「実店舗への進出は、アクセシビリティ向上のため」:電動歯ブラシ D2C、 クイップ のS・ピットソン氏

さらなる成長を求める電動歯ブラシD2Cブランド、クイップ(Quip)。同社はD2Cの枠を越えることで、その実現を目指している。

拡大を狙う多くのD2Cブランドと同じく、クイップはポップアップストアを出店し、 ニューヨーク市地下鉄で販促活動を行ない、最近は米小売大手ターゲット(Target)での販売も始めた(ただし、レフィル品の購入は自社ウェブサイトに限定)。

さらには、歯科保険会社アフォラ(Afora)を買収し、今後は商品だけでなくサービスも提供し、業務を拡大していく。手はじめとして今夏、ニューヨーク市で新サービスQuipcare(クイップケア)を売り出し、割引料金でサービスを受けられるペイゴー(pay-as-you-go)モデルか、従来の歯科保険に近い25ドル/月モデルという2つのオプションを顧客に提供する。

2つのまったく異なる業態――商品の製造販売とヘルスケアサービス――の両立は困難に思えるが、クイップのグロース部門VPシェーン・ピットソン氏は、どちらも同じエコシステムの一部であり、問題はないと断言する。顧客には、好きなほうを選んでもらっても、クイップの「全領域」をサブスクライブしてもらっても良いという。

「[商品とサービスを]分けて考えろと言われても、うちとしては、それは難しい。というのも、すべてをオーラルヘルスケアという大きな括りのなかで捉えているからだ」と、ピットソン氏。「一般に、人は問題に対するベストな解決策を求める。システム間のインターオペラビリティ(相互運用性)がますます向上していくなか、我々はいま、自らがベストな環境と考えるものを構築している。毎日のオーラルケア製品から、質の高い専門的サービスの予約やその支払いに至るまで、すべてを網羅する環境だ」。

7月第3週のメイキング・マーケティング(Making Marketing)では、米DIGIDAYのシャリーン・パサック副編集長がピットソン氏と膝を交えて語り合った。クイップは創業当初、ほかのD2Cブランドから何を学んだのか? ターゲットへの進出がなぜアクセシビリティ(可触性)にフォーカスしたミッションの一部になるのか? トータルコントロールが困難な環境においてブランドエクスペリエンスをどう管理するのか? 以下は実際の音源とその要約だ。

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同類業者からの学び

「当初は、ハリーズ(Harry’s)やワービー・パーカー(Warby Parker)、キャスパー(Casper)の人間とよく話をした。彼らは同類だからね、相互に協力もし合えば、コミュニケーションもよく取っているし、強い仲間意識もある。彼らから得たヒントといえば、あるデジタルネイティブブランドの人間と何度も話を重ね、それをきっかけに販売後調査を導入したことを思い出す。『なあ、うちはまだ広告看板を出してないんだけど、おたくはやってるよね。効果はどうやって測ってるの?』という感じで訊いたら、販売後調査で確認していると言われた。で、そうか、それはやってなかったな、と思って、それではじめてみたんだ。購入に至る動きを全部調べて、決断までの流れを確認して、その情報を活用した。それがうちのアトリビューション戦略の重要な役を担うことになった」。

実店舗での小売はアクセシビリティと同義

「クイップのミッションはすべて、アクセシビリティが基本だ。我々は商品を消費者に日々の習慣を改善し、オーラルヘルスに関心を持ってもらうためのものと位置づけている。だからこそ、できるだけ多くの人が簡便にアクセスできるようにしたい。なかにはすでに、ターゲットの実店舗に行き、一定量の商品を発見し、選択して購入する、という行動を実践している人もいる。だからこそ、その選択肢を消費者に与えることは非常に有益だと考えている」。

どこででもブランドエクスペリエンスを管理できる方法を見つける

「我々はブランドエクスペリエンスの全側面について、常に気を配っている。広告露出からブランドロイヤリティ、継続教育に至るまで、すべてだ。小売はD2Cとは異質のカスタマージャーニーであり、だからこそ、どうしたらうちのブランドを小売の場で活かせるのか、知恵を絞っている。パッケージはどんな見かけがいいのか? どんな情報を載せたらいいのか? インストアマーチャンダイジングに必須のオプション(品揃え、陳列、売場演出)は、それぞれどんな感じにしたらいいのか? 広告やウェブレベルではすでに定番となっている教育を、実店舗での経験にどう適用していったらいいのか? そういったことをつねに考えている」。

Gianna Capadona(原文 / 訳:SI Japan)