ライトエイド(Rite Aid)の連邦倒産法11章申請の結果は今後数週間で決着するが、ベンダーたちはドラッグストアのチェーンである同社との契約がどのような影響を受けるか、報告を待っている。
ライトエイドの10月15日の申請には、合計86億ドル(約1兆2900億円)の負債と、76億ドル(約1兆1400億円)の資産が記載され、これには同社で商品を販売する企業に対する未払いの負債も含まれている。このような債権者として、CVSやクローガー(Kroger)などの小売業者や、フリトレー(Frito-Lay)、ペプシ(Pepsi)、リンツ(Lindt)などの大手食品会社が含まれ、ライトエイドに対して数百万ドルもの債権を保有している。和解を承認するかどうかの聴聞会は10月26日、ニュージャージーの米国破産裁判所で行われた。ライトエイドでは事業の再構築が進められているが、現在の会計年度における損失が、来春までに6億8000万ドル(約1020億円)に達すると予測しており、事態が好転すまでには多少の時間を要すると思われる。
現時点で、ライトエイドは全国で少なくとも150の店舗を閉鎖することを計画しており、そのなかにはカリフォルニア、ニューヨーク、そしてライトエイドの発祥したペンシルバニアなど主要拠点にある数十店舗も含まれる。2021年から、すでに200店舗以上が閉鎖されており、一部の報道では今後数カ月に最大500の店舗が閉鎖される可能性があるとしている。最新の展開では、ライトエイドで販売を行っているブランド、特に小規模の新興企業で多くの混乱が起きる可能性が高い。米モダンリテールの取材に応じた小売ブランドの経営幹部によると、これまでのところ、ライトエイドから注文の変更は行われていない。しかし、これらの企業はライトエイドを経由する在庫の流通に関する決定を行う前に、状況を注視しており、すでに破産の可能性に備えていた。続きを読む
この記事は、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。
ライトエイド(Rite Aid)の連邦倒産法11章申請の結果は今後数週間で決着するが、ベンダーたちはドラッグストアのチェーンである同社との契約がどのような影響を受けるか、報告を待っている。
ライトエイドの10月15日の申請には、合計86億ドル(約1兆2900億円)の負債と、76億ドル(約1兆1400億円)の資産が記載され、これには同社で商品を販売する企業に対する未払いの負債も含まれている。このような債権者として、CVSやクローガー(Kroger)などの小売業者や、フリトレー(Frito-Lay)、ペプシ(Pepsi)、リンツ(Lindt)などの大手食品会社が含まれ、ライトエイドに対して数百万ドルもの債権を保有している。和解を承認するかどうかの聴聞会は10月26日、ニュージャージーの米国破産裁判所で行われた。ライトエイドでは事業の再構築が進められているが、現在の会計年度における損失が、来春までに6億8000万ドル(約1020億円)に達すると予測しており、事態が好転すまでには多少の時間を要すると思われる。
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現時点で、ライトエイドは全国で少なくとも150の店舗を閉鎖することを計画しており、そのなかにはカリフォルニア、ニューヨーク、そしてライトエイドの発祥したペンシルバニアなど主要拠点にある数十店舗も含まれる。2021年から、すでに200店舗以上が閉鎖されており、一部の報道では今後数カ月に最大500の店舗が閉鎖される可能性があるとしている。最新の展開では、ライトエイドで販売を行っているブランド、特に小規模の新興企業で多くの混乱が起きる可能性が高い。米モダンリテールの取材に応じた小売ブランドの経営幹部によると、これまでのところ、ライトエイドから注文の変更は行われていない。しかし、これらの企業はライトエイドを経由する在庫の流通に関する決定を行う前に、状況を注視しており、すでに破産の可能性に備えていた。
多数のベンダーが関与
この数年間で、ライトエイドの最大の競合他社であるウォルグリーン(Walgreens)やCVSは、店舗が健康とウェルネスのために特化した場所となることに焦点を移してきた。ライトエイドもまた、薬剤師をより重視して店舗の改装やリブランディングを試みてきたが、オピオイドについての訴訟に関する損失に悩まされてきた。現時点で、ライトエイドは薬局事業と小売事業の再編に主眼を置いている。しかし、事態の進展によっては、この破産がライトエイドを介して販売することを各ブランドがどの程度望むかに、長期的な影響を及ぼす可能性がある。
ニューヨークのA.Y.ストラウス(A.Y. Strauss)で破産と再構築のパートナーをしているエリック・ホーン氏は、ライトエイドが今後どれだけ運営を行えるかは、資産がどのように売却されるかにかかっていると、米モダンリテールに語った。「現在のところ、薬局ビジネスのエリクサー(Elixir)について、当て馬入札が行われている」と、同氏は説明する。ライトエイドは10月15日、エリクサーをメドインパクトヘルスケアシステムズ(MedImpact Healthcare Systems)に売却する計画を発表した。ビジネスの2つ目のセグメントは小売側で、こちらにはまだ当て馬入札は行われていない。「しかし、法廷はこの資産クラスについて入札手順を承諾した」。
消費者ブランドの債権者に対する未解決の負債については、ライトエイドの34億5000万ドル(約5180億円)のDIP(占有債務者)ファイナンスのうち、どれだけの部分が「通常の事業過程の支払いに使用可能か」に帰着すると、ホーン氏は述べている。
「ライトエイドは極めて多様な在庫を販売しているため、多数のベンダーが関与している。問題は、これらのベンダーがどのように扱われるか、そしてその一部が重要とみなされるかだ」と、同氏は述べる。
事態を注視する中小ブランド
ライトエイドで販売されているブランドの経営幹部のひとりは、自社が近日の支払いを確保するための対策をとりはじめたと語る。比較的小規模のブランドにとって、破産後の再編成が完了するのを待つ以外にできることはほとんどないと、この人物は述べている。
この経営幹部は、「現実には、変えなければならなかったのは契約条件を厳しくすることだけで、それは9月初頭、破産のレポートが出はじめたときに行った」と述べている。新しい契約条件では、ライトエイドは注文の発送から2週間以内に同社に支払いを行う必要がある。「これは、破産によって事態が変化しても、ライトエイドの債務は数週間分のみになるということだ」と同氏は付け加えた。現在、このブランドは今後の注文に関するアップデートがあるまで商品の発送を停止している。
閉鎖される店舗の在庫がどこに移動されるのか、ライトエイドがそれを近くの店舗に保管するのか、ベンダーに送り返すのかも明らかでないと、同氏は述べる。この経営幹部は、現在のところライトエイドから次の手順についての最新情報が通知されていないことを確認しているが、このような場合に「もっとも苦しむのは借入資本利用が少ない小規模のブランドだ」と述べた。
現在のトラブルの伏線
当然ながら、数十万ドル程度の注文しかない新興企業は、苦境に立たされている小売業者(ライトエイド)にとって優先順位が高いとは限らない。あるD2Cの創設者によると、ライトエイドの支払いパートナーブランドとのトラブルは、破産申請よりもはるかに前からはじまっていた。セクシャルウェルネスブランドのプロメセント(Promescent)のCEOを務めるジェフ・アブラハム氏は、ライトエイドとの短期間の経験は、現在のトラブルを予感させていたと語る。「ライトエイドと関わるようになったのは2016年だが、支払いが遅延したため6カ月で打ち切ることになった。当社のような規模の企業にとって、何度も連絡をとりあうというのは、時間と労力に見合うものではなかった」と、同氏は述べている。
また、パーソナルケアブランドの経営幹部は、ライトエイドが自社にとって比較的小口の卸売相手だが、チームは状況の進展に「十分な注意を払っている」と語る。同氏は、今日までのところ、ライトエイドに出荷した注文について、全額が支払われてきたと認めている。
「これが将来的に我々にどのような影響を与えるかは見当もつかないが、現在のところは事態を注視している」と同氏は述べる。同社にとってライトエイドは大きな収益源ではないが、数百もの店舗が閉鎖されれば、最低でも自社ブランドのリーチが影響を受けると、同氏は述べている。「ライトエイドの店舗は、十分なサービスを受けていないコミュニティに多く存在しており、店舗の閉鎖は残念なことだ」と、同氏は締めくくっている。
Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)