中国では支払いから新しい連絡先の追加まで、あらゆる場面でQRコードが使われている。そんなQRコードが、米国でもようやく普及し始めている。コロナウイルスの影響で非接触型の活動がニューノーマルとなるにつれて、QRコードはさまざまなビューティブランドに採用されている。
中国では支払いから新しい連絡先の追加まで、あらゆる場面でQRコードが使われている。そんなQRコードが、米国でもようやく普及し始めている。
コロナウイルスの影響で非接触型の活動がニューノーマルとなるにつれて、QRコードはさまざまなビューティブランドに採用されている。米国市場では、屋外広告、テレビ、デスクトップキャンペーン、パッケージなどで見られるようになった。
QRコードの利用は、パンデミックの前からすでに増加していた。グローバル・ウェブ・インデックス(Global Web Index)によると、ヨーロッパと北アメリカで先月QRコードを使ったと報告した人の数は2015年から2018年のあいだに倍増。さらに、パンデミックによって広まった衛生上の予防措置の影響で、アメリカのレストランの半数においてメニュー表示でQRコードが使われているほか、同時にホテルや空港での利用も増え続け、消費者のQRコード利用は劇的に変化している。
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美容分野に広がるQRコード
2020年12月、スーパーグープ(Supergoop)はセフォラ(Sephora)の店舗で、新しい日焼け止めプロダクト、デイリードース・ビタミンC+SPF40(Daily Dose Vitamin C+SPF 40)のディスプレイにQRコードを追加した。コードをスキャンすることで、訪問者は製品に含まれる成分、スーパーグープの製品開発責任者が出演する動画コンテンツ、製品の中身についての追加情報など、より多くの情報にアクセスすることができる。
スーパーグープのマーケティング担当バイスプレジデント、ブリタニー・ルブラン氏は、キャンペーン成果の数字について尋ねると、「これまでの(QRコード)使用状況に勇気づけられている。消費者が店内での買い物をするようになるにつれ、この機能は勢いを増している」と答えた。「現在はテスト運用だが、この春にはこの機能の完全な形での展開を計画している」。
現在、この技術を利用しているビューティブランドはスーパーグープ以外にも多く存在する。ベアミネラルズ(Bareminerals)は最近、オンラインイベントのためのユーザー生成コンテンツ(UGC)を生むためにQRコードを使用し、アナスタシア・ビバリー・ヒルズ(Anastasia Beverly Hills)は、眉毛メイクのための新しいアプリをプロモーションするためにゴンドラエンドと呼ばれる陳列棚の端の棚にQRコードを配置した。アヴェダ(Aveda)はブロックチェーン活用のためにQRコードを使用し、ココカインド(Cocokind)は商品の持続可能性についての詳細情報を提供するために包装にQRコードを使用している。
一方、人気歌手ジェニファー・ロペスによるジェイロー・ビューティ(JLo Beauty)は、ニューヨーク・タイムズスクエアで行われる彼女の新年カウントダウン・パフォーマンス(Dick Clark’s New Year’s Rockin’ Eve)に関連したプロモーションでQRコードを使った。同ブランドは、ニューヨークの地下鉄車両にQRコードを印刷し、ユーザーがスキャンして詳細情報を得られるようにした。
iOSカメラの更新がきっかけ
コロナウイルスが原因で、顧客が製品テスターやスタッフとの直接のやり取りを警戒するようになったため、非接触で迅速に情報にアクセスできることは、ビューティブランドにとって特に魅力的になっている。店舗内のQRコードは、ブランドに商品とのエンゲージメントに関するオンラインデータを直接与え、店舗や地域別に数字を分類することができる。
QRコードが2017年にiOSのカメラで利用できるようになったときが、「ここアメリカで復活のチャンスがあると示された転換点だった」と、フローコード(Flowcode)の最高収益責任者、ジム・ノートン氏は言った。フローコードはスーパーグープとジェイロー・ビューティのQRコードキャンペーンを制作した。QRコードはすぐにAndroidとGoogleレンズ(Google Lens)でも利用できるようになった。
フローコードは、Google広告(Google Ads)の元チーフでAOLのCEOのティム・アームストロングが2019年に立ち上げた。同氏は中国を訪れ、QRコードがいたるところにあるのを見て、米国でも同様の傾向が見られる可能性があると考え、この会社を立ち上げることにした。このパンデミックは特に「非接触型への移行により、QR技術の消費者への普及が加速した」とノートン氏は言う。
「QRコードは非接触であるため、顧客にも今、より多くのメリットがある」と、ルブラン氏は述べた。「店舗には人が少なく、(店員との)対面での会話の機会も少ないため、QRコードはさらなる教育や製品情報の提供に大きなメリットをもたらしている」。
[原文:QR codes make inroads in U.S. with ‘shift to contactless’]
LIZ FLORA(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)