カジノを主力産業とする国際観光都市マカオで、ファッションのクリエイティブ振興によって地元産業の裾野を広げる活動が盛んに行われている。10月19~22日に開かれる「マカオファッションフェスティバル2023(Macao Fa […]
カジノを主力産業とする国際観光都市マカオで、ファッションのクリエイティブ振興によって地元産業の裾野を広げる活動が盛んに行われている。10月19~22日に開かれる「マカオファッションフェスティバル2023(Macao Fashion Festival 2023/MFF2023)」はその取り組みを都市内外に示すイベントのひとつだ。
同イベントは、ファッションデザイナーの国際市場進出やビジネスチャンスの創出支援の一環として、マカオ企業の生産性や競争力の向上などを主目的とした非営利団体マカオ生産性技術移転センター(CPTTM)*と、マカオ国際貿易投資博覧会(MIF)が2010年にスタートした。MFF2023では、マカオのファッションデザイナーやブランドを含む約80組が、ランウェイ形式によるファッションショーやショーケース展示などで最新コレクションを披露する。
*1996年にマカオ政府と民間企業が共同で設立した非営利団体。 マカオ企業の生産性と競争力の向上、地元人材の質の最適化を支援することを使命としている。
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マカオ華道デザイナー学院やマカオファッションデザイン産業協会、マカオ青年モデル協会などとの協業コンテンツも併せて実施するほか、商品の追跡・加工・保存方法や生地の抗菌技術に関するプレゼンテーションといったファッション関連セミナーも行い、マカオの文化クリエイティブやイノベーション技術のアピールも強める。
同イベントで近年力を入れているのが、広東・香港・マカオグレーターベイエリア**の相互連携だ。今年のMFFでも、「Fashion knows no Boundary(国境なきファッション)」をテーマに掲げ、マカオとともに同エリアの該当地域である香港、深圳、広州、中山からデザイナーを招致し、ランウェイショーを披露する。さらに、マカオ、香港、深圳、珠海の7つのファッションデザイン教育機関の新人デザイナーによるコレクション展示も行う。CPTTMは、その狙いについて、「グレーターベイエリアをファッションデザインプラットフォームとして、各都市の交流と協力を促進していく」とGLOSSY Japanに答えた。
**香港、マカオと、広東省の9都市(広州、深圳、佛山、東莞、恵州、中山、江門、珠海、肇慶)をひとつの経済圏と捉え、ともに地域の経済発展をめざす構想。2017年に中国政府、香港、マカオ、広東省が中心となりスタートした。
同イベントを主導するCPTTMクリエイティブファッション&イメージ部シニアマネージャーのレニー・ン氏も、GLOSSY Japanの取材に応じ、今回のイベントの見どころを語った。
「2023年のMFFには、グレーターベイエリア各都市のファッションデザイナーやブランドなど、多彩な顔ぶれが揃う。さまざまな地域から参加者やゲストを迎えることで、活気に満ちたファッションショーケースとなることが期待される」と同氏。ファッション関連セミナーについても触れ、「注目すべきなのが、生地の抗菌技術に焦点をあてたものだ。マカオのファッション業界が、スタイルの向上だけでなく、衣料に機能性を付加するような進歩を取り入れるという姿勢を浮き彫りにしている。このようなイノベーション技術は、消費者の体験全体にポジティブな影響を与えることができる」と述べる。
また、MFF2023がマカオ国際貿易投資博覧会(MIF)の共催イベントとして開かれることにも触れ、「MIFの国際貿易プラットフォームを通じて、MFFがマカオのファッション産業と近隣地域とのより良い地域協力を促進し、マカオの文化クリエイティブ産業を新たなレベルへと引き上げる一助となることを確信している」と強調した。
「マカオファッションフェスティバル2023」は10月19~22日の4日間、世界最大級のカジノ・リゾート「ザ ベネチアンマカオ リゾート ホテル」で開かれる。昨年は、64組のデザイナーやブランドが参加し、約4000人を動員した。
■ MFF2023に参加する主なマカオ発ブランド
ella épeler
NO.42
Hong Mei fashion Uniform
iGift
Decom
Nega C. Fashion
ALTA BELLA
Kobility
Misazal
SHEFEELING
Written by 戸田美子
Image via CPTTM