「マーケティングとコミュニケーション間で板挟みになる」:インハウスのコンテンツマーケターの告白

自社チームを構築する際に、適材を見つけるのはもっとも難しいポイントだ。

匿名を条件に業界の裏事情を赤裸々に語ってもらう「告白」シリーズ。本稿ではブランド内のコンテンツマーケティングディレクターに、インハウスのコンテンツマーケティング組織の運営に関わる困難と、その先にあるものについて語ってもらった。

回答は読みやすさのために若干の編集を加えてある。

――リクルートが困難なのはなぜか

たくさんの異なるブランドを扱うことができるので、求職者にとってはエージェンシーの方がアピールがあるのだろう。(ブランドの場合)サブ・ブランドはいくつか存在しているが、基本的にはひとつのメッセージにフォーカスしている。我々はコンテンツ組織ではないので、自分のところに予算を得るのに苦労している。そして、我々の業務に関して人々も、非常に極端な印象しか持っていない。チームを構築するのに必要な予算を確保するための社内の政治をうまくやりくりして、それから適切な候補者を雇うプレッシャーにも対処するのは難しい。採用プロセスにおいて面接プロセスにもっと価値を置くことなく、楽観的に候補者のなかから採用者を決めて悪い経験へとつながったことはある。

――「極端な印象」とはどういう意味か?

私の上司にとってみれば、我々が製作する動画の価値をビュー数や、動画のおかげでサイトにもたらされるトラフィックと等価だと決めつけるのは簡単だ。しかし、これらの動画や残りのコンテンツがブランドへ長期的にどのようなインパクトを与えるかを見るのは難しい。なぜ、すべての動画にサイトへ戻るリンクを入れられないのかを説明したことが、何度もある。

意思決定者の前で、我々のコンテンツがすぐには何も利益を生まないけれども、時間をかけてブランドにもっと大きな影響を与えるだろうと伝えるためには、上手く振る舞う必要がある。数学を使った方法はまだ持っていないが、直接の利益には影響はないけれども、それでも重要であるという点では、我々の仕事はPRと比較できると説明すると、通じることがあると思っている。現状の施設では足りなくなり、新しい施設が必要になったことが最近あったが、その時にこのアプローチを試した。このたとえを使って、上司の上司に状況を説明したことで、新しい編集用のブースを2週間で作ってもらうことができた。

――社内チームを構築する際に性格は専門技能よりも重要か?

それはハッキリと分かる問題ではない。いまでは私が人を雇うとき、その仕事をするためのスキルを持っていると期待する。私にとっては候補者の性格の方が困難な分野だ。私が管理するコンテンツチームは小さい。そのため人々は短い締切のなかでプレッシャーに負けずに働ける必要がある。プレッシャーがあっても、グループ内の雰囲気はリラックスしていないと、問題があったときにちゃんと私のところに相談に来てもらえなくなる。数週間前には、プロデューサーのひとりがもっとプロジェクトを任せてくれないかと頼んで来た。私があまりにコントロールしていたためだ。より大きなマーケティング部門のうちの小さい一部分でありながら、それが上手くは統合されておらず業務が困難になっているような場合、進歩的になろうとすればチームにはこういったお願いや進言ができる性格の人が必要になる。

――どのような点が複雑な問題となっているのか?

マーケティング部門のほかの部分ほどは、ビジネスのエグゼクティブレベルでの力がないような小さいチームの場合、満足させないといけないエゴの数が多すぎる。組織の他部門のマーケターたちは、彼ら独自の優先事項を持っているため、私たちのために妥協はしてくれない。そのため、私たちが彼らの業務に上手くフィットするような方法を探さないといけない。マーケティングとコミュニケーションのチームのあいだで板挟みになることがよくある。マーケティングは斬新で尖ったことをして人々の話題になりたいけれども、コミュニケーションの方は必要なときはなるべく波を立てないようにしたい、といった具合だ。ビジネスのいろいろな部分において入れ替えが起きてきたので、いまとなってはブランドとスポンサーシップチームの両方と協働している状態だ。

――人材を社から離れないようにキープするためには

コンテンツクリエーターをトレーニングして、彼らが一定のレベルに達したら、彼らは社を去るものだ、という事実を受け入れる必要がある。我々にはエージェンシーたちと競争する予算はない。また我々のような仕事は大きく上へのし上がっていけるものでもない。私が自分のチームに言うのは、彼らがいましている仕事は、今後のより大きなキャリアのはじまりであるべきであって、輝かしい最終目標とはならない、ということだ。

Seb Joseph(原文 / 訳:塚本 紺)