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「オンラインフェス L&UX2021は、いわば『アフターデジタル3』だ」 : ビービット CCO 藤井保文氏

コロナ禍により、日本のDX(デジタル・トランスフォーメーション)は大きく加速した。しかし、だからこそいま、我々はDXの本質を問い直すべきではないだろうか。

こうした課題観のもと企画された、オンラインフェス「L&UX2021(エル・アンド・ユーエックス)」が、2021年5月17日から、12日間にわたり開催される。このイベントのテーマは「UX×テックの社会実装」だ。アメリカからエストニアまで、世界各地のテック企業から招いたスピーカーと、国内のリーダー、起業家、思想家、アーティストとのディスカッションを楽しむことができる。

なお、コンテンツはすべて、主宰企業ビービット(beBit)のCCO(Chief Communication Officer)であり、「L&UX2021」の陣頭指揮者を務める藤井保文氏によって企画された。同氏によると、企画の構想は、自身の著書『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』(2019年/日経BP)、および『アフターデジタル2 UXと自由』(2020年/日経BP)で記された世界観に基づいているという。

「『L&UX2021』は、『アフターデジタル3』といってもいい内容。書籍では伝えられない‟UX型DX”を実践している海外企業の、生の声をお伝えしたいと考えています」。藤井氏はL&UX2021を開催する狙いをこう述べる。

この‟UX型DX”とは、「課題解決のためのUX創造」が目的であり、テクノロジーはその手段であるとする考え方だ。『アフターデジタル』シリーズでも藤井氏は、日本企業のデジタル化の取り組みについて、UXに関する議論が不足している点を指摘している。

そんな藤井氏に、L&UX2021の見所と注目のプログラムを訊いた。

◆  ◆  ◆

——ビービットは、「UXの老舗企業」として知られています。昨今、ビジネスを推進するうえで、なぜUXが重要なのか教えていただけますか?

ビービットは、2000年の創業以来、約20年にわたりクライアントのUX支援を行ってきました。特にここ数年は、その経験やアセットを活かしつつ、企業のDX支援を積極的に進めています。

我々が手がけるビジネスは、大きく分けてふたつです。ひとつは、コンサルティング事業。すでにあるクライアントのサービスに対して、課題抽出から改善を行ったり、あるいは新しいサービスを企画したりします。これに関しては、台湾と上海にもオフィスを構えており、海外事業も積極的に展開しています。もうひとつが、ユーザーグラム(USERGRAM)を展開するSaaS事業。ユーザーグラムは、企業が自らの手で、持続的にUXの改善や企画ができるようになることを目指したサービスです。

昨今のテクノロジーの進化は、生活者のあらゆるデータの取得と、行動の可視化を容易にしました。こうした状況においては、サービスやプロダクトそのものの価値のみならず、それがどのように体験されるか、つまり「体験価値」まで目を向ける必要があります。UXが重要である理由は、そこにあると考えます。

——なるほど。L&UX2021にも当然、そうした思想は込められている?

そうですね。さらにいうと、L&UX2021は『アフターデジタル』シリーズの延長戦上にあります。この2冊は、中国をはじめとしたデジタル先進国をモデルに、モバイルデバイスやセンサーの普及によって、オフライン領域がデジタルにマージされる、そんな世界について記述したものです。この潮流は、日本でも進みつつあります。特に昨今では、コロナ禍の影響でその勢いは加速したといって良いでしょう。

デジタル化の加速それ自体は、日本の生活者に便益をもたらしました。しかし一方、「デジタル化のためのデジタル対応」という、非本質的なDXや、データやテクノロジーの不誠実な利活用の横行を引き起こす懸念があると考えています。実際、残念なことに一部の日本企業からは「これからのビジネスは、データをいかに牛耳るかが勝負だ」といったような声があがっています。

こうした事態を防ぐためにも重要なのが、‟UX型DX”という視点です。これは、「課題解決のためのUXを創造することが最重要事項」であり、テクノロジーやデータはその手段である、という考え方。『アフターデジタル』シリーズで、私が強調したかったことのひとつです。そして、L&UX2021で交わされるあらゆる議論もまた、この視点を念頭に置いたものになります。

——なるほど。つまりL&UX2021は『アフターデジタル』シリーズの続編だと?

はい、『アフターデジタル3』といっても良いかと思います。オーディエンスのみなさんには、書籍では伝えられない‟UX型DX”を実践している海外企業の、生の声をお伝えしたいと考えています。

なお、L&UX2021は5月17日から12日間にわたり、オンラインで開催されます。開催期間中は、イベントのメインコンテンツである対談動画が1日1本配信されるほか、我々がディスカッションパートナーとして選んだ方々と、メインコンテンツを振り返る、ライブ配信を複数回実施します。

これらをセットでご視聴いただくことで、オーディエンスのみなさんには、海外の最先端事例を学びつつ、それを日本国内で展開するとなるとどうかといった部分まで、理解を深めていただければと思っています。世界最先端のUXとDXの議論がひたすら繰り返されつつ、その実効性についても学ことができる、そんなイベントにしたいですね。

——注目のプログラムとスピーカーを教えてください

もちろん、すべてのプログラムがおすすめです。国内のスピーカーの方ですと、Zホールディングス Co-CEO / ヤフー CEOの川邊健太郎氏、経営共創基盤(IGPI)グループ会長の冨山和彦氏をはじめ、さまざまな領域で活躍している方が登場します。ただ、今回特にご覧いただきたいのは、やはり海外スピーカーが登場するコンテンツです。以下、簡単にご紹介しますね。

   

あああ

テンセントのエンヤ・チェン氏

体験価値のマネジメント -プラットフォームにおける包括的な体験管理
5月17日(月) 18:30〜

   

まずおすすめしたいのは、中国のテンセント(Tencent)でHead of UX and User researchを務める、エンヤ・チャン氏が登場するプログラムです。同氏は、2003年にテンセントに入社し、同社初のUXデザイン、およびユーザースタディエンジニアリングの専門職に就任した人物です。

   

またチャン氏は、WeChat(微信)など、膨大なユーザーを持つプロダクトの研究や、中国インターネット人口の基礎研究に携わり、長年にわたる豊富なユーザスタディ経験を持っています。膨大なユーザーを抱えるテンセントのプロダクトのUXを、いかにデザインしてきたのか注目したいですね。

   

Finland MaaS Global CEO サンポ・ヒエタネン / Sampo Hietanen

マース・グローバルのサンポ・ヒエタネン氏

共鳴する世界観 -エコシステムと社会貢献
5月18日(火) 18:00〜

   

続いてピックアップするのは、世界ではじめて「マース(MaaS:Mobility as a Service)」という概念をサービス化したフィンランドの企業、マース・グローバル(MaaS Global)の創設者でありCEOの、サンポ・ヒエタネン氏が登壇するプログラムです。同社が開発・運営するウィム(Whim)は、公共交通機関、タクシー、レンタカーなどをひとつのアプリで簡単に利用できるように統合したサービス。スマートフォンひとつで、さまざまな交通手段を使った旅行の計画や予約、支払いを行うことができます。

   

このプログラムは、個人的に非常におすすめです。というのも、ヒエタネン氏は持続的なエコシステムを構築するうえで、ある提言をしているのですが、それが非常に興味深いんです。同氏によると、エコシステムを構築するには、「人々の生活がこうだったらいい」といったように、抽象化されたイメージ、つまり「ジョイントビジョン」を共有するのが効果的だといいます。逆に、このジョイントビジョンが共有できていないと、エコシステムにさまざまなプレイヤーのエゴが介在してしまい、「エゴシステム」になってしまう。同プログラムでは、こうした刺激的な話が聴けるはずです。

   

あああ

Veriffのヤネー・ゴロホフ氏

個人データと認証の社会活用可能性
5月20日(木) 18:00〜

   

こちらのプログラムには、個人認証プラットフォーム構築を手がけるエストニアのグローバルテック企業、Veriffの共同設立者であり、CPO(chief product officer)を務める、ヤネー・ゴロホフ氏が登場します。

   

エストニアは近年、デジタル化政策を次々と進めており、「デジタル国家」として知られています。このことから、一見すると「Veriffのサービスは、エストニアだからこそ展開可能だったのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし同社のサービスは、世界40カ国に展開しています。それを可能にする考え方は何なのか、このプログラムではそのあたりを探っていきたいと考えています。

   

あああ

ディディのチェン・フェン氏

デジタル×リアルのUXアーキテクチャ
5月21日(金) 18:00〜

   

中国のタクシー配車アプリ、ディディ(DiDi)のHead of Designを務める、チェン・フェン氏が登場するプログラムも注目です。ディディは現在、中国のタクシー配車アプリではトップシェアを誇る企業。フェン氏はそんな同社で、クリエイティブやUXデザインを統括しています。前述したテンセントのエンヤ・チェン氏とこの方は、中国のUX関連イベントではよくキーノートを務めるなど、広く知られています。

   

ゴジェックのアビニット・ティワリ氏

ゴジェックのアビニット・ティワリ氏

人と社会を支えるイノベーションイネーブラー
5月24日(月) 18:00〜

   

次に紹介するのは、東南アジアにおいていわゆる「スーパーアプリ」を展開する、ゴジェック(Gojek)のHead of product designを務める、アビニット・ティワリ氏が登壇するプログラムです。ゴジェックは、ペイメントから移動、デリバリーなどさまざまな領域をカバーしており、インドネシアでは「国民的アプリ」と呼ばれています。

   

あああ

Twitch 前最高執行責任者のケヴィン・リン氏

USデジタルコミュニティの最前線と日本の可能性
5月25日(火) 18:00〜

   

最近、ゲーム実況で日本でも徐々に知名度が高まっている、Twitch(ツイッチ)の共同設立者、前最高執行責任者のケヴィン・リン氏も、登場します。現在同氏は、エンジェル投資やさまざまな企業へのアドバイザリーに取り組んでいます。また、このプログラムにはリン氏のほか、いま注目のアバタープラットフォームを運営する、アメリカのジーニーズ(Genies)CEO、アカッシュ・ニガム氏も登場します。

   

Geniesのアカッシュ・ニガム氏

Geniesのアカッシュ・ニガム氏

   

「メタヴァース(Metaverse)」という言葉をご存知でしょうか。これは仮想空間を意味する言葉なのですが、『フォートナイト(Fortnite)』や『あつまれ どうぶつの森』などの人気に伴い、いま注目されている言葉です。ジーニーズは、まさにそうした仮想空間に関するデジタルアセットを販売しているスタートアップです。このプログラムでは、ゲームをはじめとした仮想空間におけるコミュニティ作りのトレンドと、日本市場の可能性を探ります。

   

——最後に、参加を考えている方々に一言お願いします

スピーカーの方々はみな、社会課題をどう解決するか、もしくは「こんな風になったら、世の中面白くなるよね」という動機から、ビジネスをスタートしています。彼らにとってテクノロジーやデータは、価値を高めるための手段でしかありません。

我々はL&UX2021を通じて、テクノロジーやデータが、人々の抱えている悩みや社会課題を解決するために活用される、そんな世の中の実現に少しでも貢献できればと考えています。

L&UX2021の詳細、申し込みはこちらから

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Written by DIGIDAY Brand STUDIO