを考える。それはすべての商品に共通すること。私が考案した洗顔料が生まれたきっかけは、泡立ちがよくて肌にとても優しい完璧な洗顔料を探していたのに、見つけられなかったから。また、クライアントが私に『あなたが売っている製品は好きだけど、もっとこうだったらいいのに』と言うことがあるかもしれない。でもそうしたところからアイデアを思いつく。私の哲学はそこから生まれる」。
論より証拠、いまはその事実を世に広めるとき
シゲマサ氏:「シャニにとって(ソーシャルメディアは)ネイティブな空間で、居心地がいい場所。でもこれまで、社内にはソーシャルメディアやコンテンツをサポートするための余力があまりなかった。今後時間をかけて進化させていきたいと考えているのは、もう少し臨床的な内容を提供すること。つまり製品がなぜすばらしいのかを示す科学的な内容や、視覚的な証拠を見せるという方法を検討していきたい。基本的な要素はすでに手元に揃っている。(いまは)コンテンツの規模を拡大し、より健康的でよい肌を手に入れることができように、消費者をエンパワメントするコンテンツをたくさん提供するという時期に来ている」。
[原文:Shani Darden and CEO Michelle Shigemasa on retinol: ‘Efficaciousness’ trumps ‘percentages’]
NITYA RAO(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)