BEAUTY

花王USA 、新パーソナルケアブランドで認知向上を目指す

花王は、パーソナルケアブランドとなる「マイキレイバイカオウ(MyKirei by KAO)」を通じて、米国の消費者へのアプローチを強化している。

モルトンブラウン(Molton Brown)、ビオレ(Bioré)、ジャーゲンズ(Jergens)、ジョン・フリーダ(John Frieda)、オリベ(Oribe)など多数のブランドを抱える花王は、マイキレイバイカオウを昨年4月にAmazonで販売開始した。初の米国向けブランドであるマイキレイバイカオウには、ハンドソープ、シャンプー、コンディショナーが用意されており、それぞれの価格は18ドル(約1976円)となっている。また、学校向けの新しいキャンペーン「ヘルシー・ハンズ(Healthy Hands)」を通じて、手の正しい洗い方を全米の学童に教えることを計画。花王は2009年よりアジアで、約13万人の子どもたちに手洗い教育を実施している。米国のプログラムに参加できるのはニューヨーク、ロサンゼルス、アトランタ、ダラスなどの都市の、対面授業を週2日以上行っている学校だ。

「マイキレイバイカオウは米国市場に向けた、(花王にとって)まったくの新しいブランドだ。我々の目的は、消費者の使い方を理解すること、そしてそれに基づいた事業転換でブランドを拡大していくこと。近い将来に米国でD2Cを開始する予定で、戦略的なリテールパートナーを探している」と、花王USAのビジネス成長および国際担当バイスプレジデント、ジョン・サリバン氏は語る。

花王のESGを象徴する存在

サリバン氏によると、花王は2019年に発表したESG(環境、社会、ガバナンス)戦略を、マイキレイバイカオウなど傘下のブランドによって体現しようとしているという。ESG戦略の19の重点取り組みテーマのなかでは「ゼロ・ウェイスト(Zero waste:ごみゼロ)」と「責任ある原材料調達」を2030年までに達成するというコミットメントを掲げている。日本語の「綺麗」をブランド名に含めたマイキレイバイカオウは、花王のESGを象徴する存在だ。同ブランドの売上は、最初の12カ月で約100万ドル(約1.1億円)に達すると見込まれるという。

マイキレイバイカオウの戦略だけが、花王の事業開発ではない。今年1月1日付けで社長が交代し、デジタルテクノロジーへの投資を優先する経営へと舵を切った。同社の北米・中南米での化粧品分野の2020年の売上(モルトンブラウンやキュレル[Curel]を含む)は、2019年と比べると6.3%減。一方でスキンケア事業は同時期に1.3%減であったことが、2020年12月期の財務データによって明らかにされた。北米・中南米の売上は花王全体の9%を占めているが、同地域の成長予測は公表されていない。WWDのデータによると、花王は世界で10番目に大きな化粧品メーカーだ。2月には花王USAが、くせ毛専用のヘアケア製品ライン「ワカティ(Wakati)」を発売した。

イプソス(Ipsos)のクライアント・プログラム・マネージャー、チャーリー・バラード氏は次のように述べる。「ビジネスを刷新して再構築し、イノベーションや企業買収によって収益性の高い分野や製品ラインに移行しようとしている日用消費財メーカーは、いくつもある」。

花の形の泡が大きな話題に

マイキレイバイカオウは人々の意識を高めてESDの目標を達成するため、「ヘルシー・ハンズ」キャンペーンに重点を置く。花王USAでは、子どもたちに手の洗い方を学んでもらうための歌を制作した。3~5月にプログラムに参加した子どもたちには、同ブランドのハンドソープ「ユズ・フラワー・フォーム・ハンドウォッシュ(Yuzu Flower Foam Hand Wash)」が1本贈られる。このハンドソープのボトルは詰め替え可能で、手で押すと泡が花の形になって出てくることが大きな話題となった。花王USAとテラサイクル(TerraCycle)は、リフィルをもっとも多く使った学校を表彰するリサイクルコンテストを開催予定で、トップ3校には最大5000ドル(約55万円)の賞金や、リサイクルされた容器で作られた学校用の花壇などが贈られる。

「花王という企業や、我々の代表ともいえるブランドの名前が、西洋の一般消費者にもっと広く知られることを目指している」と、サリバン氏は締めくくる。「これを花王ならではの方法で実施していきたい、そして販売戦略や製品ポートフォリオを差別化しながら、我々のブランドの存在意義を伝えられる方法で実施していきたいと考えている」。

[原文:With new personal care brand, Kao Corp. aims for name recognition in the US

EMMA SANDLER(翻訳:田崎亮子/編集:長田真)