「シェアリングエコノミー(共有経済)」は、所有することよりも共同で利用することがすべてだ。タクシーから別荘のレンタルまで、いままでさまざまな「シェア」の形式があったが、高級ファッションにまで及ぼうとしている。
「レント・ザ・ランウェイ(Rent the Runway)」の「無制限プラン」は、高級ブランドのドレスやアクセサリーを安価な価格で無制限にレンタルできるサービスだ。ベータ版での運用を2年間行い、2016年3月23日に正式にローンチされた。月額139ドル(約1万5000円)で一度に3つまでのアイテムを借りられる。サービス開始当初はアクセサリーのみを取り扱っていたが、現在ではドレスや既製服、仕事向けファッションまで取り扱っていて、ユーザーは350人ものデザイナーから好きなアイテムを選べるのだ。
「シェアリングエコノミー(共有経済)」は、所有することよりも共同で利用することがすべてだ。タクシーから別荘のレンタルまで、いままでさまざまな「シェア」の形式があったが、高級ファッションにまで及ぼうとしている。
「レント・ザ・ランウェイ(Rent the Runway)」の「無制限プラン」は、高級ブランドのドレスやアクセサリーを安価な価格で無制限にレンタルできるサービスだ。ベータ版での運用を2年間行い、2016年3月23日に正式にローンチされた。月額139ドル(約1万5000円)で一度に3つまでのアイテムを借りられる。サービス開始当初はアクセサリーのみを取り扱っていたが、現在ではドレスや既製服、仕事向けファッションまで取り扱っていて、ユーザーは350人ものデザイナーから好きなアイテムを選べるのだ。
このサービスにより、デレック・ラムやプロエンザ・スクーラー、ジャンバティスタ・ヴァリなど、有名ファッションデザイナーの作品をユーザーは無期限で借りることができる(ユーザーのアカウントが正常ならば、返却期限は無い)。「レント・ザ・ランウェイ」では、小売価格よりもはるかに安価な設定のため、ヴァリがデザインした2700ドル(約29万円)のキャップスリーブドレスも、ほかのアイテムを2つもつけて、月額139ドルでレンタルできるのだ。
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Netflixのファッション版
「Netflix(ネットフリックス)がDVDレンタルからストリーミング配信に移行したときと同じようなものだ」と、デジタルエージェンシーのキング&パートナーズ(King & Partners)のトニー・キングCEOは話す。「このサービスは、衣装ダンスのストリーミングだ」。
「こうした所有するよりもレンタルするという動きは、ますます強まっている。基本的に、私たちは人生で使用するものの多くをレンタルしている」と、「レント・ザ・ランウェイ」のジェニファー・ハイマンCEOはファッションメディア「ファッショニスタ(Fashionista)」に語っている。
ラグジュアリーブランドたちは、この「レント・ザ・ランウェイ」の事業モデルに対して、高価なデザイナーアイテムを所有するという特別感や憧れを損なってしまうと感じているかもしれない。しかし、この分野に至るまで、「シェアリングエコノミー」が顧客の考え方を変えてしまっているのだ。
「顧客にエクスペリエンスを提供できるすべての機会は、自らのブランドを選ぶよう顧客を説得する良いチャンスだ」と、デジタルエージェンシーであるランブルフォックス(Rumble Fox)のクライアントエンゲージメント部門を統括するジュリー・アンドリュース氏は話す。「『シェアリングエコノミー』という考え方は、顧客によるブランドへの近寄り方や紹介される方法に至るまで、すべてを変えてしまった」。
「レント・ザ・ランウェイ」の強み
その一方、このようなデザイナーファッションのレンタルサービスを展開しているのは「レント・ザ・ランウェイ」だけではない。パーソナルスタイリストサービスを提供する「スティッチフィックス(StitchFix)」のように、デザイナーアイテムの購入やレンタルサービスを提供する企業は多く存在する。
しかし、「レント・ザ・ランウェイ」は設立から7年も経っており、レンタルファッションを主流にさせる能力があるのだ。現在では500万人ものユーザーを抱え、2015年にはラグジュアリーアパレルの売上額は8億ドル(約862億円)に達している。また、350以上のデザイナーブランドを持ち、ニューヨーク、ワシントンD.C、シカゴとラスベガスにも店舗を運営しているのだ。
ほかにも、「レント・ザ・ランウェイ」は使い捨ての服に慣れている20代の女性にデザイナーブランドを試してもらおうと、努力を続けている。
「『レント・ザ・ランウェイ』は、知らないブランドに数千ドルを費やすことをためらう若い女性に、購入する前にどういうブランドなのかを教える機会を提供している」と、コンシューマーインサイトコンサルタント企業スパーク(Spark)の設立者でありCEOのメリンダ・サンナ氏は語る。「ミレニアル世代の間で、ラグジュアリーの意味合いが変化してきている。『レント・ザ・ランウェイ』こそが新たなラグジュアリーエクスペリエンスだ」。
ユーザー体験が重要
「レント・ザ・ランウェイ」のレンタルユーザーを購入ユーザーに変えるには、ユーザー体験が重要になってくる。この部分は、ブランドが「レント・ザ・ランウェイ」を信頼して任せるしかない。そのため、「レント・ザ・ランウェイ」はユーザーだけではなく、デザイナーたちも魅了しなければならないのだ。
「『レント・ザ・ランウェイ』はブランドの価値を見せつけるマーケティングを行わなくてはならない」と、アンドリュース氏は指摘する。「しかし、市場に参入しないということは機会を失うことを意味する。参入するかしないかを選択するならば、絶対に参入すべきだ」。
Hilary Milnes(原文 / 訳:BIG ROMAN)