JAA 、デジタル時代の「アドバタイザーの姿勢」を明文化:8項目のステートメントを発表

デジタルの力はさまざまな分野において、「平等な関係」をもたらした。広告業界もそれは例外ではないようだ。

日本アドバタイザーズ協会(JAA)は11月26日、「デジタル広告の課題に対するアドバタイザー宣言」を発表した。本宣言では、デジタル広告の著しい成長の陰で顕在化してきた課題ついて、アドバタイザーとすべてのパートナーが取るべき原則がまとめられている。

WFAの宣言をアレンジ

JAAの常務理事を務める、資生堂ジャパン・メディア統括部エグゼクティブマネージャーの小出誠氏は7月31日、DIGIDAY+の会員向けイベント「2020年に向けた、デジタル広告の新基準」に登壇。当時、策定に励んでいた、この「デジタル広告の課題に対するアドバタイザー宣言」について、さまざまな思いを語ってくれていた。そこでの同氏の発言によると、今回の宣言は、世界最大の広告主団体WFA(World Federation of Advertisers/世界広告主連盟)が2018年5月に発表した8項目からなるステートメント「グローバル・メディア・チャーター(Global Media Charter)」を、日本の業界向けにアレンジしたものだという。

「(『デジタル広告の課題に対するアドバタイザー宣言』は、)グローバル・メディア・チャーターの8項目に広告主の倫理という項目も加えたものになる」と、小出氏はDIGIDAY+のイベントで説明。「さらにステートメントを発表しただけにとどまらない枠組みも2020年には確立していきたい」。

JAAによる「デジタル広告の課題に対するアドバタイザー宣言」で掲げられた原則は、以下の8つとなっている。

  1. アドフラウドへの断固たる対応
  2. 厳格なブランドセーフティの担保
  3. 高いビューアビリティの確保
  4. 第三者によるメディアの検証と測定の推奨
  5. サプライチェーンの透明化
  6. ウォールドガーデンへの対応
  7. データの透明性の向上
  8. ユーザーエクスペリエンスの向上

業界全体で課題解決に

JAAの「デジタル広告の課題に対するアドバタイザー宣言」において特徴的なところは、「パートナーに求めること」だけでなく、「アドバタイザーが取るべき姿勢」も併記されているところだ。従来、受注・発注の関係では、発注側の要求だけがフィーチャーされがちだが、本宣言ではあえてそこを深く歩み寄った姿勢が感じられる。

「残念ながら現在のデジタル広告業界は玉石混合の状態だが、(今後)ステートメントに則っている企業を認証するような基準の設置やプロセス検証などを行う予定だ」と、小出氏はDIGIDAY+のイベントで語っている。「(認証基準の設置やプロセス検証によって、)きちんとデジタル広告と向き合っているパブリッシャーやエージェンシーが利益を上げられ、悪い部分は淘汰されていく状態を実現したい」。

Written by 長田真