マッカランは4月中旬、「マスターズ・オブ・フォトグラフィー(Masters of Photography)」プログラム向けに双方向動画を公開した。毎年恒例の同プログラムは、有名な写真家とともに限定版ウイスキーコレクションを作る企画で、今年はスティーブン・クライン氏が協力した。
高級ウイスキーブランドのマッカラン(The Macallan)は、過去に仮想現実(VR)360度動画を試したことがある。そして今度は、「タッチ操作可能な」動画を新たに公開した。
マッカランは4月中旬、「マスターズ・オブ・フォトグラフィー(Masters of Photography)」プログラム向けに双方向動画を公開した。毎年恒例の同プログラムは、有名な写真家とともに限定版ウイスキーコレクションを作る企画で、今年はスティーブン・クライン氏が協力した。これまでに、マリオ・テスティーノ氏、エリオット・アーウィット氏、アニー・リーボビッツ氏などの写真家がコラボしている。
双方向な動画の中身
このタッチ操作可能な動画がフィーチャーするのは、クライン氏のデザインによる「動くアート作品」。そこでは、ウイスキー入りカクテルを手に座るモデルたちを、ドリー(平行移動)撮影のカメラが順に収めていく。動画にはタッチポイントが13カ所あり、タップしたりクリックしたりすると、ウイスキーやコラボに関する追加情報が表示される。
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たとえば、カクテルグラスをクリックすると、ウィンドウが現れ、マッカランのウイスキーが熟成用大樽のオーク色になる。ピンク色を帯びた深みのある濃色の「スティーブン・クライン・リミテッド・エディション(Steven Klein Limited Edition)」ウイスキーに関する詳細も表示される。マッカランの提携エージェンシーMブース(M Booth)が、この動画に使われている技術を手がけた。
「我々はこれまで、限界を押し広げ、デジタルにおける新たな試みに取り組んできた。したがって、これは明らかに次のステップだった」と、マッカランのシニアブランドマネージャー、サマンサ・レオッタ氏は振り返る。「我々はまた、消費者の動画へのエンゲージメントがかつてないほど向上していることも承知しているが、それを一層推進してリーチを伸ばし、通常の動画よりもさらにエンゲージメントを高めたいと考えたのだ」。
動画は、モバイル、デスクトップ、すべてのソーシャルプラットフォームで視聴できる。マッカランはまた、インスタグラムとFacebookで有料のプロモーションも展開中だ。
視聴時間は倍以上
マッカランによると、タッチ操作可能な動画は、ソーシャルプラットフォームで公開している普通のソーシャル動画コンテンツよりも、エンゲージメントが高く、視聴時間が長くなっているという。同ブランドのソーシャル動画の平均視聴時間は15~30秒だが、タッチ操作可能な動画の平均視聴時間は1分近くになる。それとは別に、各ユーザーはこれまでに、タッチポイント各所へのインタラクションに平均で27秒を費やしている。この動画が公開以降に獲得したオーガニックビューは、すでに2800回を超えた。
これまでにいくつかのファッションブランドが、タッチ操作可能なスポットで実験をおこない、売上を伸ばしてきた。酒類のカテゴリーでは、ステラ・アルトワ(Stella Artois)も、同様の動画を制作している。マッカランは、タッチ操作可能な動画のほかに、VR360度動画でも実験し、2016年秋にはFacebookメッセンジャーのチャットボットを開発していた。
Tanya Dua(原文 / 訳:ガリレオ)