日本アドバタイザーズ協会(JAA)、日本広告業協会(JAAA)、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の広告関係3団体は12月1日、デジタル広告の品質を第三者認証する機構「JICDAQ(ジックダック)」の設立を決定した。それにあわせて、「JICDAQ 宣言」というステートメントを発表している。
コロナ禍のなかでも、日本のデジタル広告健全化の歩みは、着実に進んでいる。
日本アドバタイザーズ協会(JAA)、日本広告業協会(JAAA)、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の広告関係3団体は12月1日、デジタル広告の品質を第三者認証する機構「JICDAQ(ジックダック)」の設立を決定した。それにあわせて、「JICDAQ宣言」というステートメントを発表している。
JICDAQ設立の主な目的は、JICDAQ宣言によると、「デジタル広告市場における品質課題を解決すること」。それにより、デジタル広告が健全に発展し、企業にとっても社会にとっても有益なものになることを目指していくという。
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なお、JICDAQの正式名称は、「一般社団法人 デジタル広告品質認証機構(Japan Joint Industry Committee for Digital Advertising Quality & Qualify)」である。2021年春に設立を予定しているようだ。
JICDAQにおける具体的な活動
JICDAQの具体的な活動としては、「アドフラウドを含む無効配信の除外」と「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保」に関わる業務プロセスの監査基準の制定を挙げている。さらに、それに沿った業務を適切に行っている事業者を認証し、社名を公開していくようだ。また、理念に賛同するアドバタイザー(広告主)の社名も公開し、ともに広告品質の向上を目指していく。
ちなみに、JAAの常務理事を務める、資生堂ジャパン メディア戦略部エグゼクティブマネージャーの小出誠氏によると、認証を受ける事業者とは、電通・博報堂・サイバーエージェントなどの「広告会社」、Twitter・スマートニュースなどの「デジタルメディア企業」、Google・Yahoo!・楽天などの「デジタルテクノロジー企業」のことを指す。これらの事業者は、登録料を支払い、第三者による監査などを通したうえで、JICDAQに認証されるという。
一方、アドバタイザーの方は、この枠組に賛同の意思表示すれば、無料で登録できる。そのようにJICDAQに登録したアドバタイザーたちは、第三者機関のお墨付きのあるJICDAQの事業者を優先的に利用するはずだ。
「アドバタイザー宣言」を受けて
この動きの背景には、JAAが昨年11月26日に発表した、「デジタル広告の課題に対するアドバタイザー宣言」の存在がある。この「アドバタイザー宣言」発表に先駆けて小出氏は、「残念ながら現在のデジタル広告業界は玉石混合の状態だが、ステートメントに則っている企業を認証するような基準の設置やプロセス検証などを行う予定だ。きちんとデジタル広告と向き合っているパブリッシャーやエージェンシーが利益を上げられ、悪い部分は淘汰されていく状態を実現したい」と、DIGIDAY+のイベントで語っていた。
アドバタイザーのこうした想いに呼応し、JAA、JAAA、JIAAの広告関係3団体では、今年の2月27日に「デジタル広告の課題解決に向けた共同宣言」を発表。それ以降、同3団体がより具体的に協働して、デジタル広告の品質課題解決に向けた活動をさらに推進することを宣言している。今回の発表は、それが具体的に実を結びつつあることを証明しているといえるだろう。
※記事公開後、タイトルの一部を更新しました。
Written by 長田真
Illustration from Shutterstock