米DIGIDAYの姉妹サイトであるモダンリテール(Modern Retail)とグロッシー(Glossy)による、ブランドと小売企業の従業員を対象にした調査では、2020年のホリデーシーズンはより多くの企業が新しいデジタル販売チャネルをこれまでより積極的に試すと回答している。
販売チャネルを多様化する季節がやって来た。
もしこの9カ月が、小売企業やブランドにもたらしたことがひとつしかないとしたら、それは商品を販売する場所を厳選することにはいくつかのマイナス面があると気付かせてくれたことだろう。米DIGIDAYの姉妹サイトであるモダンリテール(Modern Retail)とグロッシー(Glossy)による、ブランドと小売企業の従業員を対象にした調査では、2020年のホリデーシーズンはより多くの企業が新しいデジタル販売チャネルをこれまでより積極的に試すと回答している。
それほど驚くべき結果ではないが、オンラインブランドの考え方が変わってきていることを示唆している。多くのオンラインブランドは最小限のチャネルミックスで始動した。場合によっては少数の実店舗でも販売しているが、多くの企業がD2C(Direct-to Consumer)限定ブランドを自称し、Amazonのようなプラットフォームの手数料とデータ不足を回避しようと努めてきた。
Advertisement
しかし今、そうした戦略が変化している。ブランドは顧客がいる場所で顧客に会おうとしており、それがAmazonを意味しても構わないと考えている。実際、調査の対象となったブランドのうち、2019年に販売チャネルとしてAmazonを利用していたのは34%だが、2020年の計画では46%まで増加している。
Amazon以外のマーケットプレイスでは、さらに大きな変化が起きている。ブランドに、アリババ(阿里巴巴)やファーフェッチ(Farfetch)などのデジタルマーケットプレイスについて質問したところ、2019年の利用実績は14%だったが、2020年の利用計画は25%に跳ね上がっていた。
当然ながら、売上の増加も見込まれる。17ブランドの従業員を対象に、Amazonの売上が2019年からどのように変化するかを予想してもらった結果、2019年より増えるという回答が3分の1を超えた。
問題は、これらの変化が長期的なものになるかどうかだ。現在のところ、ブランドや小売企業のほとんどは、客足の減少や店舗の閉鎖によって失われた売上を取り戻そうと必死になっている。Amazonでの商品販売は顧客を見つける手っ取り早い方法だ。これをきっかけに、販売チャネルの多様化に対する長期的な視点が変わるのか。それとも、新型コロナウイルスの影響による一時的な変化にすぎないのか。結論を出すのはまだ早い。
[原文:Modern Retail Research: Brands are going all in on digital marketplaces for the holidays]
CALE GUTHRIE WEISSMAN(翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:長田真)