CBD(カンナビジオール)がビューティ業界のメインストリームに浸透するなか、女優クリスティン・ベルの新しいボディケアブランド、ハッピーダンス(Happy Dance)が3月上旬、アルタ・ビューティ(Ulta Beauty)で小売店デビューした。
CBD(カンナビジオール)がビューティ業界のメインストリームに浸透するなか、女優クリスティン・ベルの新しいボディケアブランド、ハッピーダンス(Happy Dance)が3月上旬、アルタ・ビューティ(Ulta Beauty)で小売店デビューした。
ハッピーダンスはカラフルなモチーフが特徴のCBDブランドだ。その同ブランドが3月5日にUlta.com、そして3月7日には101店のアルタ実店舗で発売開始された。新進気鋭ブランドを取り扱うアルタのプログラム、スパークド(Sparked)の一環として、該当するアルタ店内のスパークド用展示において紹介され、3月15日には550店舗への拡張が開始される。ハッピーダンスは10月にD2C販売のみの形で発表されたが、ビューティ小売店がCBDをますます受け入れるようになるなか、アルタが最初の店舗パートナーとなる。
ハッピーダンスがロード・ジョーンズ(Lord Jones:高級志向ビューティ・ウェルネスCBDブランド)およびクリスティン・ベルによるものだということが「非常に響いた」と、両ブランドのゼネラル・マネージャーであるサマー・フレイン氏は言う。ハッピーダンスとロード・ジョーンズはどちらも、カナダの大麻企業クロノス・グループ(Cronos Group)傘下だ。このことから、フレイン氏は「我々は自分たちがほかのCBDブランドとは違うと感じることができた」と語る。加えて、ハッピーダンスの15ドルから30ドル(約1600円から約3200円)という手頃な価格帯は、「アルタの消費者にとって良いことであり、アルタの消費者基盤の観点からもメリットがある」と彼女は言った。「彼らは忙しい母親のライフスタイルへ簡単に組み込めるブランドと製品を求めていた」。
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CBDにまつわる悪いイメージを払拭
このブランドのマーケティングは、母親層に対してCBDにまつわる悪いイメージを払拭し、CBDを日常的なものとして認知してもらうことに焦点を当てている。ベルが出演するコマーシャル動画ではオーディエンスに対して、「(CBD製品を使っても)ハイにはなりません」と伝えているが、このようなユーモアのあるコンテンツを使ってプロダクトをより消費者に身近に感じてもらおうとしている。(母親層)はCBD市場にとって収益性の高いターゲット市場だ。大麻産業に焦点を当てた広告およびデータソリューションのプロバイダーであるサーフサイド(Surfside)の2020年のデータによると、CBD消費者の59%は女性が占めている。
セルフケアは同ブランドのメッセージのもうひとつの重要な要素である。CBDブランドたちがストレス解消に重点を置いているため、母親は女性向けブランドの主要な焦点として認識されている。最近メディアでもよく取り上げられているように、パンデミックにおいて母親たちに伸し掛かる負担とプレッシャーは大きくなっており、CBDプロダクトの需要も増幅されている。CBDブランドは母親層の価値を認識しており、母の日は同業界にとって重要なマーケティング対象の休日となっている。ベルは、ウォルマートで販売されているベビーケアブランド「ハロー・ベロ(Hello Bello)」を持っており、それを通じて母親向けマーケティングを経験している。
「クリスティン(・ベル)はこのアクセシビリティ(手に入りやすさ、手軽さ)というアイデアを推し進めたいと思っている。彼女自身が忙しい母親で、ブランドにもそれを反映させたいと思っている。そして「母親マーケティング」がしばしば陥ってしまうような、誤った(母親であることの)現実ではなく、本当の現実をブランドに反映させたいと思っている」と、フレイン氏は言う。
アルタでハッピーダンスをローンチさせることで、このオーディエンスのあいだでブランド認知を得ることができる。「ハッピーダンスを実現させるにあたり、(母親層の)消費者にとって確実に身近に感じられるようにしたかった。アルタは私たちにその機会を与えてくれた」と、フレイン氏は言う。
大手小売店はいまだCBDに消極的
大手小売店がCBDに消極的である一方で、ビューティ小売店はこの1年で品ぞろえを広げている。ロード・ジョーンズは2019年7月に、セフォラでローンチした最初のCBDブランドとなり、このことで「ほかの小売パートナーがこの分野に参入することへのためらいを減らした」とフレイン氏は言う。その後セフォラは幅広いCBD製品を追加し、昨年「クリーンな」CBDに関する基準を発表した。アルタはトゥルーリー(Truly)、ヘンプズ(Hempz)、パシフィカ(Pacifica)、エルフ(E.l.f.)、カヌカ(Cannuka)などのブランドからのCBD製品を提供しているが、そこにハッピーダンスが加わる形となる。
このローンチは、ベルのインスタグラム上のソーシャルキャンペーンで取り上げられた。人気女優であるベルの人気を活用することでオンライン上で「大きな成功を収めた」と、フレイン氏は語った。ベルが抱える1460万人のインスタグラムフォロワーにブランドを宣伝する日には、サイト・トラフィックが3倍になる。
アルタのプログラム、スパークドに参加することで、同ブランドの認知度をさらに高めることができる。オンラインにおけるアルタのスパークドのページ、そして実店舗における主要ロケーションで目立って取り扱われるブランドは四半期につき4ブランドに限られている。
ハッピーダンスの明るい色とブランディングは同ブランドの存在を際立たせ、「CBD(業界におけるプロダクト)の類似性を打ち破る」と、フレイン氏は述べだ。さらに同氏は、CBDブランディングはしばしば「大麻愛好家に向けたアプローチと医学的アプローチ」に頼っていることを指摘。また、ブランドが小売業者に受け入れられるためには、品質保証は強力なセールスポイントでもあるという。
何百ものCBDブランドが市場に参入しているなか、「良質ブランドが認識され始めている気がする」とフレイン氏は言う。
[原文:Kristen Bell’s CBD brand Happy Dance set to launch at Ulta]
LIZ FLORA(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)