インディーズのラグジュアリー美容分野で成功するのは極めて難しく、成功を収めているブランドは少ない。だが、ノーブルパナセア（Noble Panacea）はあらゆる面ですべての期待を上回っているブランドだ。

ノーブルパナセアは2019年10月にローンチした。同社は、2016年のノーベル化学賞をはじめ数々の賞を受賞した科学者フレイザー・ストッダート卿の科学的発見の結果として誕生した。OSMVとも呼ばれる有機超分子ベッセル技術（organic super molecular vessel technology）という同氏の発見が、ノーブルパナセアとその独自の成分供給システムの中核である。ノーブルパナセアは、ニューヨーク市のメトロポリタン美術館でのローンチイベントで話題を呼び、その後、女優のジョディ・カマー氏とブランドアンバサダー契約を結んでいる。13カ国で展開しており、ニーマン・マーカス（Neiman Marcus）、ハロッズ（Harrods）、ネッタポルテ（Net-a-Porter）、モーダオペランディ（Moda Operandi）などの小売業者で販売されている。ノーブルパナセアには50人ほどのフルタイムの社員がいる。

ノーブルパナセアのCEO、セリーヌ・タラバザ氏は、Glossyビューティ＆ウェルネスエディターのエマ・サンドラー氏に、ノーブルパナセアの魅力、アジア市場に対する同社のアプローチ、ソーシャルメディアに対するラグジュアリーなアプローチとはどのようなものなのかについて語った。以下に、読みやすさのために若干編集し要約した会話の一部を紹介する。

Advertisement

Subscribe: Apple Podcasts • Stitcher • Google Play • Spotify

ラグジュアリーにおいて権威を確立する

「（ラグジュアリー）顧客を理解するのに、また、誰がテクノロジーに興味を持っていて、それを理解して購入する余裕があるのかを理解するのに時間を費やした。また、顧客の視点から、何が違いをもたらすのかについて理解するのにも時間をかけた。ノーブルパナセアの顧客は充実した生活を送っており、購入する手段も持っている人たちで、教養もある。配合や一緒に使用できる素材と使用できない素材の種類について知っている。当社はニューヨークでアン・チャパス博士と提携して、（同時に）メトロポリタン美術館で（ガラを開催して）初ローンチした」。

香港での国際展開

「オンラインやハロッズ（Harrods）のような店舗を通じて、当社は中国の顧客とやり取りしている。ノーブルパナセアのようなブランドには高い需要がある。香港とシンガポールからスタートしたのは、アジア拠点の顧客がいる場所だからだ。だが、これはさまざまな天候において処方をテストする方法でもある。香港とシンガポールでは非常に高温多湿になることがある。このような天候でも当社の処方やテクスチャー、製品使用のエクスペリエンスが全体的に変わらずに楽しんでもらえると主張できるようにしたいと思っている」。

ソーシャルメディアを使って科学的なストーリーを伝える

「ソーシャルメディアは、現実をチェックして、当社のメッセージが複雑すぎないかどうかをすぐに確認できる方法だ。教育のための素晴らしいツールであり、製品、外観、ライフスタイルを表示できるウィンドウのような役割を果たしている。私は、使う製品に一切の妥協をしない人々とのコラボレーションがとても好きだ。当社は最近、（メイクアップアーティストの）パトリック・タ氏と提携した。…当社は彼の（ソーシャルメディアの）オーディエンスをターゲットにできるが、同時に、彼の専門知識、たとえばメイクアップにフェイスオイルをどう使うかなどについての意見を得ることもできる」。

［原文：Noble Panacea CEO Céline Talabaza on why luxury beauty ‘cannot be copied’］

EMMA SANDLER（翻訳：ぬえよしこ、編集：山岸祐加子）