ラグジュアリーブランドの54%は、客が利用しやすいサックスなどの小売店で主力商品を販売している
クレジットカード負債の増加で消費者の家計が圧迫され、もっともハイエンドなラグジュアリーファッションブランドが大幅に価格を引き上げているなか、消費者は嗜好品への支出を控えつつ、手頃な価格でラグジュアリーを入手する方法を模索している。
消費者にとって幸運なことには、手頃な価格のラグジュアリーファッションに対して高まる需要に対応するため、ラグジュアリーレンタル会社が急速に事業を拡大している。たとえば、9月には、創業5年のラグジュアリーレンタル会社、ジャネット・マンデル(Janet Mandell)がマンハッタンに3店舗目をオープンする。また、社歴7年のラグジュアリーレンタルサービス、スイッチ(Switch)は、創業者兼社長のリアナ・カディシャ・コーン氏によると、12月以来「爆発的な」成長を見せているという。
ファッションブランド流通の現状と将来に関するGlossyの2022年年次報告書によると、ラグジュアリーブランドも客にとってさらに利用しやすい小売流通チャネルを通じて製品を販売する方向に進んでいるという。この調査の対象となったラグジュアリーファッションブランドは現代的なブランドより規模は小さいもののもっと高級な流通リストを持っているが、現代的なブランドと同じように、小売業者トップのノードストロム(Nordstrom)、ファーフェッチ(Farfetch)、サックス(Saks)の3社での販売も行っている。しかし、ラグジュアリーファッションブランドは、バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)、モーダ・オペランディ(Moda Operandi)、ドーバーストリートマーケット(Dover Street Market)といったさらに高級な小売業者でも高いプレゼンスを示している。
ラグジュアリーブランドの54%は、客が利用しやすいサックスなどの小売店で主力商品を販売している
クレジットカード負債の増加で消費者の家計が圧迫され、もっともハイエンドなラグジュアリーファッションブランドが大幅に価格を引き上げているなか、消費者は嗜好品への支出を控えつつ、手頃な価格でラグジュアリーを入手する方法を模索している。
消費者にとって幸運なことには、手頃な価格のラグジュアリーファッションに対して高まる需要に対応するため、ラグジュアリーレンタル会社が急速に事業を拡大している。たとえば、9月には、創業5年のラグジュアリーレンタル会社、ジャネット・マンデル(Janet Mandell)がマンハッタンに3店舗目をオープンする。また、社歴7年のラグジュアリーレンタルサービス、スイッチ(Switch)は、創業者兼社長のリアナ・カディシャ・コーン氏によると、12月以来「爆発的な」成長を見せているという。
ファッションブランド流通の現状と将来に関するGlossyの2022年年次報告書によると、ラグジュアリーブランドも客にとってさらに利用しやすい小売流通チャネルを通じて製品を販売する方向に進んでいるという。この調査の対象となったラグジュアリーファッションブランドは現代的なブランドより規模は小さいもののもっと高級な流通リストを持っているが、現代的なブランドと同じように、小売業者トップのノードストロム(Nordstrom)、ファーフェッチ(Farfetch)、サックス(Saks)の3社での販売も行っている。しかし、ラグジュアリーファッションブランドは、バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)、モーダ・オペランディ(Moda Operandi)、ドーバーストリートマーケット(Dover Street Market)といったさらに高級な小売業者でも高いプレゼンスを示している。
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近年ハイファッションが入手しやすくなっていることは、ラグジュアリー小売の流通チャネルのトップがノードストロームであることからも明らかだ。ノードストロームは伝統的に消費者が利用しやすい小売店であり、また、現代的ブランドのトップ小売パートナーでもある。eコマースに特化した小売業者・オンラインマーケットプレイスであるファーフェッチも、ラグジュアリーブランドの小売パートナーとしてトップの地位を獲得している。これは、ラグジュアリーファッションブランドにとってオンラインプレゼンスを持つことが重要であるという証拠である。
重要なポイント:
• ラグジュアリーブランドは、現代的なブランドと似たような流通に注力している。調査対象となったラグジュアリーブランドの54%は、ノードストローム、ファーフェッチ、サックスという上位3社の同じ小売チャネルで主力商品を販売している。
• ラグジュアリーブランドが顧客を惹きつけるためにこれまで利用してきた限定的な高級感は小規模だが、さらに高級な流通リストに依然として見ることができる。ラグジュアリーブランドの46%はバーグドルフ・グッドマンで販売していると回答し、31%はいずれもラグジュアリー小売業者のモーダ・オペランディやドーバーストリートマーケットと提携していると答えた。
ヴィクトリアズシークレット、秋の映画『ヴィクトリアズシークレット・ワールドツアー』でイメージ刷新を図る中、利益損失を報告
ヴィクトリアズシークレット&カンパニー(Victoria’s Secret & Co)は8月30日、2023年第2四半期の収益を発表した。四半期利益は前年同期と比較して減少しているが、中国での海外売上高の成長のおかげで、第1四半期のような大きな利益損失は回避することができた。
2022年の第4四半期は好調だったが、不安定なアパレル市場が続く北米では同社の売上は鈍化した。ヴィクトリアズシークレットにとって、最近は美容分野がもっとも業績の高い事業になっている。同社は、ピンク(Pink)と、2022年12月に買収した下着ブランドのアドアミー(Adore Me)のおかげで、アパレルとランジェリー分野で存続することができた。アドアミーは、ヴィクトリアズシークレットの2023年第1四半期の売上成長の約5%を占めた。
Glossy+リサーチでは、アメリカンイーグル(American Eagle)のエアリー(Aerie)の人気上昇が近年ヴィクトリアズシークレットに及ぼしている影響を分析した。ヴィクトリアズシークレットには包括的なサイズと快適なスタイルが欠けていたため、同社は消費者のトレンドからはずれてしまった。ヴィクトリアズシークレットは2016年から営業利益と顧客需要が急激に減少し、全世界での営業利益が15%以上減少した。2019年と比較して、2020年の北米店舗売上高は45%、23億ドル(約3395億円)減少したが、その一部は明らかにパンデミック関連だった。
ヴィクトリアズシークレットはまた、同期間内にGoogle検索のトラフィックが一貫して減少傾向にあった。一方、挑戦者ブランドであるエアリーは、ローンチ年である2006年から2021年までのデータによると、その注目度は一貫して上昇傾向にあることが示されている。
以来、ヴィクトリアズシークレットは、ヴィクトリアズシークレット・エンジェルを、ミーガン・ラピノー氏やプリヤンカー・チョープラー・ジョナス氏らブランドアドバイザーのグループであるVSコレクティブ(VS Collective)と入れ替えるなど、野心的なリブランディングに着手している。また、毎年恒例のファッションショーを刷新し、長編ドキュメンタリー風の映画を選んだことが先日発表された。9月に公開予定の『ヴィクトリアズシークレット・ワールドツアー(Victoria’s Secret World Tour)』というこの新作では、映画制作者やミュージシャン、アーティストら女性クリエイターが集結、コレクションを考案して制作し、ヴィクトリアズシークレットのカスタムデザインとともに披露する。
ヴィクトリアズシークレット&カンパニーの最高顧客責任者、クリス・ラップ氏はプレスリリースで次のように述べた。「我々は、顧客から求められている最高のエンターテイメントとファッションを復活させつつ、刷新バージョンのファッションショーを紹介できることに胸を躍らせている。新世代のアーティストらにより当ブランドの象徴的な伝統が称えられ、当社の世界的プラットフォームを通して彼女たちのビジョンを披露できるのが待ちきれない」。
重要なポイント:
• この数年、ヴィクトリアズシークレットの世界的な営業利益は一貫して減少している。8月30日に発表された2023年第2四半期決算報告では、この傾向が続いていることが確認された。
• 同ブランドに対する世間の意識を再構築するために、今年はヴィクトリアズ シークレットのファッションショーの大規模なリブランディングが行われる。エンジェルの代わりに、国際的な女性クリエイターの集まりであるVSコレクティブが女性のエンパワーメントにフォーカスしたドキュメンタリースタイルの長編映画に登場する。
DANIA GUTIERREZ(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)