百貨店コールズ(Kohl’s)のCMO(最高マーケティング責任者)であるクリスティー・レイモンド氏は、コールズのロイヤルティプログラム「コールズリワーズ(Kohl’s Rewards)」は、同社の価値提案をする上での「真の礎石」だと語る。
コールズリワーズが発表されたのは2020年で、同社が長期の戦略的成長計画を発表したのとほぼ同時期だ。昨年、競合他社がロイヤルティプログラムの特典を強化したなか、同社もコールズリワーズプロクラムを更新し、カード会員に対して、購入ごとの還元率を従来の5%から7.5%に変更し、パーソナライズされたお得情報や、誕生日ギフトなどを提供するようにした。
コールズのロイヤルティプログラムの歴史は長く、なかでもコールズキャッシュ(Kohl’s Cash)はカルト的人気を集めてきた。ロイヤルティプログラムの会員は、一般的に小売業者にとってもっとも貴重な顧客だ。それには十分な理由がある。同社は現在、3000万人を大きく超えるロイヤルティプログラムの会員を抱えており、リワード会員は特典を強化して以来、非会員よりも消費額が増えているという。
同社にとって、ロイヤルティの高い顧客を獲得することは、これまでにも増して重要になってきている。第1四半期の決算発表で、同社の純売上高は前年同期比3.3%減の34億ドル(約4900億円)で、既存店売上高も4.3%減少した。同社は最近、主導権を握ろうとするアクティビストの投資家からの圧力に直面しており、売却を検討するまでになっている。同社の新CEOであるトム・キングスベリー氏は、在庫を減らすために大幅割引に依存する傾向を減らす努力を続けている。
レイモンド氏は、コールズのロイヤルティプログラムと、ロイヤルティの高い顧客を引きつけるための取り組みについて、米モダンリテールに語った。以下の対談内容は、簡潔でわかりやすくするために編集を加えたものだ。
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百貨店コールズ(Kohl’s)のCMO(最高マーケティング責任者)であるクリスティー・レイモンド氏は、コールズのロイヤルティプログラム「コールズリワーズ(Kohl’s Rewards)」は、同社の価値提案をする上での「真の礎石」だと語る。
コールズリワーズが発表されたのは2020年で、同社が長期の戦略的成長計画を発表したのとほぼ同時期だ。昨年、競合他社がロイヤルティプログラムの特典を強化したなか、同社もコールズリワーズプロクラムを更新し、カード会員に対して、購入ごとの還元率を従来の5%から7.5%に変更し、パーソナライズされたお得情報や、誕生日ギフトなどを提供するようにした。
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コールズのロイヤルティプログラムの歴史は長く、なかでもコールズキャッシュ(Kohl’s Cash)はカルト的人気を集めてきた。ロイヤルティプログラムの会員は、一般的に小売業者にとってもっとも貴重な顧客だ。それには十分な理由がある。同社は現在、3000万人を大きく超えるロイヤルティプログラムの会員を抱えており、リワード会員は特典を強化して以来、非会員よりも消費額が増えているという。
同社にとって、ロイヤルティの高い顧客を獲得することは、これまでにも増して重要になってきている。第1四半期の決算発表で、同社の純売上高は前年同期比3.3%減の34億ドル(約4900億円)で、既存店売上高も4.3%減少した。同社は最近、主導権を握ろうとするアクティビストの投資家からの圧力に直面しており、売却を検討するまでになっている。同社の新CEOであるトム・キングスベリー氏は、在庫を減らすために大幅割引に依存する傾向を減らす努力を続けている。
レイモンド氏は、コールズのロイヤルティプログラムと、ロイヤルティの高い顧客を引きつけるための取り組みについて、米モダンリテールに語った。以下の対談内容は、簡潔でわかりやすくするために編集を加えたものだ。
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――このような特典を追加し、プログラムを更新したコールズの目標は何か?
顧客に価値を提供することが中心だ。顧客にとってこれを有益なものにしたいのだ。そしてコールズからの観点からは、顧客をリテンションを促し、顧客からの信頼を高めたいと思っている。我々は、顧客がほかのどの商品・サービスよりもコールズを選んでもらいたい。我々のロイヤルティプログラムは、そのために非常に重要な部分であると考えている。
――昨年プログラムを更新して以来、これまでにどのような成果が得られたか?
会員登録の人数が増加した。そして、リワードの減少が増えるなかでもエンゲージメントは増加した。モニタリングしているあらゆるKPI(重要業績評価指標)はすべて順調に進展している。
我々はあらゆる人々と同様に、状況を監視している。そして、常に消費者と語り合い、消費者が価値を求めていることを知っている。その価値は、消費者にとってさまざまなものを意味しているが、ロイヤルティプログラムがその重要な部分であると理解している。
消費者はさまざまなロイヤルティプログラムに登録しており、その利点を理解している。そのため、消費者がコールズで買い物をすることで、そこから何かを得られていると感じてもらうことが本当に重要なのだ。
――このプログラムを通じて顧客から得られた知識を、会社の成長を促進させるためにどのように活用するのか?
我々は、「シンプルにすること」が重要であることを理解している。そのため、包括的な価値提案に目を向け、どうすれば顧客がシンプルかつ簡単に買い物できるようになるかを真剣に考えている。
たとえば、セフォラ(Sephora)には、我々と同じように極めて強力なロイヤルティプログラムがある。我々はセフォラと提携する際、両社に共通の価値提案が存在し、買い物客が両方のプログラムから確実に利益を得られるようにしたいと考えた。
――現在の経済環境によって、最近では人々の買い物方法も変化してきた。コールズでは、買い物についてどのような行動が見られたか?
顧客と話したり、多くのパートナー企業と話したりするだけでも、顧客は比較をしながら買い物することが多いというのがわかる。また、顧客のカスタマージャーニーを観察していても、そのような行動が見られる。
店舗でも大きな変化が見られた。パンデミックから解放された頃、デジタル化が非常に好調だったことを我々は知っている。現在は、消費者が店舗を訪れることを望む傾向が見られる。
そして、今日の消費者にとって、「汎用性」が高いということは非常に重要な条件だ。消費者はアパレル商品を購入するとき、1回着るごとのコストを頭の中で計算している。
――ロイヤルティプログラム以外に、ロイヤルティの高い顧客を増やすために、どのような取り組みを行っているか?
我々が非常に重視しているのは、「体験」だ。デジタルと店頭の両方で、消費者の体験を向上させることに注力している。
マーケティングの観点から、我々はできる限り顧客に寄り添うことに力を注いでいる。消費者と、消費者にとって何が重要なのかを理解するために多くの時間を費やし、それらすべてのコンテキストをしっかり念頭に置いて消費者と対話するよう、自社のマーケティングを調整している。我々は、新しく若い層の顧客や、より多様な顧客を取り込むことにも情熱を注いでいる。
[原文:Kohl’s CMO on the company’s quest to bring in more loyal customers]
Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Kohl’s