2021年創立ブランド、LYSビューティ。製品群でも小売価格においてもクリーンビューティの領域にインクルーシビティをもたらし、セフォラの「Clean at Sephora」レーベルにアフリカ系アメリカ人が経営するコスメブランドとして、はじめて選ばれた。代表のティーシャ・トンプソン氏へのポッドキャスト対談。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
ティーシャ・トンプソン氏は大学の専攻を選ぶ際に、両親のアドバイスに耳を傾けて「安全な」キャリアパスを選び、会計学を学ぶことにした。しかしトンプソン氏が情熱を持ち続けていたのはメイクアップだった。
「私の両親は『あなたには困苦にあえぐアーティストになってほしくない』と頑なだった」と、トンプソン氏は米Glossyビューティポッドキャストで語った。
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トンプソン氏は未知の領域へと挑戦しながら数々のキャリアを経て、今日では2021年に立ち上げたLYSビューティ(LYS Beauty)の代表を務める。LYSビューティの製品は現在、セフォラ(Sephora)で取り扱われている。
トンプソン氏はピュアコスメティクス(PÜR Cosmetics)で100種類ものファンデーションのシェード開発を主導していた際に、LYSビューティの立ち上げを考えるようになった。昨秋からセフォラで取り扱われるように、独自の基準で選ぶクリーンビューティのレーベル「Clean at Sephora」分野に、アフリカ系アメリカ人が経営するコスメブランドとして、はじめて選ばれた。
LYSビューティは製品群でも小売価格においても、クリーンビューティの領域にインクルーシビティ(包摂性)をもたらしている。売れ行きナンバーワンはファンデーションで、三角形のケースが特徴的なクリームチークがそれに続く。
以下、ポッドキャストで取り上げたトピックをいくつかご紹介する。
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クリーンビューティにおけるインクルーシビティ
「クリーンビューティを推進してきたのはインディーズブランドだ。たくさんのインディーズブランドがクリーンビューティに参入するまで、多くの大手ブランドは参入してこなかったが、その後、このカテゴリーを切り拓き、いまではみんながクリーンになった。
しかし品揃えや多様性が乏しかったのは、インディーズブランドは基本的に創業者のニーズから始まっていることが理由だ。創業者が製品を開発する際には通常、自身が抱えている課題や、自身のコミュニティで共有されている課題を解決する身近なものであることが多い。そして初期の段階では、一般的に創業者が有色人種の女性であることはほとんどなく、いたとしても非常に少なかった。自分に合うシェードがないという問題を抱えていなければ、それを開発時の優先事項にすることはないのだから」。
クリーンを、手の届く価格帯で
「昔から、手の届く価格で提供することはできた。手ごろな価格で作る方法は必ず存在した。ここ何年かで多くの進歩はあったが、原材料はつねにあったのだ。
私のミッションは、クリーンに多様性をもたらすことだ。そしてこの課題に、シェードの製品群のみで取り組もうとは思っていない。クリーン関連のファンデーションは平均35~40ドル(約4,000~4,600円)だが、もっと手の届く価格帯で提供したかったのだ。
障壁を打ち破り、妥協の必要はないということを伝えたかった。大金をつぎ込まなくとも、クリーンな製品を手に入れることはできる。素晴らしい原材料で作られた、自分に合ったシェードを見つけることができる。私たちのやっていることがとても簡単だとは言えないが、達成可能であることは間違いない」。
インスタグラムで注目を集めるリールについて
「リールでは本当にうまくいっていると思う。インフルエンサーコンテンツで現在もっとも高いパフォーマンスを発揮しているのはチュートリアル動画やメイク動画、そして製品のデモや紹介時にトレンドの音源を使ったものだ。ありのままの姿を見せるTikTok動画と比べると、リールはより精選されているように思う。
リール動画はかわいらしくて精巧で、見た目が美しいものを好む人のためにまとめられている。単にコメディリリーフが欲しい、楽しみたい、クスクスと笑いたい、何が流行しているかを知りたい……そういうときに適しているのはTikTokだ」。
[原文:LYS Beauty founder and CEO Tisha Thompson: ‘My mission was to diversify clean’]
LIZ FLORA(翻訳:田崎亮子/編集:山岸祐加子)