アメリカでも、インターネットを介した模倣問題が、大きな話題となっている。非難を浴びているのは、米マクドナルドのTwitterアカウント。写真家のクリスティーナ・ベクレヴスキ氏とライターのデイビッド・シコルスキ氏が作成した、風刺写真のアイデアを模倣したと見られているのだ。
アメリカでも、インターネットを介した模倣問題が話題となっている。非難を浴びているのは、米マクドナルドの公式Twitterアカウント。写真家のクリスティーナ・ベクレヴスキ氏とライターのデイビッド・シコルスキ氏が作成した、風刺写真のアイデアを模倣したと見られているのだ。
2015年8月中旬、米マクドナルドは2.5ドルのダブルチーズバーガーセットをプロモーションするTwitterキャンペーンを開始。以下の画像ように、ダブルチーズバーガーセットを恋人と見立て、その彼氏または彼女らしき人間とのデート風景をコメディタッチに撮影し、複数回の投稿を行っていた。
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米マクドナルドがTwitterに投稿した、問題とされる一連の写真のうちの1枚。
しかし、この一連の写真が同年7月にバイラルメディア「BuzzFeed」で話題となった、先述のベクレヴスキ氏とシコルスキ氏の作品に酷似しているというのだ。 同年6月、ふたりはメキシコ料理の「ブリトー」を女性の恋人に見立て、人間の彼氏と婚約を交わすという一連の作品を撮影。それらを掲載する契約を「BuzzFeed」と結び、バイラルを産みだした。そのアイデアを米マクドナルドが模倣し、Twitterキャンペーンに活用したとふたりは訴える。
作品のアイデアだけでなく、モデルの服から自然豊かな背景まで、すべておいてコピーされたと、シコルスキ氏は米大手広告専門メディア「Adweek」にコメント。
「米マクドナルドが掲載した写真は、我々が撮影したものでもなく、オリジナルのスピンオフでもない」と、彼は言う。「構図やコンセプトまで模倣された複製だ。私やカメラマン、ライセンス会社にも使用許諾を求める話はなかった」
はじめにこの投稿に気づいたのは、シコルスキ氏の友人。それを知らされた同氏は、自身のTwitterアカウントから公にマクドナルドを批難した。また、周囲のフォロワーも巻き込み、大きな話題となる。
.@McDonalds steals friends entire idea that went viral (http://t.co/8rime5PWTJ) and uses it as their own. Please RT pic.twitter.com/qjzJnUcajT
— Evan Thompson (@ProudProblem) August 20, 2015
ベクレヴスキ氏のTwitterフォロワーの投稿。左の2枚がオリジナルで、右の2枚が米マクドナルドの写真。
その流れを受けて、米マクドナルドは作品が似通っていることを認め、同年8月20日には、公式Twitterアカウントから問題の写真を削除。すでにふたりには謝罪をしており、現在原因を追求中だという。
「このような問題は、二度と引き起こしてはいけない。現在、広告代理店とともに原因を追求しているところだ。私たちはクリスティーナ・ベクレヴスキ氏とデイビッド・シコルスキ氏にコンタクトを取り、彼らのファンと私たちのファンの両方に謝罪をした」と、米マクドナルドは米DIGIDAYに対して、声明を出した。
オリジナルの写真を掲載した「BuzzFeed」でも、新たな記事でこの事件について触れている。その記事内では「米マクドナルドは、この広告のアイデアをふたりの写真からコピーしたと思うか?」という読者アンケートを実施。「これは明白にコピーされたものだ」が94%、「いいえ、おそらく単なる偶然」が6%という結果となっている。
JordanValinsky(原文 / 訳:小嶋太一郎)