大規模小売店はホリデーシーズンに向けて求人プランを発表し始めた。このプランに求められていることは、どこも似ている。より多くの人材を雇用し、オンライン注文の処理を強化することだ。 ターゲット(Target)、ウォルマート( […]
大規模小売店はホリデーシーズンに向けて求人プランを発表し始めた。このプランに求められていることは、どこも似ている。より多くの人材を雇用し、オンライン注文の処理を強化することだ。
ターゲット(Target)、ウォルマート(Walmart)、コールズ(Kohl’s)、ギャップ(Gap)、マイケルズ(Michael’s)、ダラー・ジェネラル(Dollar General)といった大型小売店たちが、この数週間にホリデーに向けた新規雇用の計画を発表している。eコマース・フルフィルメントセンター関連、もしくはオンライン注文の実店舗でのフルフィルメント関連が中心となっている。「今年は顧客がオンラインでの買い物をこれまで以上に行うだろうことが分かっている。そこで、それに応じてデジタル処理業務を強化するために人員確保をしている」と、コールズの最高人材責任者であるマーク・チニ氏はプレスリリースで述べている。「全国での店舗におけるシーズン販売員、流通、eコマース・フルフィルメントセンター」のために人員確保をしているとのことだ。ウォルマートもまた、9月末のプレスリリースでeコマース・フルフィルメントセンターのために2万人を雇用する計画を明かしている。
デロイト(Deloitte)は、ホリデーシーズンにおけるeコマース売り上げが25%から30%増加するだろうと予測している。このオンライン注文の増加はまた、ホリデー中に実店舗の既存の従業員がオンライン注文の処理の対応をさせられる可能性が高いことを示している。ターゲットは既存の店員を「オーダーピックアップやドライブアップなどホリデーシーズンに需要が高まる分野」に関してトレーニングし、昨年と比べてこれらの分野のサービスに従事できる店舗従業員の数を2倍に増やす計画だ。その結果、ホリデーシーズンを通じて、従来のリテール業務が実店舗の顧客対応だけでなく、eコマースの対応も含んだものへとさらに変化することになるだろう。
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「従業員に異なる分野のトレーニングを受けさせたいという(企業側の)要求をCovidは加速させた。なんでもできる存在が必要なのだ」と、コンサルタント企業コンドラット・リテール(Kondrat Retail)のファウンダーであるレベッカ・コンドラット氏は言う。
パンデミックで判明した明暗
昨年と比べて小売店たちが雇用する人の数を増やすか減らすかはまだ明確ではない。しかし、小売業雇用が全体的に6月の段階で年比較13%下がっていたことを考えると、実店舗小売業たちが年末に、パンデミック以前の水準よりも高く雇用する可能性は低いだろう。オムニコム・リテール・グループ(Omnicom Retail Group)のコマース部門シニア・バイスプジデントであるブライアン・ギルデンバーグ氏は、「リテーラーたちは(雇用に関して)非常に慎重になるだろう」と語った。
しかし、パンデミック中にもっとも大きな売り上げ増を記録した企業たちはまた、正確な雇用数を発表するのも早かった。その一例が、ターゲットだ。ターゲットは直近の四半期収支において年比較で80%の増加、そして店舗の駐車場や歩道でのピックアップサービス「カーブサイドピックアップ(curbside pickup)」の利用率は700%も増えた。そして昨年と同じ数の13万人のシーズン販売員を雇用すると発表している。
一方で、コールズは直近の四半期において、年比較23%の売り上げ減少を報告。コールズはシーズン販売員数を何人雇用するか述べていない。モダンリテール(Modern Retail)へのeメールの回答では、コールズの広報担当者は「雇用数は過去のホリデーシーズン(複数)に相当するものになると予想している」とだけ回答した。昨年はコールズは約9万人をホリデーシーズンに雇用している。
求められている人材の能力
オンライン注文の急騰はまた、ほかにも人材を補充する分野を生み出している。たとえば、ギャップ(Gap)はプレスリリースにおいて、ホリデーシーズンのためにコールセンターも人材を拡充すると述べている。
「人々が忘れがちだが、eコマースの注文が増えることで質問、注文の修正のための電話の数も大きく増える」と、ピュブリシス(Publicis)の最高コマース責任者であるジェイソン・ゴールドバーグ氏は述べる。
オンライン注文を処理するためにリテーラーたちが人材を拡充するということは、これまでとは違った技能を持った人々を求める可能性が高いことを意味している。従来の小売店舗従業員に求められる大きな要素に顧客と会話ができることがあるが、リテールの注文処理業はより「細かく区分されて」いるとコンドラット氏は言う。
「業務はパッケージを受け取ることで、それを1日中行うことになるかもしれない。同じ動きを何度も何度も繰り返す、といった具合だ」と、コンドラット氏は言う。
適切なデジタル投資が決め手
期間従業員は、長期雇用の従業員ほど店舗レイアウトを把握できていない。そのため、オンライン注文を処理することは難しいかもしれないと、オムニコムのギルデンバーグ氏は言う。従業員の注文処理を効率的にサポートできるような在庫管理テクノロジーを持ったリテーラーたちが、ホリデー期間のデジタル注文の急騰にもより良く対応できるだろうと、彼は予測する。
「どのリテーラーたちがベストなテクノロジーを既に備えていて、どこが備えていないか、を露呈させるだろう」と彼は言った。
[原文:Online order fulfillment is this year’s hot holiday retail job]
Anna Hensel(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)