今回のDIGIDAY[日本版]PODCASTでは、eスポーツを巡るマーケティング、メディア業界の動向に関する、2020年の振り返りをお届ける。語り手は、編集部の分島翔平、聞き手はDIGIDAY+ コミュニティマネージャーの吉田圭二が務めた。
2020年は、eスポーツをマーケティングに活用しようとする動きが、国内外で加速した。
米国では、レッドブル(Red Bull)やナイキ(Nike)、BMWといった巨大ブランドが、eスポーツに広告投資を行っている。また国内でも、プレイヤーやオーディエンスの規模は伸長し続け、マーケティングの文脈でeスポーツが言及されるようになりつつある。
とはいえ、まだeスポーツ活用の正解が見えているわけではない。多くの広告主は、中長期的な視点でその可能性を推し量りつつ、投資を行っている。特に国内では、そもそもeスポーツとは何か、その理解が十分に浸透していないのが現状だ。
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今回のDIGIDAY[日本版]PODCASTでは、eスポーツを巡るマーケティング、メディア業界の動向に関する、2020年の振り返りと今後の展望をお届ける。語り手は、編集部の分島翔平、聞き手はDIGIDAY+ コミュニティマネージャーの吉田圭二が務めた。以下、その音源と要約だ。
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市場の概況
「2020年は、マーケターのあいだでも、国内外でeスポーツの注目度が高まった。ただ、eスポーツに関していえば、オーディエンスの数や大会は以前から成長し続けていた。たとえば、『リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)』の世界大会は、2017年の世界大会のユニーククビューワー数が8000万人。これだけでもかなりのオーディエンスの数だ。それが2018年になると9960万人、2019年には1億人を超えていた。2018年から2019年の成長は横ばい気味ではあるものの、そこまで年20%近い勢いでユニークビューワー数は増加していた。そこに、コロナ禍の影響もあり、マーケターやエージェンシーの注目が集まっているというのが、いまの状況だろう」。
eスポーツを活用するポイント
「eスポーツは、スポーツビジネスとしての側面が強い。なので、スポーツビジネスの定石を押さえることは、重要なポイントのひとつだろう。しかし、まだこれという正解はないとも思っている。ほとんどの広告主は、中長期的な視点で投資を行っている。一方で、教科書的な事例はまだ見られていないことが、逆にチャンスが溢れているという見方もできる」。
日本のマーケター、エージェンシーの見方
「国内でeスポーツへの業界の理解が進むのは、2021年以降だろう。取材をしていて感じるのは、eスポーツの活用について、見通しを持っているブランドやオーガナイザーはまだ少ない。大抵の場合は、『eスポーツって何? メディアなの?』、『そもそもゲームでマーケティングするってどういうこと?』という状態だ。ただその反面、可能性を感じてる企業が多いのも事実。eスポーツへの理解がもう少し深まり、かつ実際の成功事例が国内でももっと見られるようになれば、投資するブランドの数も増えてくるだろう」。
Edited by DIGIDAY[日本版]編集部