ヘアケアブランドのオラプレックス(Olaplex)は2月1日、自身最大の販売チャネルであるサロン従事者ネットワークのためのiOSアプリをローンチした。このアプリの目的はオンラインとオフラインのあいだのギャップを埋めること、そしてブランドに関するメインの情報源として美容師に使ってもらうことにある。
ヘアケアブランドのオラプレックス(Olaplex)は2月1日、彼らにとって最大の販売チャネルであるサロン従事者のネットワークのためのiOSアプリをローンチした。
創立7年になるオラプレックスだが、今回のアプリの目的はオンラインとオフラインのあいだのギャップを埋めること、そしてブランドに関するメインの情報源として美容師に使ってもらうことにある。同ブランドによると、米国では50万人近くの美容師がオラプレックスを使用しているという。オラプレックスは、ビス-アミノプロピル・ジグリコール・ジマレイン酸と呼ばれる独自の有効成分を使用して髪を保護・修復するという、科学に裏付けられた性能を、他社の模倣品と差別化するために押し出してきた。オラプレックスの製法に関しては、2017年に米ロレアル(L’OréalUSA)とオラプレックスのあいだで訴訟も起きている。これは同社が「科学に基づく」姿勢に固辞する理由にもなっている。ロレアルは最終的に2019年に敗訴した。
「このアプリはテクノロジープラットフォームを反映している。なぜならオラプレックスの真髄は、アミノ酸複合体のなかにある、我が社のテクノロジーだからだ」と、オラプレックスのCEOであるジュー・ワン氏は言う。「私たちは、確かな性能を提供するために、テクノロジー企業への進化を目指している」。
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D2Cの売り上げが急速成長
美容師を通じた販売チャネルはオラプレックス全体の販売の60%近くを占め、D2Cは25%、小売は約15%を占めている。ワン氏によると、コロナ禍ではサロンを通しての販売が困難を抱えたが、2020年にはブランド全体の売上が前年比で倍増したという。WWDによればオラプレックスは2019年に1億ドル(約108億円)の売上を達成し、その評価額は10億ドル(約1087億円)となっている。
このアプリの主な機能には、オラプレックス製品を使用するためのオンライン認証、製品使用について、ほかのオラプレックス専門家と連絡を取るための「プロに尋ねよう(Ask A Pro)」インスタントメッセージング機能、アフィリエイトプログラムの登録と管理ツール、髪の健康診断ツールなどがある。認定された美容師はプロダクトをサロンに在庫として溜め込んで顧客に販売するのではなく、アフィリエイトプログラムに参加して、自分の顧客のオンラインD2C購入から手数料を得ることができる。毛髪診断機能は、ブランドのウェブサイトに掲載されているものと似ており、毛髪の種類や髪染めの相性について尋ね、対策法を提案する。ウォン氏によると、ウェブの毛髪診断は、D2Cの売り上げを大幅に伸ばしたという。2019年から2020年のあいだに300%増加した。
「サロンで働くプロ向けの今回のアプリは、オラプレックスによる美容コミュニティへの継続的なコミットメントの延長にある」と、同社COOであるティファニー・ウォルデン氏は述べた。「このアプリは、プロのサロンコミュニティからの要望で作られた。私たちは、よりシームレスな方法で彼らと関わり、交流することを楽しみにしている」。
プロのスタイリストたちを味方に
オラプレックスはフィールドチームと協力して、美容師に直接、そしてデジタル上でこのアプリを知らせ、宣伝する。米DIGIDAYの姉妹サイトであるグロッシー(Glossy)のレポートによると、サロン業界は回復し始めており、予約と支払いプラットフォームのブルバード(Boulevard)を利用しているサロンは、2020年12月時点でコロナ以前の収益の70%近くを記録している。
「プロのスタイリストたちがオラプレックスを支持し続け、私たちを彼らを支持する存在として見てくれるなら、私たちは彼らと一緒に成功を続けるだろう」と、ウォン氏は言う。「プロフェッショナルセクターで成功すると、最終的な消費者を通じて小売部門でも成功する」。
[原文:Olaplex launches app for professional hair stylists in aim to be tech-focused]
EMMA SANDLER(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)