11月には、Aクラスの大物セレブリティ・ビューティラインがふたつローンチされた。まずハリー・スタイルズ氏がプリージングを、そしてアリアナ・グランデ氏がレムをデビューさせている。ビューティのこのトレンドは衰える兆しがない。一方、フレグランスの勢いもまだ続いている。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
11月には、Aクラスの大物セレブリティ・ビューティラインがふたつローンチされた。まずハリー・スタイルズ氏がプリージング(Pleasing)を、そしてアリアナ・グランデ氏がレム(r.e.m.)をデビューさせている。ビューティのこのトレンドは衰える兆しがないようで、ヘイリー・ビーバー氏のブランドとなるロード(Rhode)は2022年春にデビュー予定だ。
一方、フレグランスの勢いもまだ続いている。11月は、フレッシュ(Fresh)の創業者らによる新ブランドや、マンハッタンのダウンタウンで人気のフレグランスショップが新たに考案したラインで活気づいた。注目の新しいビューティブランドが目白押しで、ヴァーデン(Verden)のアイテムでくつろぎのバスタイムを過ごそうとしている人も、あるいはレムを使ってフルメイクをして出かけたい人にとっても、楽しみが増えることになりそうだ。
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Pleasing / プリージング
ハリー・スタイルズ氏の新ブランド、プリージングは「ライフブランド」と称しているが、まずはビューティ製品からスタート。第一弾となる4種類のネイルポリッシュは、完売したコンサートツアー「Love On Tour」でスタイルズ氏が愛用したもの。まったく使う予定がないとしてもファンが思わず手に取りたくなるような、魅力的な容器(記事冒頭の写真)が特徴的。ほかには、デュアルエンドのリップ・アイセラムペンや、プライマーとしても使用できるイルミネーティングセラムなどのアイテムがある。プリージングではプレスキット発送後の要望に応え、すでに多くのファンに向けてロゴ入りのスウェットシャツを制作している。ブランドの発表から1週間も経たないうちに、インスタグラムでは100万人のフォロワーを獲得した。11月15日に予約が開始され、商品は完売している。正式にローンチしたのは11月29日。D2Cでの販売となり、製品の価格帯は20ドル(約2270円)から65ドル(約7400円)。
Verden / ヴァーデン
アラベラ・プレストン氏とシャーロット・セムラー氏は、リバティ・ロンドン(Liberty London)、ハロッズ(Harrod’s)、ギャラリー・ラファイエット(Galleries Lafayette)、スペースNK(Space NK)といったハイエンドな店舗で販売されているスキンケアブランドのヴォタリー(Votary)を手がけ、ラグジュアリーで「クリーンな」美容分野で名声を得た。そしてパンデミックの最中に、ふたりが立ち上げたまったく新しいブランドがヴァーデンだ。ブランド名はデンマーク語で「地球」という意味。自然の香りを中心とした製品を展開しており、3種類ある香りにはそれぞれハンド&ボディウォッシュ、ハンド&ボディバーム、キャンドル、バスオイルという4つの製品が揃う。価格帯は45ドル(約5110円)から110ドル(約12500円)。ドランジェリー(D’orangerie)の香りは「シトラスとオレンジブロッサムの元気で明るい気分に」、アーボリアリス(Arborealis)は「ウッドとスモーキーグリーンの情熱的でムーディーなブレンド」、ハーベイナム(Herbanum)は「フレッシュハーブと野草の浄化作用のあるボタニカルエッセンス」とのこと。このブランドはリバティ・ロンドン、米国のボックスワラ(Boxwalla)、およびD2Cのeコーマスで販売されている。
Aedes / エイディス
エイディス・パフューマリー(Aedes Perfumery)は、ロウアーイーストサイドにある小さな魔法のような隠れ家的ショップで、ヴィルヘルムパフューマリー(Vilhelm Parfumerie)やミゼンジール(Mizensir)など、香水マニアに愛されている入手困難なフレグランスブランドを扱っている。同店舗の創業者であるロバート・ゲスナー氏とカール・ブラドル氏は、自社ブランドとなるエイディス・デ・ヴェヌスタス(Aedes de Venustas)のリローンチのために、フランク・フォルクル氏などトップランクの調香師とともに7種類のフレグランスを厳選して編集した。価格は各245ドル(約2万7800円)で、エイディス・パフューマリーの店舗とeコマースサイトで販売されている。どれもクラシックなカテゴリーに独特のひねりを加えているのが特徴。たとえば、シェルジュ・ド・リュヌ(Cierge De Lune)は「バニラが嫌いな人のためのバニラ」の香りだ。
The Maker / ザ・メイカー
現在LVMHの傘下にあるフレッシュビューティ(Fresh Beauty)で有名になったレヴ・グラズマン氏とアリーナ・ロイトバーグ氏は、フレッシュを売却して以降、ハドソンにザ・メイカーというホテルを創業した。今、彼女たちは美容のルーツに立ち返り、6種類のジェンダーニュートラルなフレグランスと3種類のキャンドルからなるコレクションを発表した。コレクションはザ・メイカーのウェブサイトで販売されており、ロールオンが42ドル(約4800円)、50ミリリットルのスプレーが160ドル(1万8200円)、キャンドルが75ドル(約8500円)となっている。
No. 8 / ナンバーエイト
No.8は、美容としてのウェルネスが今後も継続する証となるカラフルなスマートドラッグのグミのシリーズ。4種類のデビュー製品は、睡眠、エネルギー、集中力、リラックスのための処方が含まれている。アシュワガンダ(心を落ち着かせる)、緑茶由来のLテアニン(エネルギー)、グルマンフレーバーなど、今注目の成分が特色。カーム(Calm)はライチと洋ナシのフレーバー、フォーカス(Focus)は抹茶とミントのフレーバーとなっている。1カ月分で55ドル(約6240円)だが、定期購入の場合は48ドル(約5450円)となる。
Ignae / イグナエ
イグナエはポルトガルのハイエンドスキンケアスタートアップで、製品にはアゾレス諸島に生息する動植物由来のバイオテクノロジーが用いられている。厳選されたコレクションには、デイリーエンザイムクレンザー(Daily Enzyme Cleanser)、エンリッチドリジェネレーションセラム(Enriched Regeneration Serum)、そしてモイスチャライザーのようなデイコンプレックス(Day Complex)とナイトコンプレックス(Night Complex)など、ブランドのウェブサイトでD2C販売される7種類のアイテムが含まれている。これらの製品は、ブランドによると有効成分の肌への吸収を高める効果があるという、特許出願中のEPCファクター・コンプレックス(EPC Factor Complex)に基づいて作られている。
r.e.m. beauty / レム・ビューティ
セレブリティのビューティブランドは(いまだ)衰えていない。アリアナ・グランデ氏もフォーマ・ブランズ(Forma Brands)と提携してこの分野に参入した。フォーマは、モルフィー(Morphe)やインフルエンサーのジャクリン・ヒル氏のブランドであるジャクリン・コスメティクス、エマ・チェンバレン氏がクリエイティブ・ディレクターを務めるバッド・ハビット(Bad Habit)を展開している企業だ。レムは、マスカラ、アイシャドウパレット、リキッドアイシャドウ、リップスティック、リップステイン、ハイライターなど、宇宙にインスパイアされたカラーコスメティクスのフルコレクションをD2Cでローンチした。
[原文:November launch roundup: 7 new beauty brands to know]
SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)