5月にバーチャルインフルエンサーのカイ（Kai）をローンチしたオラプレックス（Olaplex）は、このキャラクターをディセントラランド（Decentraland）を介してメタバースに参加させる。

当初はブランドのソーシャルチャンネル上でAI動画形式で公開されたカイは、現在ではオラプレックスのメタバース中心の新規キャンペーンの一環として、ディセントラランドのアバターを持っている。9月15日、オラプレックスは、仮想世界でカイが着用する新しいNFTのヘアピースをユーザーがデザインするコンテストを開始、優勝者とユーザーが選んだ慈善団体の両方に2500ドル（約35万円）の賞金が贈られる。オラプレックスは、ディセントラランドのキャンペーンをローンチした数々の美容ブランドのなかで最新のブランドとなる。

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「ディセントラランドをメタバースのパートナーに選んだのは、オラプレックスのコアバリューと合致していたからだ。オープンソースのプラットフォームで完全に分散型、簡単にアクセスでき、Web3のブロックチェーン技術で構築され、規模の大きなエネルギー効率に注力している」と、オラプレックスのCMOシャーロット・ワトソン氏は述べた。

メタバースにローンチする美容ブランド

仮想の土地の「不動産」販売で知られるディセントラランドの仮想世界は、推定30万人の月間アクティブユーザーがいるいまだニッチな存在だ。このプラットフォームに対するゲーマーの評価は、フォートナイト（Fortnite）、Roblox（ロブロックス）、セカンドライフ（Second Life）などの人気の仮想世界ゲームと比較され、それらの大手ゲームブランドよりもパフォーマンスと画質が低いと言われている。オープンソース形式のプラットフォームであるRobloxも、美容ブランドを惹きつけ、キャンペーンを主催している。

オラプレックスのCEOジュイ・ウォン氏は次のように述べた。「メタバースにローンチするのは、消費者がすでに関与している場所で私たちのコミュニティを代表して人々を結びつけ、拡大するためだ。私たちは誰もがより強く、より健康な髪を手にするに値すると信じている」。

参加者は、オラプレックスのウェブサイトからエントリーできる。サイトにあるテンプレートを使って、ヘッドピースのデザインを2Dまたは3Dのドローイングに描いて提出する。審査員によって選ばれた3人のファイナリストのデザインは、グラフィックデザイナーによってデジタル3Dレンダリングに変換され、オラプレックスのウェブサイトにアップロードされて最終的な優勝者を選ぶ投票が行われる。優勝したヘッドピースはアバターが着用できるようにディセントラランドでNFTのフォーマットで作成される。

メタバース戦略はコミュニティを成長させる重要な手段

今後オラプレックスでは、ディセントラランドでのイベント開催やNFTウェアラブルのプレゼントを計画しているほか、ファッションショーやブランドとのコラボレーションといったメタバースの取り組みにも着手している。ディセントラランドでのカイのレインボーヘア、シャツ、パンツ、シューズはすでにNFTの形式で存在している。

ワトソン氏によると、同ブランドのNFTの目標は「コミュニティ・エンゲージメント」であり、「ユニークで限定的、かつ非トランザクション的」なNFTを優先している。NFTを販売する予定はないと、彼女は述べた。

過去1年間で、ロッティロンドン（Lottie London）、エスティローダー（Estée Lauder）、ヴァルデビューティ（Valde Beauty）などの美容ブランドが、ディセントラランドのキャンペーンやイベントのスポンサーになっている。3月にディセントラランドのメタバースファッションウィーク（Metaverse Fashion Week）に参加したエスティローダーは、8月24日から28日まで開催された同プラットフォームのメタバースアートウィーク（Metaverse Art Week）に参加したばかりだ。

オラプレックスは、将来的にバーチャルインフルエンサーを複数のメタバースプラットフォームに導入することに関心があると、ワトソン氏は言う。全体として、同ブランドの「メタバース戦略は、我々のコミュニティを引き続き成長させるための新たなエンゲージメント手法を探求する重要な手段となる」と彼女は説明した。「新しい技術が登場するにつれて、特にプロフェッショナルと消費者のユーザーベースが成長し、新技術や仮想風景が採用されていくなかで、当社はメタバースの体験と進歩の最前線に立ち続けるだろう」。

[原文：Olaplex joins the Decentraland metaverse with virtual influencer Kai]

LIZ FLORA（翻訳：Maya Kishida 編集：山岸祐加子）