モバイル界の大御所キム・カーダシアンとその姉妹たちはいま、議論の的となっている。インスタグラム上で誤解を招くマーケティングをしたとして、非営利団体「広告の真実(Truth in Advertising)」が、彼女たちを名指しで批判したのだ。
姉妹たちはインスタグラム上で、特定の会社やプロダクトをプロモーションするようなポストをするが、「広告の真実」によると、「プロモーションされている会社とどういった関係にあるのかが明らかではない」ポストが、全員それぞれ100件ほどあったという。連邦法ではスポンサー関係は明記しなければいけないというルールが定められている。
モバイル界の大御所キム・カーダシアンとその姉妹たちはいま、議論の的となっている。インスタグラム上で誤解を招くマーケティングをしたとして、非営利団体「広告の真実(Truth in Advertising)」が、彼女たちを名指しで批判したのだ。
これは4人の調査チームによって、キム、クロエ、そしてコートニー・カーダシアン、カイリーとケンダル・ジェンナーのインスタグラムアカウントをリサーチした結果だという。1人につき500以上のポストを調べたのだそうだ。
姉妹たちはインスタグラム上で、特定の会社やプロダクトをプロモーションするようなポストをするが、「広告の真実」によると、「プロモーションされている会社とどういった関係にあるのかが明らかではない」ポストが、全員それぞれ100件ほどあったという。連邦法ではスポンサー関係は明記しなければいけないというルールが定められている。
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3文字を入れるだけでいい
「広告の真実」のエグゼクティブディレクターであるボニー・パッテン氏によると、団体はカーダシアン一家に公式な通達を送った。「彼らは画像のキャプションに#ad(広告)という3文字をただ入れるだけでいい。何千万人ものフォロワーを抱える彼女たちが、法律を守ることを願う」と、パッテン氏は語る。
たとえば、キム・カーダシアンはこの4月から6月にかけて少なくとも5回、ジェイ・Zによるプライベート・ジェット予約アプリである「ジェットスマーター(JetSmarter)」をプロモートしている。「@letsjetsmarterアプリに本当にハマっちゃった! 私もメンバーだし、旅行の仕方はすっかり変わっちゃった! アプリをダウンロードしてね!」と書かれた、彼女のインスタグラム上のポストには、スポンサードコンテンツの明記がされていない。米DIGIDAYは詳細についてジェットスマーターに尋ねたが、返信はなかった。
ジェットスマーター以外にも、「広告の真実」の公式通達にはカーダシアンたちに金銭を支払っている疑いがあるブランドとしてプーマ(Puma)、カルバン・クライン(Calvin Klein)、エスティローダー(Estée Lauder)といった26社をリストに載せている。
周辺関係者による意見
「これはブランドにとっても、お金の使い方、使う場所について目を覚ます大きなキッカケだ。お金を払ってポストしてもらうというやり方だと、セレブリティとブランドのあいだで、『まず関係性を育む』ということができない点で良くない」と、エージェンシーであるRQメディアグループのCEO兼ファウンダー、ブライアン・ザルツマン氏は述べる。「インフルエンサーマーケティングは根本的にもう崩壊している。戦略的なマーケティングではなく、短期のKPIツールとなっている」。
インフルエンサーマーケティングのプラットフォームであるシースピークス(SheSpeaks)のCEOであるアリサ・フロイド氏によると、カーダシアンたちがインフルエンサーマーケティング業界全体を代表しているわけではないと強調する。
「すごく残念なことだ。彼らは自分たちがリアリティTVでやっていることの延長線上として、ソーシャルを扱っているから、こういうことになるのだと思う。全体としては、インフルエンサーたちは連邦取引委員会によるエンドースメント(Endorsement)ガイドラインを順守したいと思っている。しかし、何をどうやって明らかにすべきかという点において、ガイダンスがクリアではないことが問題だ」。
業界のスタンダードがない
連邦取引委員会は、ソーシャルフォロワーたちが「インフルエンサーとブランドの関係について知っている必要がある」と規定している。シースピークスが347人のインフルエンサーに対して行った2016年の調査によると、そのうち328人が、ブランドから金銭を受け取ってブログを書いたり、コメントを載せたりしていることについて、フォロワーたちに通常は伝えていると返答した。
企業との契約関係を明らかにするために、多くのインフルエンサーたちは#adや#sponsoredcontentといったハッシュタグを追記している。しかし、シースピークスのフロイド氏は、それで十分だとは考えていない。「現時点では業界のスタンダードというのが存在していない。情報公開に関して何が適切であるか、5人に聞いたら5つの異なる回答が返ってくるだろう」。
もちろん、インスタグラム上でのエンドースメントで批判を受けるのは、カーダシアンたちがはじめてではない。スーパーモデルのナオミ・キャンベルやリアリティTVのスターであるスコット・ディシックは、ブランドから受け取った指示メールを、そのまま全文コピー&ペーストしてポストを行い、話題となった。
In which Scott Disick copied and pasted the email from the skinny tea marketing team onto his Instagram caption pic.twitter.com/ocVdxi4jaZ
— its me frankie (@frankiegreek) 2016年5月19日
こちら、東部標準時午後4時に、下記の文章を書いて下さい:
キャプション:オレの夏のルーチン・ワークアウトは、この@booteaukのプロテイン・シェイクで切り抜ける!
マーケティングチームのeメール全文をそのままインスタグラムのキャプションに貼り付けちゃったスコット・ディシック
なお、「コスモポリタン」による23日の記事では、本件に関してすでに姉妹たちは対応に追われているとのこと。ちなみにキム・カーダシアンは、昨年夏にもつわりの薬「Diclegis」におけるステマで話題となった。そのときも、素直に訂正に応じていたという。
Yuyu Chen(原文 / 訳:塚本 紺)