アウディ、米掲示板「Reddit」で3度目になる広告を展開:「バランスの良いオーディエンス構成」

米オンライン掲示板レディット(Reddit)は「何でも聞いて(Ask Me Anything)」と題したイベントに著名人を迎えてきた。これまでの参加者にはイーロン・マスク、環境保護活動家ジェーン・グッドールなどが名を連ねて、一般ユーザーも同様の投稿をしている。レディットが広告ビジネスを拡大させるなかで、アウディ(Audi)はゲストを自動車に乗せながら「何でも聞いて」イベントを行っている。

アウディの「シンク・ファースター(Think Faster)」キャンペーンは、5月24日にリニューアルされてローンチされた。セレブリティたちがアウディの自動車に乗り、その様子がYouTube経由でレディットにライブストリーム配信されると同時に、ユーザーたちから質問が投稿された。このシリーズが行われるのは3回目となるが、今回はセレブリティ・シェフのデービッド・チャン、ユーチューバーのライザ・コッシーが2018年モデル、アウディRS5クーペ(Audi RS 5 Coupe)から質問に回答する。

レディットの信頼性

このキャンペーンの基盤となっている考えは「いつもと同じ30秒のTVコマーシャルを作ったり、ソーシャルメディアのフィードを埋めるためだけのコンテンツを作るのはやめよう」というものだ。「アウディはただオンラインコンテンツを垂れ流すようなことはしたくない。ゲストが彼らのコミュニティから多くの人たちを引きつけてくれること、そしてゲストの普段は見えてこない側面を見せることが我々の狙いだ」と、キャンペーン担当のエージェンシーであるマテチャック|ホフハー(MUH-TAY-ZIK|HOF-FER)のエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターであるジョン・マテチャック氏は言う。

シリーズ1回目は昨年9月、ゲストには俳優のエリザベス・バンクス、アダム・スコットを招いて、2本のエピソードが配信された。なんと時速200キロ近くまでスピードを出すなか、助手席に座ったふたりがユーザーたちの「玉ねぎについてどう思いますか?」や「これから5年間の計画は?」といった質問に回答した。今回はスピードを大幅に下げたようだが、一般ユーザーたちからの質問に答える点は同じだ(質問内容はガイドラインに沿わないといけない)。

こういった広告にためらうブランドも多いなか、アウディは継続して投資を行っている。このシリーズが続いていることは、レディットの広告プラットフォームとしての信頼性を証明しているといっていいだろう。

リアルな個性が魅力

「レディットでは非常に知的な会話が行われる。レディット全体がそう、というわけではないが、レディット上の会話とほかのプラットフォームを比べると、思考におけるリーダーというようなメンタリティをレディットでは見つけることができる」と、マテチャック氏は言う。

「プラットフォームが持つ個性がリアルであることが、私たちにとってのレディットの魅力だ。ユーザーたちは面白い質問をしてくれる。そこに滞在するオーディエンスがいてくれることも分かっていた。ハリウッドの有名人からオフィスで働いている人まで、良いバランスを彼らのコミュニティは持っている。面白い質問もあれば真剣な質問もある」と、アウディのブランド・マーケティング部門ディレクターのケネス・ブラット氏は語った。

シリーズの1回目に配信された2本のエピソードは、プレスとソーシャル上で3570万のインプレッションと133万ビューの再生回数をエピソードごとに叩き出した。2回目に配信された2本のエピソードは、5030万インプレッション、200万ビューに増加している。

リニューアルの影響

レディットのブランド・パートナーシップ部門西海岸ディレクターであるニール・ハブマン氏によると、最新のキャンペーンではレディットの新しいアプリ上で直接コメントすることができるようになったため、インプレッション数と再生回数がさらに増加するだろうとの予測だ。

エピソード5とエピソード6は、レディットの最新のデザインリニューるを念頭において開発された、最初のエンゲージメントベースのキャンペーンとなっている。デザインリニューアルと新しい広告の発表によって、ユーザーたちは今後レディット上で広告があふれるのかと不安を表明した。レディットのブランド・パートナーシップ部門バイスプレジデントであるズバイアー・ジャンダーリ氏は、アウディのような大企業がレディットの「何でも聞いて」イベントを活用してくれていることは、コミュニティに対する邪魔ではなく、コミュニティの認知と捉えるべきだと述べている。

「何でも聞いて」イベントは我々のプラットフォームで生まれた。非常に熱狂的なオーディエンスを抱えているからこそ、アウディが1回でも、2回でもなく、3回もこのイベントを行ったという事実がある」と、ジャンダーリ氏は言う。

ほかにはない体験

レディットは、モバイルを大きくプッシュしてきた。広報担当者によると、レディット上でユーザーが費やす時間の41%は公式モバイルアプリ経由だ。ログインしたアプリユーザーたちは、デスクトップでログインしたユーザーと比べて、毎日30%以上多くの時間を過ごしている。オーディエンスもまた独特だ。レディットアプリを利用するユーザーたちの80%はデスクトップのサイトを利用しない。

「我々のブランド戦略は、ほかでは手に入らない体験をユーザーへ提供することだ。これはマクドナルド(McDonald)が四川風ソースを再発売するのと似ている。アウディが関わることで、はじめてユーザーたちが体験できる内容になっている」と、ハブマン氏は言う。

Kerry Flynn(原文 / 訳:SI Japan)