オフィスウェアブランドは、荒涼とした未来に直面している:レント・ザ・ランウェイの苦境

レント・ザ・ランウェイ(Rent The Runway)が直面している苦境は、この業界の未来を予兆している。

アパレルにおけるレンタル・プラットフォームであるレント・ザ・ランウェイは先日、無制限の衣服レンタル・プログラムを停止すると発表した。その代わりに、今後は月ごとの制限数を選んで利用することになった。その数は最大で16となっている。

過去7年間においてレント・ザ・ランウェイのサービスにおいて無制限利用のオプションは中核的な位置に会ったことを考えると、これは大きな変化だと言える。彼らの最高マーチャント責任者であるサラ・タム氏は、米DIGIDAYの姉妹サイト、グロッシー(Glossy)のインタビューへ今年の2月に応えており、そこでは無制限のオプションが「顧客に興味を持ってもらうきっかけとなり、正直に言って、ブランドにも興味を持ってもらえるきっかけとなった」と語っていた。

フォーマルな服装や仕事場での服装に対する需要は全体的に激減している。エディテッド(Edited)によると、メンズウェアのオンラインにおける新商品は7月から5%減少し、ウィメンズウェアは10%減少した。グーグル・トレンド(Google Trend)によると、レント・ザ・ランウェイに対する検索数は3月初頭に減り、今に至るまでその傾向は続いている。と同時に、シンクナム(Thinknum)によると彼らの求人数の伸び、App Storeでのレーティングの伸びも急激に下がった。

Screenshot via Google Trends

Screenshot via Google Trends

業界全体で共通する現象

これは業界全体で共通する現象でもある。「成長率の変化に関して言えば、今年は衣服カテゴリーは全体として大きく縮まった」と、グローバルデータ・リテール(GlobalData Retail)のマネージングディレクターであるニール・ソーンダーズ氏は述べる。アメリカ合衆国国勢調査局のデータによると、衣服売り上げはこの8月、昨年との比較で20%減少している(月比較では少しずつ支出は回復している)。

この種のアパレルのみを販売するブランドやプラットフォームにとっては、このことは終わりを意味しているかもしれない。着飾るイベントのための衣服を販売することがブランド全体の成り立ちである会社は多く存在する。カスタムメイドのメンズウェアを販売するJヒルバーン(J.Hilburn)は、この6月に破産申告を行った。アン・テイラー(Ann Taylor)とレイン・ブライアント(Lane Bryant)を所有するアセナ・リテール・グループ(Ascena Retail Group)も7月に、2800店舗のうち1600店舗を閉鎖すると発表した。

「どの会社であっても関係ない。百貨店であれ、サブスクリプションであれ、フォーマルウェアに関連しているところであれば、悪影響を大きく受ける。改善の兆候もみられない」と、ソーンダーズ氏は述べる。

「会社のオフィスに出勤したり、旅行をしたり、イベントに出席する人がほとんどいない状況では、ワークウェアの必要性はほとんどない。結婚式や卒業式などの分野で延期が続くことで、フォーマルウェアの必要性も減った」と、フォレスター(Forrester)のプリンシパル・アナリストであるサチャリータ・コダーリ氏は、米DIGIDAYの兄弟サイト、モダンリテール(Modern Retail)の取材にeメールで回答した。実際にエディテッドのデータによると、スーツ製造やテイラーリングは年比較で14%減少している。

ビジネスを転換することは困難

リテールにおいてもこのジャンルに存在する会社はすべて、ここ数カ月難局を体験している、と彼女は述べる。「パンデミックの明確な終わりが見えないなかで、この状況は続くだろう」。

この状況は、若いプロフェッショナルにレンタルを行ってきた新しいブランドたちにも難しい選択を迫っている。パンデミックが終わることを祈りながら待つことが、ひとつの選択肢だ。「しばらくのあいだはキャッシュを保ち、在庫を倉庫に保管する」といった具合だ。

もうひとつの選択肢はプロダクト転換だ。しかし、ビジネスをそのように転換することは困難だ。レント・ザ・ランウェイのような会社があることで、高価かつ、着る機会が少ない衣服に、よりアクセスできるようになる。逆に、需要の増加がみられる、レジャー・フォーカスのアパレルの場合は、より安価であるうえに、着る頻度も高くなる。「カジュアル・ウェアで同じことはできない」と、ソーンダーズ氏は指摘する。「消費者はフォーマルと同程度に、(カジュアル・ウェアを)レンタルすることはない」。

この苦境は始まりに過ぎない

このことから明らかなのは、高級志向のプロダクトを販売し、レンタルするというビジネスモデルに長らく頼ってきた会社であれば、大手であれスタートアップであれ、大きな懸念が存在していることだ。レント・ザ・ランウェイのサービス縮小は始まりに過ぎない。

「以前の働き方に戻らないのであれば、長期的にはビジネスチャンスが干上がることを意味している」と、ソーンダーズ氏は語った。

[原文:Office clothing brands face a bleak future where nobody goes to offices

Cale Guthrie Weissman(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)