スコッチウイスキーは、味、熟成年数、滑らかさと匂いがすべてだ。
だが、これらのことを写真で表現するのはとても難しい。しかし、マーケティング戦略の中核をデジタル化した、英スコットランドの老舗スコッチウイスキーブランド、マッカラン(The Macallan)にとって、インスタグラムがもっとも重要なチャンネルとなっている。
スコッチウイスキーは、味、熟成年数、滑らかさと匂いがすべてだ。
だが、これらのことを写真で表現するのはとても難しい。しかし、マーケティング戦略の中核をデジタル化した、英スコットランドの老舗スコッチウイスキーブランド、マッカラン(The Macallan)にとって、インスタグラムがもっとも重要なチャンネルとなっている。
2016年2月、マッカランがミレニアル世代を対象とした新たなスコッチウイスキーブランド「エディションNo.1(Edition No.1)」を99ドル(約1万1000円)で販売することを発表した際、そのマーケティングはインスタグラムで行われた。ミレニアル世代に、なぜ「エディションNo.1」が良いウイスキーなのかを理解してもらうため、マッカランはウイスキーの蒸留に必要な8つの樽をイメージした8個のアカウントをインスタグラムで作成したのだ。
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ユーザーはそれぞれ8つのアカウントをクリックすることで、それぞれの樽のなかで何が行われているかを学べる。マッカランのデジタルマーケティング部長であるサム・レオッタ氏によると、これは「飲酒できる新しい世代」の興味を集めるための計画だったという。
2015年の第4四半期には、マッカランのインスタグラムのフォロワー数は350%ほど上昇し、2万8000人となった(Twitterのフォロワーは1万1000人ほど)。これはインスタグラムに多く投稿されている、ライフスタイルに関する投稿がフォロワー増加を促した思われる。
「ミレニアル世代たちはウイスキーについての知識を欲していることがわかっている。しかし、彼らは従来通りの飲み方はしたくないということもわかっている」と、レオッタ氏は話す。「だからこそ、私たちはできるだけ簡潔に説明しなければならない」。
シリーズ展開でエンゲージ
現在、マッカランは「知ってた?(#DidYouKnow)」というコンテンツシリーズを製作している。これは皆が知らないお酒やスコットランドについての事実を教えてくれるものだが、ほかのコンテンツと比べてもエンゲージメント率が30%も高いという。「本質的な事実を学ぶために、我々とつながろうとしているのが見て取れる」。
ほかにも、スコッチウイスキーに合う夕食、ウイスキーの注ぎ方からそれを話題にする作法まで、多岐に渡るコンテンツをマッカランは提供している。このようなクリエイティブを作る理由のひとつは、マッカランが女性の愛飲者たちを重視しはじめていることによる。事実、マッカランが開催する試飲会でも、参加者の半分は女性だ。レオッタ氏によれば、「ウイスキーについて深く知ることは、ソーシャルカレンシーになりはじめている」という。
桁外れに高いデジタルIQ
米シンクタンク、L2が毎年発表するデジタルIQインデックスのスピリット部門において、マッカランは「優れている(gifted)」という評価を取得。また、デジタルIQは130と評価され、トップデジタルマーケターの一員となっている。アイリッシュウイスキーのジェムソン(Jameson)や、同じスコッチウイスキーのラフロイグ(Laphroaig)は113と順位は下で、同じくスコッチウイスキーであるグレンモーレンジ(Glenmorangie)は102だった。
また、マッカランは実際のウイスキーボトルの写真をコンテンツに一緒に載せることで、エンゲージメント率が高まることを発見している(ロシアのウォッカメーカーであるストリチナヤも同様の発見をしている)。これまでマッカランがインスタグラムに投稿したコンテンツで、もっともエンゲージメント率が高かったコンテンツは、クリスマスギフトを提案したコンテンツだった。
コンテンツに絶対の自信
「マッカランがインスタグラムを重視しているのは、アルゴリズムを完全導入していないからだ」と、デジタルエージェンシーのMブース(M Booth)デジタル戦略部長であるベン・レボウィッツ氏は話す(※編集部注:この記事の原文は、インスタグラムがアルゴリズム導入を発表する前の、2016年3月8日に掲載されている)。「多くの人がマッカランをフォローしていることはわかっている。また、マッカランのフォロワーの多くはすべてのコンテンツを一気に読んでいることもわかっている。フォロワーともうまくエンゲージしている」。
また、マッカランはインスタグラムで増えている品質の低い広告にもあまり懸念を抱いていない。「私たちの写真はクオリティーが高いため、品質の低い広告イメージに埋もれることはない」と、商品のビジュアルの訴求力には自信をもっているのだ。
Shareen Pathak(原文 / 訳:BIG ROMAN)