マリオット、 ブランデッド動画 をテレビや劇場でも公開

マリオット(Marriott)は、自身のカスタム動画シリーズの「ストーリーブックド(StoryBooked)」の配信にあたり、実にハリウッド的なアプローチを取っている。

マリオット・インターナショナル(Marriott International)は2018年11月、クリエィティブな刺激を追い求めて世界を旅するさまざまなアーティストを特集した番組、「ストーリーブックド」のシーズン2を公開した。その4つのエピソードでは、ミュージシャンのアロー・ブラック、水中でのパフォーマンスを行うアーティストのジュリー・ゴーティエ、また振付師のジョン・ブーグズが特集されており、エピソードの長さには4分から11分と幅がある。この番組は、オウンドメディアであり、さまざまなソーシャルチャンネルであるマリオット・トラベラー(Marriott Traveler)で閲覧できる。2019年には、世界中にある130万ものマリオットホテルの部屋でも、このエピソードを見ることができるようになる予定だ。

マリオットはさらに、この「ストーリーブックド」全編の劇場版を、ニューヨークやロサンゼルス、シカゴなど28都市にある30カ所のスポットライト(Spotlight)が保有する劇場で上映している。さらに、11月8日の午前11時(アメリカ東部時間)にアメリカのケーブル局FYIのチャンネルで1時間の放映を行い、その後も11月10日の午前10時(アメリカ東部時間)にもA&Eのケーブルチャンネルで放映された。2019年4月からは、A&EとFYIのデジタルサイト上で全エピソードの視聴が可能になる予定だ。

エンタメ業界のやり方

この複数のパートナーによる「ストーリーブックド」の配信計画は、エンタメ業界でしばしば取られているやり方に似ている。これは、あるスタジオが動画やテレビ番組の企画・融資・制作を行う場合に、複数の配信アウトレットをさまざまな「窓」や地域にわたって見つけ出すという手法だ。マリオットが採用した手法もまさにこのやり方である。NBTVスタジオと協力して番組を制作し、メディア配信の計画はエージェンシーのピュブリシスグループ(Publicis Groupe)とともに行なった。ここでエージェンシーが採用した計画には、マリオット自身のチャンネルの外での配信も含まれていた。

「マリオット・トラベラーを見ている人やホテルの部屋にいる人にリーチできることはわかっている。だが、ターゲットのオーディエンスにリーチできるそのほかの場所にももちろん興味がある」と、マリオット・インターナショナルのグローバルクリエイティブおよびコンテンツマーケティングでバイスプレジデントを務めるスコット・ウィーゼンサル氏は語る。

マリオット以外のブランドも、新たなブランデッドコンテンツの配信戦略を導入中だ。2018年初め、グレイグース(Grey Goose)も、ジェイミー・フォックスが出演する番組「オフスクリプト(Off Script)」の制作・配信で、複数パートナー戦略を採用した。制作はグループナイン・メディア(Group Nine Media)傘下のスタジオのジャッシュ(Jash)とともに、そしてシリーズの配信はグループナイン関連のソーシャルチャンネル、およびオース(Oath)所有のウェブサイトで行なった。

インハウス化の効用

マリオットはまた、バイス(Vice)やホイッスルスポーツ(Whistle Sports)などの独立系パブリッシャーとも協働しており、「ストーリーブックド」で採用した計画とは異なるやり方にもオープンな姿勢を見せている。「1社か、10社かに関わらず、パートナー契約の門戸は常に開かれている」と、ウィーゼンサル氏は言う。

マリオットブランドの番組は、比較的最近構築された内部のマーケティング部門から生まれたものだ。この部門は、トラベラーとマリオット・インターナショナルの社内のクリエイティブエージェンシーであり、自身のリアルタイムのソーシャルメディアの中枢となっている「エムライブ(M Live)」と、社内のコンテンツスタジオを結びつける役割を担っている。現在、これらの部門すべては、これまでよりも親密に仕事ができていると、ウィーゼンサル氏は述べている。エムライブでトレンドやインサイトを追跡でき、そのデータをコンテンツスタジオで新しいプロジェクト立ち上げの時に活用する。そして配信に際しては、エージェンシーと協働してプロモーション向けの追加コンテンツを制作し、トラベラーを通じて配信される。

「私がトップに就いたときの仕事のひとつは、これらすべての部門をひとつにすることだった」と、2018年にNBCユニバーサル(NBCUniversal)からマリオット・インターナショナルグループに加わったウィーゼンサル氏は語る。「これまで、(それぞれのチームが)別々に話し合っていた当時は、現在のような一体感はなかった。これは、我々の2019年のプランニングにおいて重要な役割を果たすだろう」。

Sahil Patel(原文 / 訳:Conyac