プログラマティック パートナー選びで着目すべき 9つの視点

本記事は、グローバル規模でDSPプラットフォームを提供するThe Trade Desk(ザ・トレード・デスク)の日本担当カントリー・マネージャー、新谷哲也氏の寄稿コラムとなります。

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プログラマティック広告は、ブランド認知やお客様の成長にとって重要ですが、正しいプログラマティックパートナー(DSP)を選択するにはどうすればよいでしょうか? 本記事では、マーケティング担当者が、デジタル広告のニーズに応じて潜在的なプログラマティックパートナーを評価する際に必要な9項目をご紹介します。DSP機能を十分に活用するための手引きになればと思います。

1. 高度な技術

絶え間なく進化と改善を繰り返すデジタル広告業界において、業界の激しいペースに追いつくためには進化に素早く対応し、またそれを絶えず繰り返しているテクノロジープラットフォームを選択することが不可欠です。技術革新はもとより、貴社が利用しているDSPのテクノロジー対応の俊敏性を評価することも重要です。そうすることで、API(Application Programming Interface)を介してプラットフォーム上にソリューションを構築し、貴社のサービスをより価値あるものにカスタマイズすることができます。優れたプログラマティックパートナーは、貴社ならびに貴社のブランドの競合優位性を高めてくれます。

2. DMP統合

簡単に言えば、DMP(データマネジメントプラットフォーム)とデータ接続を行わないDSPは、それほどの効果を期待できません。DSPは実行ツールとして機能する一方、DMPは、ブランドの顧客データとDSPのデモグラフィックデータならびにコンテキストデータの両方を一元的に管理するハブとして、広告キャンペーンの中心的なインテリジェンスユニットになります。DMPは、オーディエンスの潜在的ニーズにより関連した広告制作を可能にするだけではなく、モバイルアプリの広告からネイティブ広告、ビデオ広告、オーディオ広告まで、どのデバイスからでも貴社の既存および潜在顧客を特定し、リーチすることができます。

3. マルチチャネル機能

消費者がデバイスとチャネル間をシームレスに活用しているため、マーケティング担当者はあらゆる条件下でも消費者にリーチできるように広告戦略をプランニングする必要があります。マルチチャネルDSPを使用すると、デジタルメディアバイイングがひとつのダッシュボードで管理され、クロスチャネルインサイトを集約し、キャンペーン全体における流動性を最適化できます。

4. クロスデバイス・アトリビューション

コンバージョンに至るまでの全過程でユーザーが複数デバイスを使用することが一般的になるなか、マーケティング活動の真のROIを理解するうえで、クロスデバイス・アトリビューションの必要性がますます重要になっています。貴社のキャンペーンの価値をより良く理解するために、DSPはユーザーのほかのデバイスやオフライン購入についての情報を提供します。

5. レポート機能と実用的なインサイト

優れたDSPは、標準レポートとカスタマイズ可能なレポートの両方を提供できます。すぐにでもマルチチャネル・キャンペーンのインサイトを簡単に利用できるはずですが、信頼性の高い優れたプログラマティックパートナーの良いところは、付加サービスであるサードパーティベンダー(たとえばモート[MOAT]やインテグラルアド・サイエンス[Integral Ad Science])のレポート機能を提供している点です。ブランドセーフティの懸念を緩和したり、あるいはブランドが持つ視点により合致したりするように、プログラマティックパートナーはブランドに提供する広告価値の分析および評価をする際に、多くの選択肢を提供する必要があります。結局のところ、自らの成果を公平に評価することは不可能です。

6. リーチとスケール

ターゲット広告は、規模を犠牲にするという意味ではなく、One to Oneマーケティングを大規模に実行できるプログラマティックパートナーを選択することです。DSPを選択する際には、新規顧客を獲得しつつ、既存顧客を惹きつけられる可能な限り広範なキャンペーンを展開したいはずです。有力な媒体とチャネルに関するグローバルなターゲティング機能を提供するプラットフォームと連携し、世界中のすべてのターゲットオーディエンスおよび新興市場に確実にリーチできるようにします。

7. 透明性

特にプログラマティック広告の世界において、透明性はすべての長期的パートナーシップにとって重要な要素です。また、すべての費用と手数料、広告配信とオーディエンスやユーザー、そして、ひいてはインサイトを明確に理解するという3つの要件があります。透明性とは、広告を購入する媒体選択の自由、購入費用の正確な明細、メディアの価値を意味します。最終的には、高い透明性のもと、すべてのキャンペーンを正しく評価することができるので、成功した戦略とそうではなかった戦略を確認できます。

8. サービス

プログラマティック広告をよく理解するには、バイサイドに注力あるいはバイイングのみを行い、常にお客様の利益にもっともかなうサービスを提供しているパートナーと組むことが重要です。単なるキャンペーンの最適化以上に、プログラマティックパートナーからの良いコンサルティングサービスはマーケティング担当者にとって非常に有効です。プログラマティックパートナーはすべての新規および既存チャンネルやデバイスを通じて既存顧客と潜在顧客にアプローチするために、プログラマティック広告のあらゆる作業を通じて貴社をサポートする存在でなければなりません。

9. 客観性

プログラマティックパートナーがメディアや在庫を自ら所有または販売する業界では、客観的で独立したプログラマティックパートナーを見つけることは、すべての広告主の成功にとって不可欠です。なぜなら、利害相反が生じるためです。サプライサイドのプラットフォーム、またはパブリッシャーが所有するDSPは、ブランドの利益に合致していなくても、ほかのプラットフォームを利用する前に自社メディアや自社在庫の購入を優先する傾向が高いのです。このようにプログラマティックパートナーが貴社に代わり自社のソースから在庫を購入し、ターゲットではないオーディエンス向けに広告を配信したり、あるいは最悪な場合には、ブランド価値を毀損するような軽蔑的なコンテンツの隣に広告を配置したりしてしまう可能性を生み出します。結局、このようなプログラマティックパートナーはバイサイドおよびセルサイドの両方から課金しているのです。独立した客観的なプラットフォームは、広告主にROIを提供することのみに注力しています。

Written by 新谷哲也