[ DIGIDAY+ 限定記事 ]セブンイレブンやファミリーマート、ミニストップを含む日本の5つのコンビニエンスストアチェーンは、すべてのコンビニエンスストアでのレジ決済を自動化する同国の計画の一環として、2025年までに取り扱う全商品へエイブリィ・デニソン(Avery Dennison)のRFIDタグを組み込もうとしている。
[ DIGIDAY+ 限定記事 ]日本はいま、Amazon Goスタイルの導入を急ピッチで進め、ドラッグストアやコンビニエンスストアでのレジなし決済を実現しようとしている。
セブンイレブンやファミリーマート、ミニストップを含む日本の5つのコンビニエンスストアチェーンは、すべてのコンビニエンスストアでのレジ決済を自動化する同国の計画の一環として、2025年までに取り扱う全商品へエイブリィ・デニソン(Avery Dennison)のRFIDタグを組み込もうとしている。「ウェーブセーフ(WaveSafe)RFID」と呼ばれるこのタグは最長5分間、電子レンジの加熱に対応でき、安全にタグが使えるとされた以前の限界を引き伸ばした。日本の経済産業省が進める計画は、エイブリィ・デニソンと協力して無人店舗を実現し、日本の労働力不足とサプライチェーンの課題を解決しようとするものだ。商品には製造の段階でRFIDタグがつけられるので、この技術を活用すれば、店側がサプライチェーンを追跡したり在庫品を管理したりしやすくなるだろう。
RFIDで何が実現できるか
エイブリィ・デニソンのグローバルRFID部門を率いるフランシスコ・メロ氏は次のように語る。「我々は、小売り体験を改善したい、店舗を改善したいと思っているが、同時に、テクノロジーを使って顧客とのやりとりや購入後のつながりも可能にしたいと考えている。Amazon Goのアプローチは驚くほどうまく機能しているが、これはインフラが非常に大切で、制限もある。RFIDは、製造やサプライチェーン、製品の使用ケース、コンテクストを一層可視化し、より多くの情報を提供する」。
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Amazon Goストアと同様に、顧客は商品を持ってそのまま店を出ることができる。店を出るためには支払い方法をスキャンする必要があるが、それだけでバッグのなかに入れたすべての品の支払いができる。RFIDがあれば、小売業者も、需要に応じて商品ごとの価格を変更したり、販売パターンによって広告戦略を知らせたり、在庫切れや食品ロスを防止したりできる。
日本ではほかの企業も完全なキャッシュレス化の方向に動いており、しかもそれが世界のどこより緊急性をもって進められている。日本の労働力は高齢化し、出生率は低下している。特にコンビニエンスストアは、日本国内に約5万件あるが、十分な数の従業員を確保できない。Amazon Goのライバルであるサインポスト(Signpost)は、食料品店を中心に、2021年までに日本の店舗3万件にキャッシュレスレジを導入する予定でいる。自動決済システムを導入するために店側にはおよそ88万ドル(約9750万円)のコストがかかる。ジュニパーリサーチ(Juniper Research)によると、日本では2022年までに780億ドル(約8.6兆円)相当の自動決済による取引が行われると見られている。
小売業界が考えるべきこと
メロ氏は、日本は小売業界全体をオーバーホールし、レジなし決済に向かわせる技術や計画、インフラに投資しているが、エイブリィ・デニソンはこの技術をより多くの国に開放する計画を持っている。
「この計画のもっとも重要な要素は、世界中の小売業者が考えなければいけないことだ。情報の共有、サプライチェーンの正確さを改善し、食品ロスを制限する技術を我々がどのように活用するか、という点だ。これが、我々が他の国に提案するつもりでいることだ」と、メロ氏は語った。
Hilary Milnes(原文 / 訳:ガリレオ)
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