現在「ウーバーファイル」と呼ばれる政治スキャンダルの渦中にあるウーバー(Uber)の配車アプリで、バーバリー(Burberry)などのブランドが広告を展開している。2021年夏頃からはスポンサード広告も開始しているが、最近の目撃報告から、ウーバーが次にラグジュアリーファッションブランドを狙っていることがわかる。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。
現在「ウーバーファイル」と呼ばれる政治スキャンダルの渦中にあるウーバー(Uber)の配車アプリで、バーバリー(Burberry)などのブランドが広告を展開している。
ウーバーでは、もともとウーバーイーツ(Uber Eats)やポストメイツ(Postmates)など、傘下のフードデリバリー事業の広告を配車アプリに表示していたが、2021年夏頃からはマリオットホテル(Marriott Hotel)を皮切りに、スポンサード広告も開始している。最近の目撃報告からは、ウーバーが次にラグジュアリーファッションブランドを狙っていることがわかる。そこで最初に獲得したブランドのひとつがバーバリーだったようだ。
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2022年2月に開催されたウーバーの投資家向けイベントで、広告部門責任者のマーク・グレサー氏は、ウーバーの広告収益事業を大きく拡大する計画があると話した。「2024年までに10億ドル(約1300億円)を超える売上を狙う」までに成長させるそうだ。ウーバーの報告によれば、同社の広告部門の売上は2020年の1100万ドル(約14億3000万円)から、2021年には1億4100万ドル(約183億3000万円)に達している。
2月のイベントでのプレゼンによると、ウーバーは車内広告や車内タブレット、およびリスティング広告、ブランディング広告、動画広告などの広告フォーマットで、広告市場への参入を目指していく。ラグジュアリーブランドへの動きは、レストランやホテルといった広告主に続く次の挑戦のようだ。過去には自動車ブランドも、より控えめではあるが、ラグジュアリーファッションの客層へのアプローチをかけている。メルセデスベンツ(Mercedes Benz)は、世界各地のファッションウィークで複数年のスポンサー契約を結んでいる。
7月4日、ナーズ・コスメティクス(Nars Cosmetics)のグローバルデジタル戦略&イノベーション担当バイスプレジデントのディナ・フィエロ氏が、ジゼル・ブンチェンを起用したバーバリーのTBサマーモノグラムコレクションの広告をウーバーのアプリで見たとツイートした。広告はアプリのメインページに表示され、クリックするとさらにイメージギャラリーにアクセスできるようになっている。
この広告は、GLOSSYレポーターなど、ファッション&ビューティー業界のほかの関係者たちにも目撃されており、広告がターゲティングされているのではという説が浮上している。
バーバリーとウーバーはどちらもコメントに応じていない。
ウーバーは、英国、フランス、ロシアなどの政治指導者たちが同社の市場参入の際に便宜を図ったことが7月11日のガーディアン(The Guardian)で明らかになり、現在は国際的なスキャンダルの中心にある。
[原文:Luxury fashion brands are advertising on Uber amid scandal]
(翻訳:SI Japan、編集: 山岸祐加子)