ブランドの「リワード」施策は、有効な手段なのか?:米アパレル企業 メイドウェルCMOが語る

米衣料品チェーンのJクルー(J.Crew)が転落する一方、子会社のメイドウェル(Madewell)は成長を続けている。親会社が破産関連のニュースで話題になるなか、メイドウェルはJクルーにとって希望の光となっている。他ブランドとのコラボレーションやロイヤル顧客のおかげで、メイドウェルの年間収益は6億ドル(約637億円)を超え、親会社の年間収益の1/3近くを占めるまでに至っている。

先日、メイドウェルはポイント制を追加することで、リワードプログラムを刷新した。同プログラムには、これまで無料配送やイベント招待といった特典が含まれていた。そこにポイント制が加えられることで、ポイントが一定の合計数に達すれば、顧客はディスカウントが得られるという。

メイドウェルのCMO、デレック・ヤーボロウ氏は米DIGIDAYの兄弟サイト、モダン・リテール(Modern Retail)のインタビューを受け、彼らの新しいプログラム、顧客のロイヤリティ、そして店舗とeコマースのギャップを埋める取り組みについて語った。以下は読みやすさを優先し、編集を加えてある。

──既存のリワードプログラムにポイント制を加えることで、具体的にはどのように顧客のリピートを促すのか?

ポイント制の導入は、我々のプログラム、メイドウェルインサイダー(Madewell Insider)の価値を高めるためには必要不可欠だった。実際我々は、以前から今回の取り組みを計画していた。また、我々の顧客もポイント制の導入を求めており、プログラムの価値を高めるためには、いまが適切なタイミングだと考えた。ポイント制は、顧客との関係性を築く仕組みのひとつでもあるのだ。我々がリピートを促すためにフォーカスしたことはふたつだ。ひとつは1ドル(約106円)支払う度に1ポイント(ジーンズの場合は2倍)とするなど、可能な限り仕組みをシンプルにすること。そしてもうひとつは、オンライン/オフラインの両方に、ポイント制を適応させることだ。

──リワードプログラムは実店舗戦略には影響する?

我々はこれまで、eコマースだけでなく、店舗とオンラインを組み合わせた購買体験を重視してきた。今年に関しては特にeコマースが加速しているが、オムニチャネル戦略を構築する上で、デジタルは常にその起点となってきた。ときには店舗数を微調整するなど、オフライン戦略にも手を加える必要があったが、それは前提となる問題として議論しなければならない。今後も、実店舗を好む人とオンラインでの閲覧・購買を好む人の両方が存在し続けるだろう。利用方法は時間とともに進化するだろうが、我々の顧客コミュニティは、オンラインとオフライン両方のオプションを好んでいる。eコマースだけでなく、実店舗が我々のブランドにとって、非常に重要な要素であり続けることは変わらない。

──ノードストローム(Nordstrom)やショップボップ(Shopbop)といったリテーラーとのサードパーティパートナーシップに影響は?

我々は、ノードストロームのようなリテーラーと素晴らしい関係を結んでいる。しかし、歴史的に見ても、これまで私たちのビジネスはオンライン、オフライン問わず直販が基軸になっていたし、今後もそれは変わらないだろう。プログラムの刷新は、メイドウェルで最高の体験ができることを顧客に知ってもらうことで、彼らとの繋がりをさらに深めていくためのものだ。

──D2Cブランドのあいだでは、リワードプログラムが注目を集めている。これはつまり、コロナ禍において顧客を獲得・維持するには非常に有効ということなのか?

当たり前だが、リワードプログラムは新しいものではない。また、リピート購入よりも新規の顧客に頼る傾向にあるD2Cブランドですら、リワードプログラムが成功を収めているのを我々も確認している。もちろん、コロナウイルスによってその必要性が加速した。確かに私たちにとってポイント制の導入は、顧客のロイヤリティを得るための重要な一手だ。しかし、すべてのブランドがそれぞれのスタイルに理にかなった方法で、内容をカスタマイズする必要がある。我々も、既存顧客の購買行動や、どの特典が彼らの行動によりインパクトを与えられるかについてのデータを参照した。その結果いまは、新規顧客を得るよりかは、既存顧客のコミュニティを活性化する方向で動いている。

[原文:Madewell CMO Derek Yarbrough on the brand’s rewards program expansion

GABRIELA BARKHO(翻訳:塚本 紺、編集:村上莞)