MARKETING ON PLATFORMS

不動産テック企業・GA technologies に学ぶ LINE広告 の真価 : 他プラットフォームでアプローチできないユーザーへのリーチとは?

いまや国内のコミュニケーションツールとして一般化しているLINE。その類を見ないオーディエンス規模は、広告主に「他プラットフォームではアプローチできないユーザーへのリーチ」をもたらしている。

LINEアプリやファミリーサービスへ広告が配信できる「LINE広告」の大きな特徴のひとつは、幅広い年齢層のLINEユーザーへリーチできる点だ。同社が公表している媒体資料(2022年1~6月期版)によると、2021年7月末時点で、SNSを利用している日本人の実に83.2%がLINEを使用し(※1)、国内のMAUは8,900万人(2021年9月時点)にも及ぶ。加えて、広告配信の自動最適化の精度の高さが、幅広い広告主の活用をあと押ししている。

住まいにまつわるさまざまな領域を包括したサービス「RENOSY(リノシー)」を展開する不動産テック企業のGA technologies(ジーエーテクノロジーズ)も、LINE広告のこうした特長に魅了された一社だ。GA technologiesは不動産の賃貸から売買、そして投資などの多岐にわたる領域を、デジタルの力で統合することを目指している。

同社は、2020年3月からインハウスでLINE広告の運用を開始。オンライン広告のインハウス運用を行うプロモーションチームのマネージャーを務める坂尾紀明氏は「LINE広告を導入してから、新規リード獲得数が増加した。また、量だけではなく質に関しても、良好な結果が得られている」と語る。

本稿では、坂尾氏へのインタビューから、LINE広告の活用を成功に導く秘訣と、その広告媒体としての強みを探る。

GA technologiesの坂尾氏

GA technologiesが目指す世界

GA technologiesは、「借りる」「買う」「売る」「貸す」「投資する」といった、住まいにまつわる領域を包括したサービス「RENOSY」を提供する企業。創業9期目でありながら、2020年度の売上高は630億円と急成長を遂げている。そんな同社が、現在特に注力しているのが不動産投資の領域だ。

坂尾氏によると、不動産投資の世界では新規リード獲得の手段として、現在も「飛び込み営業」や「街頭アンケート」といったアナログな手法が根強く残っている。また、検討から物件の購入まで、何十枚にもおよぶ書類に目を通し、判子を押し、口頭でコミュニケーションを取り続けるなど、契約プロセスに関してもいまだアナログな部分が多いのだという。

もちろん、不動産は高価格帯の商品だ。生活者からすると、購入には慎重に慎重を期すのが定石かもしれない。しかし坂尾氏は、「カスタマージャーニーが長過ぎると、非効率なうえ、むしろ顧客にも多くの負担がかかる」と強調する。

こうした課題を解決すべく、GA technologiesは不動産投資についての面談予約から契約手続き、契約後のアフターフォローまで、あらゆるプロセスがRENOSYを通じてオンラインで完結できるサービスを設計した。「不動産投資、引いては不動産に関わるすべてのプロセスが、ひとつのプラットフォームで完結する」。それが、GA technologiesが目指す世界観だ。

なぜLINE広告を選んだのか

GA technologiesは不動産投資に関する問い合わせなどの新規リード獲得を目的に、2020年3月からLINE広告の利用を試験的に開始した。同年7月からは出稿を強化し、定常的にLINE広告を活用している。

これまで、GA technologiesは「良さそうだと判断した広告サービスは、実際に有用であるか、すべて試す」という坂尾氏の方針の下、さまざまなSNS広告や検索連動型広告を活用してきた。では、LINE広告の何が魅力的に映ったのか。坂尾氏は「当初、LINEの営業担当から『LINE広告でしかアプローチできないユーザー層が存在する』と聞き、活用してみようと考えた」と述べる。

いまや、主要なSNSのひとつに数えられるLINEだが、同サービスは競合と異なり、老若男女に広く親しまれるコミュニケーションアプリとして国内で浸透している。このことが、他媒体では実現できないユーザー層へのアプローチを可能にしている。

生活者のSNS利用状況(クリックで拡大)

   

それだけではない。坂尾氏はLINE広告の持つ「インハウスでの運用のしやすさ」にも、大いに魅力を感じたという。先述したようにGA technologiesは、インハウスでデジタル広告の運用を行っているため、運用の負荷がどの程度かかるかも媒体選定の重要なポイントであった。「LINE広告は運用に複雑な操作を求められず、扱いが難しいプロダクトではないので、インハウスでの運用に適している」と坂尾氏は評価する。

なお、GA technologiesのインハウスチームは、坂尾氏に加えてLINE広告の運用担当者が1名所属、チーム内の広告運用担当者は全員で8名在籍しているほか、プロジェクト単位で開発メンバーやデザイナーがスポットで参加する形で組織されている。

LINE広告がもたらした成果

坂尾氏の期待通り、LINE広告はGA technologiesにリード獲得数の増加という成果をもたらした。

さらに、量だけでなく質に関しても良好なパフォーマンスが見られている。RENOSYがターゲットとして定めているのは、「20代後半から40代、年収500万円以上のビジネスパーソン」。坂尾氏によると、こうした層は全国に2割程度しかおらず、獲得ハードルが高いのだという。

しかし、8,900万人にリーチができるLINE広告を活用することで、他プラットフォームではリーチができていなかったターゲット層のユーザーを相当数獲得できているという。この成果を受け、坂尾氏は「獲得したリードの5割程度は、我々が望むターゲットに合致している。ほかの広告媒体では、こうした成果はなかなか出ない」と評価する。

質の高いリードを獲得するためのデータ活用とは

GA technologiesが利用している配信機能についても見ていこう。現在、同社がメインで活用する配信機能は「類似配信」だ。この機能を活用すれば、広告主のソースオーディエンス(コンバージョンオーディエンスやアップロードした顧客情報)に類似したユーザーをLINE内で新たに探し、オーディエンスを拡張して配信することができる(※2)。類似オーディエンスのサイズは1〜15%、もしくは自動の選択が可能だ。

GA technologies がLINE広告を通じて「質の高い」リードを獲得できているのは、この「類似配信」機能の自動最適化能力が優れていることが影響している。

LINE広告の類似配信機能についての概要図(クリックで拡大)
出典:LINE Business Guide_2022 01-06

   

GA technologiesは、契約(コンバージョン)する確度の高いユーザーに広告を配信するため、ある程度精査されたファーストパーティデータを用いている。たとえば、同社のサイトでは20問程度のアンケートを実施しているが、ユーザーのフォーム入力完了をコンバージョンとして設定。その回答をスクリーニングしたデータをソースオーディエンスとして、広告配信に活用している。

こうしたファーストパーティデータを活用した広告配信を行うのは、GA technologiesにとって最終的に重要なことが「契約」だからにほかならない。当然、オンラインコンバージョンのCPAやCVRなどの指標のモニタリングも行っているが、これらは中間指標にすぎない。重要なのは、オンラインコンバージョン後のカスタマージャーニーも視野に入れることなのだ。坂尾氏は「こうした緻密な運用は、インハウス体制があってこそ実現できることだ」と述べる。

ユーザーの関心を引くクリエイティブをつくる

LINE広告の配信効果を高めるためには、クリエイティブも重要な要素となる。

LINE広告は、LINEアプリ内だけでなく、「LINEマンガ」や「LINEショッピング」など、計11種類にもおよぶ多様な関連サービスのほか、LINE広告ネットワークによって提携するサードパーティアプリにも広告を配信できる。

こうした環境のもと、坂尾氏がクリエイティブ面で特に心がけているのは、「配信効果を最大化できるようなクリエイティブを準備すること」だという。LINE広告では、配信面を自由に選択することができない。つまり、どこの配信面に掲出されても、ある程度効果が発揮できるクリエイティブを用意する必要があるのだ。

配信面の選択ができないというのは、広告主にとっては不安要素になるかもしれない。しかし坂尾氏によると、LINE広告は「広告配信における自動最適化が非常に優れているので、安心できる」という。「広告主がやるべきは、LINE広告のアルゴリズムに多くの判断材料を提供することだ。当社の場合は、1回の施策で約20本以上のクリエイティブを制作し、効果検証を重ねている。検証を繰り返すことで、広告配信の精度が高まっていく」。

LINE広告の配信面の一部(クリックで拡大)

   

広告運用のPDCAを回すことで、効果の良いクリエイティブの傾向も見えてきている。「たとえばコピーであれば、『老後2,000万円問題』といった、ユーザーの関心を引きそうなワードが効果的だ」と坂尾氏は述べる。そうすることで、不動産投資に関心がないユーザーの反応も得ることができるという。

クリエイティブについても同様だ。マンションや住宅などの直接的なビジュアルで不動産を訴求するよりも、家計や金銭に関する自社調査の結果をグラフやイラストにした画像を用いた方が、ユーザーの関心を集める傾向があるのだという。

実際に使用されたクリエイティブ

LINE公式アカウントも活用中

GA technologiesは、LINE広告の利用を開始したのとほぼ同時期に、LINE公式アカウントも開設している。2021年12月時点の友だち数は1万人を超え、現在も順調に成長中だ。なお、友だち追加したユーザーに対しては、資産運用や高級賃貸に関する情報を週に1〜2回配信しているという。

「現状、まだLINE広告とLINE公式アカウントの併用は模索中の段階。集客からその後のコミュニケーションまで、ひとつのプラットフォームで完結する仕組みはすでにLINE上にある。今後はより積極的に活用していきたい」。

坂尾氏は、メールを読むユーザーが減少していることから、日常的に利用しているユーザーが多いLINEを活用し、CRMの強化を目指している。「すでにLINE公式アカウントを通じて、契約にいたったケースも見られている。あとは、どう再現性を持たせるかだ」。

「LINE公式アカウントを活用して、より充実したCRMの実現を目指したい」と語る坂尾氏

LINEへの今後の期待

LINE広告、およびLINE公式アカウントは、いまやGA technologiesのデジタルマーケティング施策にとって欠かせないツールになりつつある。しかし先述したように、同社にとっての最終的なコンバージョンは契約である。坂尾氏が今後LINE広告に期待するのは、契約に至ったユーザーのデータをよりLINEの運用に活用していくことで、費用対効果やどの施策が貢献したかを可視化する仕組みだ。

加えて、坂尾氏はその先に期待することとして、「LINEというひとつのプラットフォームで完結する、契約までの双方向的なコミュニケーションの実現」を挙げる。

「たとえば、従来メールや電話で受け付けていた問い合わせや契約に至るまでのやり取りをLINE公式アカウントですべて受け付けることができるようになれば、そのサービス価値は劇的に高まるだろう。より良い運用方法を見つけていきたい」。

不動産業界の「LINE広告」活用法を紹介!LINE広告の詳細を知りたい方はこちら

※1 調査機関:マクロミル・インターネット調査:2021年7⽉実施/全国15〜69歳のスマートフォンユーザーを対象 サンプル数20,000)
※2 類似オーディエンスには、ソースオーディエンスに含まれるユーザーは除外されています

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Written by DIGIDAY Brand STUDIO(海達 亮弥)
Photo by 堤賢悟