ファッションECサイト「リスト（Lyst）」が四半期ごとに発表するもっともホットなファッションブランド＆商品ランキング「リスト・インデックス（Lyst Index）」の、最新版が先日公開された。話題となったトレンドやモーメントがファッションに大きな影響を与え得ることが、このランキングで再び証明された形となった。リスト内外での検索数や、閲覧数、売上など、ユーザーの行動に基づいて分析したもので、ソーシャルメディアでの言及数やアクション、エンゲージメントも考慮している。

リストが選んだ2023年第3四半期でもっともホットな10の商品のうち、6割はフットウェアだった。1位はメゾン・マルジェラ（Maison Margiela）の「タビ・メリージェーン（Tabi Mary Jane）」で、4位にナイキ ショックス MR4（Nike Shox MR4）とマーティン ローズ（Martine Rose）がコラボレートしたミュール、5位にビルケンシュトック（Birkenstock）のアリゾナ（Arizona）、6位にトリーバーチ（Tory Burch）のピアスミュール（Pierced Mules）が選ばれている。8位にニューバランス（New Balance）の550、9位には立体的な花の装飾が印象的なプラダ（Prada）のパンプスもランクインしている。

リストによると、「タビ」シリーズの検索数は前月比で342％も急増した。その直前にはTikTokユーザー（@Nextlevellexuss）が、出会い系アプリで知り合った人とのデートの際にタビを盗まれた件が騒動に発展。その詳細を語った動画は現在までに150万回再生され、207,900件（10月24日時点）ものの「いいね」を獲得している。

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つま先が2つに分かれたアイコニックなシリーズ「タビ」は1980年代に発表されて以来、ファッション界で愛され続けてきたが、ネット上で話題になったことが露出を増やす後押しとなったのは明らかだ。フリマアプリ「ディポップ（Depop）」でのタビの検索数は、今年110％増加している。そして、高級品リセール「ザ・リアルリアル（The Realreal）」でのタビの供給量は増加が予想されると、マーチャンダイジング担当ディレクターであるサーシャ・スコーダ氏は述べる。しかし、TikTokでのもうひとつのファッショントレンド「Wrong Shoe Theory（間違った靴理論）」も、型破りな靴が流行する一因となっているようだ。

スタイリストのアリソン・ボーンスタイン氏がTikTok上で提唱したこの理論は、服装からは予想できないような靴を履くことで、ユニークかつ新鮮味のあるスタイルを作るという考え方だ。

「最初に思いついたものとは違う靴を選ぶことで、見た目に個性がプラスされ、単調な感じにならない」とボーンスタイン氏は、9月17日に投稿したTikTok動画で説明している。

この動画の投稿以来、#wrongshoetheoryというハッシュタグは再生回数360万回を記録し、ユーザーたちは「間違った靴」を取り入れたコーディネートを投稿している。コテージコア（田舎をイメージした美学）な服装にナイキ ショックス MR4×マーティン ローズのミュールを組み合わせてスポーティーなひねりを加えたものが、その例だ。他にも、ニューバランス550とボッテガ・ヴェネタ（Bottega Veneta）のパデッド・カセット・クロスボディバッグ（Padded Cassette Crossbody）を合わせたハイ&ロー（ハイブランドと安価な服を組み合わせる）コーディネートも登場している。

［原文：Q3’s hottest shoes prove the power of the Wrong Shoe Theory］

TATIANA PILE（翻訳：田崎亮子／編集：山岸祐加子）