60年の歴史がある英国のフットウェアブランド、カートガイガー(Kurt Geiger)の指揮を執って20年、ニール・クリフォード氏は、同社を過去最高の売上高に導くという目標の道半ばにいる。
カートガイガーはすでにインパクトのある大きな変化を起こしている。たとえば、5年前、クリフォード氏はかつてマイケル・コース(Michael Kors)にいたスティーブン・ソウザ氏をカートガイガーの北米進出を指導するために起用しているが、北米市場はいまや英国を上回る売上高を記録している。同社また、他の海外市場へも拡大しており、ドバイを拠点とする店舗は1平方フィート当たりの売上という点ですぐさま最大の成功を収めている。カートガイガーは英国では70店舗を展開している。
店舗に加え、同社はマーケティングへの投資も強化しており、過去2年間続けて専用予算を倍増させた。その戦略の焦点は魅力的なイメージを作り出すことだ。
「金儲けやビジネス戦略(の開発)よりも、クリエイティビティや楽しさ、喜びの方がずっと得意なのが非常に英国らしい点だ」と、クリフォード氏はGlossyポッドキャストの最新エピソードで語った。「でもそれが偶然ではないことは、世界で英国人のクリエイティブディレクターがいるブランドがどれほど多いかを考えてみればわかる」。
新たな資金調達ラウンドのおかげもあって、今後はさらに店舗が増える予定だ。カートガイガーは9月中旬に新しいロンドンの旗艦店をオープンする。その後、10月から5年間で北米に20〜30店舗を展開する計画がある。メキシコの3店舗に続き、来年早々にはフロリダ、南カリフォルニア、ニューヨークに出店する。
そして11月にはメンズ事業への注力を拡大し、商品に焦点を当てた大規模なキャンペーンを計画している。
「私たちはデザインに重点を置く。毎日何時間も、製品とすばらしい価値について話している」とクリフォード氏は語った。「またその手法が、超魅力的で超差別化された破壊的なものに発展することを願っている。我々英国人にはアナーキー精神の血が流れているので、既成概念を破壊するのが好きなのだ」。
以下では、わかりやすく若干編集してポッドキャストで語られたハイライトを紹介する。
60年の歴史がある英国のフットウェアブランド、カートガイガー(Kurt Geiger)の指揮を執って20年、ニール・クリフォード氏は、同社を過去最高の売上高に導くという目標の道半ばにいる。
カートガイガーはすでにインパクトのある大きな変化を起こしている。たとえば、5年前、クリフォード氏はかつてマイケル・コース(Michael Kors)にいたスティーブン・ソウザ氏をカートガイガーの北米進出を指導するために起用しているが、北米市場はいまや英国を上回る売上高を記録している。同社また、他の海外市場へも拡大しており、ドバイを拠点とする店舗は1平方フィート当たりの売上という点ですぐさま最大の成功を収めている。カートガイガーは英国では70店舗を展開している。
店舗に加え、同社はマーケティングへの投資も強化しており、過去2年間続けて専用予算を倍増させた。その戦略の焦点は魅力的なイメージを作り出すことだ。
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「金儲けやビジネス戦略(の開発)よりも、クリエイティビティや楽しさ、喜びの方がずっと得意なのが非常に英国らしい点だ」と、クリフォード氏はGlossyポッドキャストの最新エピソードで語った。「でもそれが偶然ではないことは、世界で英国人のクリエイティブディレクターがいるブランドがどれほど多いかを考えてみればわかる」。
新たな資金調達ラウンドのおかげもあって、今後はさらに店舗が増える予定だ。カートガイガーは9月中旬に新しいロンドンの旗艦店をオープンする。その後、10月から5年間で北米に20〜30店舗を展開する計画がある。メキシコの3店舗に続き、来年早々にはフロリダ、南カリフォルニア、ニューヨークに出店する。
そして11月にはメンズ事業への注力を拡大し、商品に焦点を当てた大規模なキャンペーンを計画している。
「私たちはデザインに重点を置く。毎日何時間も、製品とすばらしい価値について話している」とクリフォード氏は語った。「またその手法が、超魅力的で超差別化された破壊的なものに発展することを願っている。我々英国人にはアナーキー精神の血が流れているので、既成概念を破壊するのが好きなのだ」。
以下では、わかりやすく若干編集してポッドキャストで語られたハイライトを紹介する。
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急成長のバッグ・ビジネス
「現在、会社としては55%がハンドバッグだ。ハンドバッグは急速に成功したが、そこにいたるまで10年かかった。だが、いまでは靴よりもハンドバッグのほうが売れている。53年間、私たちは靴の会社だったし、それに誇りを持っている。私たちは靴を愛している。だが、ハンドバッグに関しては、価格とデザインにすばらしい雰囲気を見出しており、まさに想像を絶するほどの成功を収めている。(この時点で)到達するだろうと思っていた位置よりも3年先に進んでいる。拡張する能力という意味では、私たちのブランドは、色彩、そして陽気でエネルギッシュでマキシマリズムの創造性がすべてであり、無限の順応性を有している」。
米国におけるブランドの存在感の成長
「北米では、いまではノードストローム(Nordstrom)、ブルーミングデールズ(Bloomingdale’s)、ディラーズ(Dillard’s)など、多くのショップ・イン・ショップを展開しており、北米における400の(小売)店舗で販売している。店舗は大好きだ。だからといってデジタルを無視しているとは思わないでほしい。売上の30%はデジタル販売だが、店舗をとても気に入っている。百貨店もすばらしいね。消費者の目の前に物理的にブランドを提示し、すぐれたサービスを提供すること以上に勝るものはない。3つの(小売)パートナーがいなければ、私たちはどこにも存在しなかったはずだ。したがって、パートナーの助けとサポートにはとても感謝している。また実際にパートナーは私たちに対して、『ブランドを大々的に紹介するなら、北米にいくつかすばらしい実店舗があったら本当にいいだろうね』と言っている。というのも、当社の成功は製品デザインと価格設定にあり、ブランドの認知度とはあまり関係がないからだ。ブランド認知度に関しては、毎週Googleの小さなグラフを見ているが、正しい方向に上がってはいる。だが、あるべき場所にはほど遠い」。
プライベート・エクイティの特典
「当社は2005年7月4日に独立した。実はこの会社はハロッズ・グループ(Harrods Group)の一部だった。だが、バークレイズ・プライベート・エクイティ(Barclays Private Equity)というプライベート・エクイティの支援を受けて独立した。プライベート・エクイティについてひとつ言うなら、私たちはプライベート・エクイティを敬愛している。頭のいい人たちに囲まれているのは本当に助けになるからだ。プライベート・エクイティは過小評価されている。たとえば、当社の現在のオーナーであるシンヴェン(Cinven)は、パンデミックの非常に困難な時期を通して多大な支援をしてくれた。英国では、小売店舗が270日間近く閉鎖されるという、長期にわたるひどいロックダウンがあったが、(シンヴェンは)こんなことを言って私たちに自信を与えてくれた。『この先も大丈夫だ、金が必要なら心配するな。金はやる。危機をよいチャンスとして無駄にするな。やりたかったことをすべてやれ』。(そのやりたかったことには)貧弱な流通の閉鎖、ある程度までのプロモーションのスタンスの変更、物理的な場所や店舗デザインの刷新、必要のない分野の削減などがあった。パンデミックは非常に困難なことだったので受け入れ難い。ただしパンデミックのおかげで、会社はさらによい状態にある。とはいえ、もちろん二度と同じことはごめんだ。しかしシンヴェンのサポートがなければ、あのようなことがすべてできたかどうかはわからない。だからこそ、私たちはプライベート・エクイティを敬愛している。それは賢い人々に囲まれて日々学ぶ場なのだ」。
[原文:Kurt Geiger CEO Neil Clifford: Private equity is ‘underrated’]
JILL MANOFF(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)