ブランド再構築を図る、 ルルレモン 「店舗戦略」の中身:中国市場開拓も視野に

ルルレモン(Lululemon)の新しいCEOは、アスレジャーブランドの定義を再構築しようとしている。

昨年7月に就任したCEOのカルヴィン・マクドナルド氏は先日、新しい戦略プランを発表した。海外の収益を4倍にする、5年間でデジタル収益とメンズの収益を2倍にするといった内容が含まれている。そしてその翌日、2014年以来はじめてとなる投資家向けイベントで、どのようにこの目標を達成するか詳細をトップ・エグゼクティブたちとともに説明している。

デジタル収益の増加にフォーカスを据える一方で、新しい戦略の中心にあるのは実店舗の存在だ。より体験型の大型実店舗の構築を含めた、リテール訪問客の多様化に向けて、より投資をしていく計画だ。また店舗のリモデルによって、男女両方に利用してもらえるブランドであるとアピールしていく。これによってより男性客に訴える形だ。最後に、海外店舗の増加も計画されている。特に中国だ。海外におけるブランド認知度を高めるために、デジタルプラットフォームへの投資も行われる。

「我々の現在の客がどのような場所で汗を流しているのか、また我々の商品のうち、どれが汗を流す活動に所属しているのか、を理解するためにここ数カ月に多くの労力を割いて調べてきた」と、マクドナルド氏は上記のイベントで語った。また、今週発表された声明文では、ルルレモンは「これまでの期待を超える独自のチャンスを持っている」とも述べている。と同時に、ナイキ(Nike)やアディダス(Adidas)といった大手ブランドとの競争にも取り組んでいる。ルルレモンの強みは女性向けのプロダクト、そしてヨガ市場だが、上記のブランドたちはそこにも大きく踏み込もうとしてきているからだ。

アナリストたちの懸念

2018年、最終四半期にはルルレモンは12億ドル(約1300億円)の収益を報告した。これは前年と比べて26%の増加となっている。しかしこの成長は長続きはしないのではないかと、アナリストたちは懸念している。

「リテール業界における成長物語では、ルルレモンは明らかに最も力強いもののひとつだ。しかし、セールスもしくはマージンのどちらかがピークに近づいているように思える」とノムラ・リテール(Nomura retail)でアナリストを務めるシミオン・シーゲル氏は、今月初頭に出された投資家向けのメモで発言している。

ルルレモンは依然として、主に女性向けブランドとして知られている。昨年末の段階でビジネスの70%は女性向けカテゴリーから収益を得ている。男性向けコーナーを実店舗で充実させることで、ブランド認知度を高め、成長しつつあるメンズの収益を増やそうとしているわけだ。しかし、それがブランド自体に沿っていることは決定的に重要だ。アナリスト向けのイベントでマクドナルド氏が言ったのは、メンズのビジネスも、ルルレモンの女性顧客が参加するアクティビティに参加する男性向けに構築していくということだ。

「野球、アメリカンフットボール、ホッケー、サッカー分野に参入する計画はない」と、マクドナルド氏は言う。

体験中心の実店舗戦略

収益とトラフィックを増やすために、体験を中心に据えて実店舗はリモデルされている。2023年までには店舗の10%は体験型になるだろうと述べた。シカゴにはヨガスタジオ、瞑想ルーム、そして食事・飲み物を提供する2万5000平方フィート(約2322平方メートル)の大型新店舗をオープンする計画だ。数カ月単位で運営されるポップアップ店舗も増やす計画がある。昨年はこのタイプの店舗が60軒展開されたという。

店舗戦略は海外にも適応される。今年オープンする店舗の大部分は中国になると、ルルレモンは述べている。現在では中国に22店舗を抱えており、直近の収支報告において、40から50のオープン計画中の店舗は中国に「偏って」いると、マクドナルド氏は語った。

最高オペレーティング責任者であるスチュワート・ヘイゼルデン氏は前日の投資家向けイベントで、中国市場におけるブランド認知度を向上させるために、WeChat(微信)のチャンネル、そして中国ドメイン構築により投資していく計画があると述べた。ルルレモンは現在、Tmall(天猫)店舗を持っている。また、コミュニティーイベントにも投資をしていくだろうと述べた。

「何度も試されて実効性が検証されたコミュニティ戦略を活用し、地域に合わせた好みやチャンスに適応させる。そのうえで新しく、デジタル分野に導入される投資を通じて増幅させていく」と、ヘイゼルデン氏は語った。

Anna Hensel(原文 / 訳:塚本 紺)