日本の著名マーケター10人が語る、それぞれのキャリア観:マーケターキャリア協会 3大プロジェクト発表会

マーケターの市場価値向上及び、キャリア構築の支援を行う「一般社団法人マーケターキャリア協会(以下、MCA)」は2019年6月13日、「3大プロジェクト発表会」を開催。メンターシッププログラムをはじめ、今後の具体的な取り組みを発表した。

会の冒頭に登壇した、小野 進一 代表理事(株式会社ホールハート 代表取締役CEO)は、「この場で我々の取り組みを発表できることを、非常に嬉しく思っている。ワクワクが止まらない」と意気込みを語る。現在、同協会の会員数は、発足から3カ月で526名にも及び、そのうち広告主企業所属の会員は約50%、広告会社所属の会員は14%ほどだという。そのほかにも、アドテクやメディア、リサーチ企業所属の会員が登録している。

MCAが今後取り組むプロジェクトは、「MCA 道場」「MCA Meet Up」「MCAメンターシッププログラム」の3つだ。「MCA 道場」は、MCAの理事7名による月1回のワークショップ。受講価格に定価は設けられておらず、会員は第1回目の講座を受けたのち、自分で支払いたい金額を決めて2回目以降の受講を開始するという。また、「MCA Meet Up」は毎回テーマを決め、ディスカッションとネットワーキングパーティを通じた、会員同士の交流促進が狙いだという。

そして、MCAの目玉となるプロジェクトが「MCAメンターシッププログラム」だ。会員は、業界/業種問わず幅広い領域で活躍する著名マーケターの有償メンタリングを受けることができる。メンターとメンティーが相互に学び合い、マーケターとして成長することを目指しているという。発表会当日には各プログラムの内容説明が行われたほか、メンター10名が登壇し、各々のキャリア観やメンティーに提供できる価値などを語った。本記事では、その一部をご紹介。なお、読みやすさのため少々編集を加えている。

左から

左からヤフーの井上 大輔氏 / フェラーリジャパンの遠藤 克之輔氏 / マーケティング&デジタル コンサルタントの尾澤 恭子氏 / 日本マイクロソフトの上代 晃久氏 / ベストインクラスプロデューサーズの菅 恭一氏 / ベクトルグループの吉柳 さおり氏 / Supershipの中村 大亮氏 / アクティブの藤原 尚也氏 / BBDO JAPANの谷津 かおり氏 / Mizkan Holdingsの渡邉 英右氏

“Planned Happenstance”

井上 大輔氏
ヤフー株式会社 マーケティングソリューションズ統括本部 マーケティング本部長

「私のキャリアに対する基本的な考え方は『Planned Happenstance(計画された偶発性)』。キャリアは計画してできるものではなく、偶然を重ねて作られていくもの。ゴールを明確にしたうえで、配られたカードに対して全力で取り組むことが大切だと考えている」。

自らの意思で選択し、行動すること

遠藤 克之輔氏
フェラーリジャパン株式会社 マーケティングディレクター

「私はもともとマーケター志望だったが、新卒で入社した企業では機会に恵まれず、4年ほど管理領域を担当していた。その後、小さなベンチャー企業に転職を機に、マーケターに転身した。志を諦めず、自らの意思で選択し、行動したこのときの経験は、いまでも大切にしている」。

好きなことを我武者羅に

尾澤 恭子氏
マーケティング&デジタル コンサルタント

「私のキャリアの転機は、シリコンバレーのスタートアップで、何もないところから我武者羅に頑張ったこと。それまでも、『面白そう』と感じることに突き動かされてキャリアの選択をしてきたが、自分の好きなことで、ビジネスインパクトを与えられることを実感し、成長することができた」。

デジタルマーケティングの未来を考える

上代 晃久氏
日本マイクロソフト株式会社 コンシューマー・デバイス・セールス事業部 デジタルリード

「デジタルマーケターやデジタルマーケティグは、今後どんな役割を示していけば良いのか。デジタルメディアの使い手に留まるのではなく、ビジネスに貢献するためには何をすれば良いのか。これまでの経験を生かして、メンティーの方々にお伝えしていきたい」。

支援会社のあり方をともに考える

菅 恭一氏
株式会社ベストインクラスプロデューサーズ 代表取締役社長

「デジタル化でマーケティングの手法が増えるなか、広告主と支援会社の関係も大きく変わってきている。マーケティング支援会社のあり方はどうなっていくか、これまで支援会社側で得た経験を、クライアントと向き合うときのマインドセットから、具体的にどういう風に向き合えばいいかをメンティーの方々と一緒に考えていきたい」。

事業創造としてのマーケティング

吉柳 さおり氏
ベクトルグループ取締役副社長 プラチナム代表取締役

「これまでの経験を振り返ると『事業創造』と『マーケティング』は、非常に近いところにあると感じる。マーケティングという言葉に囚われず、事業をどうグロースさせたいかといった視点を持って、マーケティングを捉え直すきっかけ作りができればいいと思っている」。

伴走し、ともに成長する

中村 大亮氏
Supership株式会社 マーケティングエバンジェリス

「サプライヤーサイドとブランドサイド、両方をそれなりの期間経験してきた。特にブランドマネジメントの部分などは、漠然とした悩みや疑問にもお答えすることができると思う。また、私の悩みもシェアするなどして、ともに成長していく、そんなメンターを目指したい」。

自らを知ることの大切さ

藤原 尚也氏
アクティブ合同会社 CEO

「マーケティングの枠に囚われず、これまで職種・業種関係なくさまざまな経験をしてきたが、自分ひとりでは成果が上がらないときや、キャリアの方向性を迷ったときには『自らを知る』ことが大切だ。私の場合は、パワーポイントで自分史を作るなどして、自らの強みは何なのかを探ったりもした」。

女性マーケターの躍進を後押し

谷津 かおり氏
株式会社 BBDO JAPAN Head of Planning

「これからますます女性マーケターは増えてくるだろう。彼女たちがライフイベントやキャリア設計を考えるうえでポジティブな選択ができるように、私自身の経験も踏まえてアドバイスをし、マーケターとしてのキャリア構築の手助けをしていきたい」。

Connecting The Dots

渡邉 英右氏
株式会社Mizkan Holdings 執行役員CDO(Chief Digital Officer)兼 デジタル戦略本部長

「スティーブ・ジョブスの『Connecting The Dots(点と点をつなげ)』という有名な格言がある。そのとき役立つかはわからないことでも、あとから点と点が繋がって、思わぬところで役立つ場合がある。私にとってそれはデジタルマーケティングなのだが、いまのキャリアは目の前のことに必死に向き合ってきたからこそあると思っている。そうした経験で得た、マインドセットの部分などもお話できるかと思う」。

Written by Kan Murakami
Image from 一般社団法人マーケターキャリア協会