このところ、マーケターが時間をかけるのに十分なチャットボットは見当たらなかった。しかし、企業が点と点を結ぶ手助けをすることを目的としたeコマースの世界から、新しいチャットボットが生まれた。
ピュブリシス(Publicis)傘下のプロフィテロ(Profitero)は、ChatGPTに採用されているオープン AI(OpenAI)の法人向けバージョンの技術が組み込まれた「アスクプロフィテロ(Ask Profitero)」をリリースした。アスクプロフィテロは、価格や在庫の有無、検索順位、レーティング、レビュー、写真、画像、動画、テキストなど、50カ国の1000ブランドのデータを分析できる。
8月2日にリリースされたこのチャットベースのAIアシスタントは、競合企業の特定月のベストセラー製品や自社のカテゴリーでもっとも重要なキーワードについてユーザーに教えたり、検索順位の引き上げに役立つ製品名を示したりすることができる。検索で用語が明示的に用いられていなくても、買い物客にとってもっとも重要な製品の属性など、ほかのタイプのコマース分析も提供できるという(プロフィテロのデモによると、「グルテンフリー」や「無糖」といった用語が、マウスウオッシュ向きの主要な属性だという)。
断片化したリテールメディア界で広告主をナビゲートする
アスクプロフィテロは、ほかのタイプのコマース分析も企業に提供できる。たとえば、特定製品の在庫の有無の確認や、主要なテーマへのレビューの要約、「見映えアップ」をユーザーに求められた際のインサイトのチャート化を行える。一部の機能は、プロフィテロの現行プラットフォーム内で無料で利用できるが、同社は予測ツールの利用に対して追加料金を請求する計画を立てている。
「ノイズも含むそうしたデータすべてのなかで、どうやってシグナルを見つけるかが大きな課題だ」と、プロフィテロのプレジデントであるサラ・ホフシュテッター氏は言う。「そこが問題解決の第1のポイントで、そうした課題への答えを得ようとしている人々が頼るべき場すら分からない場合には特に、(中略)それはデータ分析チームの片隅に置かれている」。
プロフィテロの新しいツールはまだベータ版だが、AI活用のチャットボットが将来、断片化したリテールメディア界で広告主をナビゲートするのを手助けするかもしれないことを示すひとつの事例だ。アスクプロフィテロには、プロフィテロが2023年にリリースし、特定の小売企業やカテゴリー向けにコンバージョンを促進することを支援するほかの予測機能も含まれている。
企業が点と点を結ぶのに役立つ
消費財大手コルゲートパルモリーブ(Colgate-Palmolive)は、初期段階のテスターの1社で、未公表の多くの一流ブランドとともにベータ版のテストグループに含まれている。同社のコマース部門がプロンプトを試すなか、クローズド・ベータ版は法務やITといったほかのチームの役にも立つだろう。
「ジェネレーティブAIを利用して製品の詳細が記載されたページを分析するのは、さまざまなプラットフォームで企業が点と点を結ぶのに役立つため、格好の出発点になる」と、コルゲート・パルモリーブで戦略および執行担当グローバルデジタルコマース・ディレクターを務めるトッド・ハッセンフェルト氏は言う。
また、「テストしなければならないだろうが、優先して次のような質問を行える可能性がある」とし、「特定のキーワードやグループで、どこでオーガニック検索を勝ち取ることができるのか。どこに最大の機会があるのか。どこで歯磨き粉に関する有料検索の結果を向上できるのか。そうした情報をより速く入手できれば、リソース配分に目を向けられる」とハッセンフェルト氏は語る。
このところ、マーケターが時間をかけるのに十分なチャットボットは見当たらなかった。しかし、企業が点と点を結ぶ手助けをすることを目的としたeコマースの世界から、新しいチャットボットが生まれた。
ピュブリシス(Publicis)傘下のプロフィテロ(Profitero)は、ChatGPTに採用されているオープン AI(OpenAI)の法人向けバージョンの技術が組み込まれた「アスクプロフィテロ(Ask Profitero)」をリリースした。アスクプロフィテロは、価格や在庫の有無、検索順位、レーティング、レビュー、写真、画像、動画、テキストなど、50カ国の1000ブランドのデータを分析できる。
8月2日にリリースされたこのチャットベースのAIアシスタントは、競合企業の特定月のベストセラー製品や自社のカテゴリーでもっとも重要なキーワードについてユーザーに教えたり、検索順位の引き上げに役立つ製品名を示したりすることができる。検索で用語が明示的に用いられていなくても、買い物客にとってもっとも重要な製品の属性など、ほかのタイプのコマース分析も提供できるという(プロフィテロのデモによると、「グルテンフリー」や「無糖」といった用語が、マウスウオッシュ向きの主要な属性だという)。
Advertisement
断片化したリテールメディア界で広告主をナビゲートする
アスクプロフィテロは、ほかのタイプのコマース分析も企業に提供できる。たとえば、特定製品の在庫の有無の確認や、主要なテーマへのレビューの要約、「見映えアップ」をユーザーに求められた際のインサイトのチャート化を行える。一部の機能は、プロフィテロの現行プラットフォーム内で無料で利用できるが、同社は予測ツールの利用に対して追加料金を請求する計画を立てている。
「ノイズも含むそうしたデータすべてのなかで、どうやってシグナルを見つけるかが大きな課題だ」と、プロフィテロのプレジデントであるサラ・ホフシュテッター氏は言う。「そこが問題解決の第1のポイントで、そうした課題への答えを得ようとしている人々が頼るべき場すら分からない場合には特に、(中略)それはデータ分析チームの片隅に置かれている」。
プロフィテロの新しいツールはまだベータ版だが、AI活用のチャットボットが将来、断片化したリテールメディア界で広告主をナビゲートするのを手助けするかもしれないことを示すひとつの事例だ。アスクプロフィテロには、プロフィテロが2023年にリリースし、特定の小売企業やカテゴリー向けにコンバージョンを促進することを支援するほかの予測機能も含まれている。
企業が点と点を結ぶのに役立つ
消費財大手コルゲートパルモリーブ(Colgate-Palmolive)は、初期段階のテスターの1社で、未公表の多くの一流ブランドとともにベータ版のテストグループに含まれている。同社のコマース部門がプロンプトを試すなか、クローズド・ベータ版は法務やITといったほかのチームの役にも立つだろう。
「ジェネレーティブAIを利用して製品の詳細が記載されたページを分析するのは、さまざまなプラットフォームで企業が点と点を結ぶのに役立つため、格好の出発点になる」と、コルゲート・パルモリーブで戦略および執行担当グローバルデジタルコマース・ディレクターを務めるトッド・ハッセンフェルト氏は言う。
また、「テストしなければならないだろうが、優先して次のような質問を行える可能性がある」とし、「特定のキーワードやグループで、どこでオーガニック検索を勝ち取ることができるのか。どこに最大の機会があるのか。どこで歯磨き粉に関する有料検索の結果を向上できるのか。そうした情報をより速く入手できれば、リソース配分に目を向けられる」とハッセンフェルト氏は語る。
ジェネレーティブAIに投資する手段のひとつの事例
一方で、アスクプロフィテロが行わないことがある。たとえば、マーケターがメディア支出に優先順位を付けたり、さまざまなリテールネットワークのクリエイティブ資産を分析したりするのを支援することはできない。精度に関しては、さまざまな大規模言語モデル(LLM)の利用者の誰もが直面するリスクもまだ存在する。プロフィテロとベータ版のパートナーは、数週間もしくは数カ月のうちにそれをテストする予定だ。
アスクプロフィテロは、大手エージェンシーとその子会社がジェネレーティブAIに投資する手段のひとつの事例だ。
電通は8月2日(米国時間)、マークル(Merkle)との新しいAIラボや、インサイト提供とプロセスの自動化を目的としたセールスフォース(Salesforce)との新たな提携を発表した。ジェネレーティブAIに対するほかのエージェンシーの投資について言えば、オムニコム(Omnicom)など数社が第2四半期決算シーズン中の7月下旬、この新興技術について話し合っている。
魅力的なツールになりえる
市場調査会社フォレスター(Forrester)がB2Cマーケターを対象に実施した調査によると、彼らの56%はすでに、マーケティングでジェネレーティブAIを利用していた。だが、フォレスターの別の調査では、「革新的」取り組みに充てられるデジタル予算の平均的な割合は、2022年の31%から2023年の27%へと低下していた。
膨大なeコマースのデータセットに関する小売関連の質問をできるのは、アスクプロフィテロを試していない者にとっても、魅力的だ。
独自の大規模言語モデルを構築して、広告主が適切なオーディエンスを特定するのを支援しているイヌーボ(Inuvo)のプレジデント、バリー・ローエンタール氏は、あるSKU(ストック・キーピング・ユニット)におけるウォルマート (Walmart)の業績をボットに求めてから、ほかのさまざまな小売企業やカテゴリーについて同じ作業を行う例を挙げた(メディアキッチン[Media Kitchen]の元CEOであるローエンタール氏は、プロフィテロのデモをまだ見ていなかったが、チャットボットとプロンプトにおいてカギとなるのは、質問してからそれを繰り返すことにあると述べている)。
「大規模な情報ソースを操作する数式やピボットテーブルを記述するのは、容易ではない」と、ローエンタール氏は語る。「うまくやる人もいるが、平均的な人にはうまくできない。ChatGPTに『デニムで上位のSKUを見せて』といった一般的な言い回しを入力するだけでよければ、それは驚異的だ」。
[原文:Publicis’ Profitero debuts new GPT-powered chatbot to analyze e-commerce data]
Marty Swant(翻訳:矢倉美登里/ガリレオ、編集:島田涼平)