ネスレ(Nestlé)グループのボトルウォーター部門であるネスレ・ウォーターズ(Nestlé Waters)が、セールスフォース(Salesforce)のニューヨークオフィス内に常設のデジタルラボを開設した。先日紹介したマリオット(Marriott)など、自前のデジタルセンターを設置する企業が増えている。
セールスフォースと共同で作られたネスレ・ウォーターズのコンシューマーエンゲージメントセンターが目指すのは、消費者コミュニケーションの改善と、ネスレ・ウォーターズのブランドコミュニティの構築だ。
セールスフォースと共同で作られたネスレ・ウォーターズのコンシューマーエンゲージメントセンターは、消費者とのコミュニケーションの改善とネスレ・ウォーターズのブランドに関心のあるコミュニティの構築をめざし、「ピュア・ライフ(Pure Life)」「ポーランド・スプリング (Poland Spring)」「ペリエ(Perrier)」「サンペレグリノ(S. Pellegrino)」といった8つのブランドのデジタルマーケティングを担当している。
ネスレ(Nestlé)グループのボトルウォーター部門であるネスレ・ウォーターズ(Nestlé Waters)が、セールスフォース(Salesforce)のニューヨークオフィス内に常設のデジタルラボを開設した。先日紹介したマリオット(Marriott)など、自前のデジタルセンターを設置する企業が増えている。
セールスフォースと共同で作られたネスレ・ウォーターズのコンシューマーエンゲージメントセンターが目指すのは、消費者コミュニケーションの改善と、ネスレ・ウォーターズのブランドコミュニティの構築だ。「ピュア・ライフ(Pure Life)」「ポーランド・スプリング (Poland Spring)」「ペリエ(Perrier)」「サンペレグリノ(S. Pellegrino)」など、8つのブランドのデジタルマーケティングを担当している。
北米ネスレ・ウォーターズの最高マーケティング責任者(CMO)アントニオ・シュート氏は、「デジタルが消費者の生活に変革をもたらすように、我々マーケターのミッションも進化しつつある。マーケティングといえば、いまのトレンドはパーソナライズされた消費者体験の提供である。だから、我々はブランドキャンペーンだけではなく、双方向の対話やコミュニティの育成に取り組み、真に消費者のパートナーになれるように努めている」と語った。
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調査会社フォレスター(Forrester)のアナリスト、クレメント・テオ氏によると、デジタルセンターがマーケティングの勢いを持続させ、リアルタイムで進化させる効果的な手法になっているという。
すべてひとつに集めた場所
ネスレ・ウォーターズのコンシューマーエンゲージメントセンターは、ネスレとセールスフォースの従業員混成チームで成り立っており、データアナリスト、ソーシャルリスニングアナリスト、マーケティングマネージャーなどで構成される。チームは一元化されたセンターから、さまざまなソーシャルチャネルやデジタルチャネルを注視してブランドに関する会話に耳を傾け、また、オンラインコミュニティーを管理し、より関連性の高いブランドコンテンツを消費者に提供していく。
ほかの例では、エージェンシーのディープ・フォーカス(Deep Focus)および食メディア「テイストメイド(Tastemade)」とのコラボで2015年12月に実施した、ネスレ・ウォーターズ商品「サンペレグリノ」の「ヘリテイジ(Heritage)」というブランドキャンペーンにも、セールスフォースが協力している。このキャンペーンでは、ネスレがメディアのターゲティングを向上させるため、セールスフォースの技術を使ってキャンペーンに関心のある人々を追跡した。
センターは今後、ハロウィンをテーマにして、自社ブランド「ピュア・ライフ」のキャンペーンなど、あらゆるデジタルキャンペーンの管理において中心的な役割を果たすことになる。
アイデアを試す実験室
「我々はコンシューマーエンゲージメントセンターを実際に実験室だと思っている」と話すのは、セールスフォースでソーシャルプロダクトのマーケティング担当でバイスプレジデントのロブ・ベッグ氏だ。「消費者がどれくらいコンテンツに引き付けられるか、デジタルマーケティングの新しいアイデアを試す実験室なのだ」。
センターの部屋に備え付けられたさまざまなモニターは、各種ソースからのデータを絶え間なく選び出し、表示している。マーケティングキャンペーンに関するインサイトのダッシュボード、FacebookとTwitterのリアルタイムフィード、さらには電子メール、SMSの開封率やユーザーとのやりとりなどだ。
たとえば、ある画面は、ブランド名を含むメンションで特に人気の高いものをリアルタイムに映し出しており、別の画面は現在ブランドに影響を与えている時事イベント(プラスとマイナスの両方)のトップ20を示すダッシュボードを表示している。ほかにも、マイクロソフト「Surface Hub」が備え付けてあり、チームの遠隔会議に使われたり、ブレインストーミングのためのホワイトボードになったりするという。
センター設立、何よりのメリット
このセンターは何より、ブランドとさまざまな社内チーム、そして社外パートナーが協力するハブとして機能する。北米ネスレ・ウォーターズの戦略ビジネス開発部門、グループマーケティングマネージャーのコートニー・スタックス氏によると、このセンターは、ネスレ・ウォーターズが小売業者、エージェンシー、機能横断型チームが一丸となって戦略を練ることができるように作られたのだという。
コンシューマーエンゲージメントセンターは、マーケティングの改善や顧客サポートの向上のため、アクションにつながるインサイトをブランドにもたらすと同時に、ブランドのスピードと機動力向上にも寄与する。ネスレは、360iやディープ・フォーカスなど、現在提携しているエージェンシーと引き続き密接に協力していくが、デジタルセンターがあることで、ソーシャル分析と消費者エンゲージメント戦略の内製化が可能となった。
「すべてがひとつに集まることで、すべてがやりやすくなる。それぞれのタッチポイントは互いに完全に独立しているわけではないからだ。パフォーマンスをリアルタイムに追跡して最適化することが、いっそう簡単になるはずだ」と、シュート氏は語る。
Tanya Dua (原文 / 訳:ガリレオ)